マレーナ MALENA

作曲・指揮:エンニオ・モリコーネ
Composed and Conducted by ENNIO MORRICONE

演奏:アカデミア・ムジカーレ・イタリアーナ
Performed by AMIT(Accademia Musicale Italiana)

(伊Virgin / 7243 8508112 5)

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「ニュー・シネマ・パラダイス」(1989)「みんな元気」(1990)「夜ごとの夢/イタリア幻想譚」(1991)「記憶の扉」(1994)「明日を夢見て」(1995)「海の上のピアニスト」(1999)ジュゼッペ・トルナトーレ監督が2000年に撮ったラブストーリーで、1941年、第二次大戦時のイタリア、シチリア島を舞台に、戦争で夫を亡くしたばかりの美しい未亡人マレーナと、彼女に憧れる13歳の少年レナートを描いたドラマ。出演はモニカ・ベルッチ(「ドーベルマン」)、ジュゼッペ・スルファーロ、ルチアーノ・フェデリコ、マチルデ・ピアーナ、ピエトロ・ノタリアンニ、ガエタノ・アロニカ、ジルベルト・イドネア、アンジェロ・ペレグリーノ、ガブリエラ・ディ・ルッツィオ、ピッポ・プロヴィデンチ、マリア・テラノーヴァ、エリザ・モルッチ、ドメニコ・ジェナーロ、ヴィタルバ・アンドレア、ジュゼッペ・パタヴィーナ他。

セルジオ・レオーネ監督の「夕陽のガンマン」(1965)「続・夕陽のガンマン/地獄の決斗」(1966)「夕陽のギャングたち」(1970)等のベテラン脚本家ルチアーノ・ヴィンチェンツォーニによる恋愛小説を読んで感動したトルナトーレ監督が、自ら脚本を執筆し映画化したもので、本年度ゴールデン・グローブ賞の最優秀外国語映画賞、音楽賞にノミネートされた。

音楽は、トルナトーレ監督の作品中、最初の「(未公開)“教授”と呼ばれた男」(1986/音楽はニコラ・ピオヴァーニ)以外は全て担当している盟友エンニオ・モリコーネ。冒頭の「Inchini ipocriti e disperazione」はピアノ、ギターとオーケストラによる素朴なマーチ風の主題で、「Passeggiata in paese」「Orgia」「Bisbigli della gente」「Ipocrisie」と繰り返し登場して全体で最も強い印象を残すが、明らかにモリコーネの作風ながら、ニーノ・ロータやピオヴァーニの音楽にも似たタッチの曲。「Malena」は主人公マレーナの主題で、いつものしっとりとした美しいモリコーネ節を聴かせる。「Visioni」はより切ないタッチの第3主題で、これもモリコーネらしい深みのある曲。「Linciaggio」「Casino^Bolero」ではオーケストラによるサスペンスフルなアンダースコアを展開。非常に安定した出来だが、「ニュー・シネマ・パラダイス」や「海の上のピアニスト」ほどの強いインパクトはない。
(2001年1月)

Ennio Morricone

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