ダブ THE DOVE
作曲・指揮:ジョン・バリー
Composed and Conducted by JOHN BARRY
(英Artemis / ART-F 006)
「1000日のアン」(1969)「クイン・メリー/愛と悲しみの生涯」(1971)「真夜中の向う側」(1977)等のチャールズ・ジャロットが1974年に監督したドラマ。出演はジョセフ・ボトムズ、デボラ・ラフィン、ジョン・マックリアム、イヴォール・バリー、コルビー・チェスター、ジョン・アンダーソン、ダブニー・コールマン、デイル・カッツ他。脚本はピーター・ビーグルとアダム・ケネディ、撮影はベルイマン作品等で知られる名手スヴェン・ニクヴィストが担当。製作に俳優のグレゴリー・ペックが参加している。“ダブ”と名付けられた23フィートの小さなヨットで世界一周を果たした16歳の青年ロビン・リー・グレアムの体験記を基に、彼の1739日間のヨット旅行を、各地の美しい風景をまじえて描く。グレアム(ボトムズ)が旅の途中で出逢い、恋に落ちるパティ・ラッテリーをデボラ・ラフィンが演じている。
音楽はジョン・バリーの傑作の1つで、公開当時に出ていたサントラLPと同じ内容のCDが今回リリースされたもの(バリーはジャロット監督の前作「クイン・メリー/愛と悲しみの生涯」の音楽も担当しているが、こちらも名スコア)。メインタイトル「The Dove (Main Title)」はジェームズ・ボンド風の重厚なイントロからギターとストリングスによる美しく雄大な主題へと展開する名曲。主人公の青年の冒険心や純真さを表現した印象的なメロディで、この主題は「Mozambique」「Porpoise Escort」「End Title」でも演奏される。「Sail the Summer Winds」はバリー作曲/ドン・ブラック作詞の爽やかな主題歌で、リン・ポールが歌っている。「Hitch-Hike to Darwin」はハーモニカをフィーチャーした牧歌的な曲。「Patty and Robin」は明るく素朴なラブテーマ。大海原での孤独感を表現した「Alone on the Wide Wide Sea」もバリーらしくて良い。「Xing mombila」はアフリカの民族音楽を取り入れた曲。
このCDはアーネスト・ゴールドの「愚か者の船」「戦争のはらわた」等をCD化したイギリスのArtemisレーベルからリリースされているが、このレーベルは少し前にジャロット監督による2作、「クイン・メリー/愛と悲しみの生涯」と「1000日のアン」(音楽:ジョルジュ・ドルリュー)のカップリングCDも出している(Artemis
/ ART-F 005)。
(2001年6月)
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