パール・ハーバー
PEARL HARBOR 作曲:ハンス・ジマー 指揮:ギャヴィン・グリーナウェイ (米Hollywood=WarnerBros. / 9 48113-2) |
このCD(輸入盤)を購入する |
「アルマゲドン」を大ヒットさせたジェリー・ブラッカイマー製作=マイケル・ベイ監督のコンビによる戦争スペクタクル+ラブストーリー。出演はベン・アフレック、ジョシュ・ハートネット、ケイト・ベッキンセール、ジョン・ヴォイト、アレック・ボールドウィン、キューバ・グッディング・Jr.、ダン・アイクロイド、ピーター・ファース、トム・サイズモア、スコット・ウィルソン、マコ、ケイリー=ヒロユキ・タガワ、ユワン・ブレムナー、ウィリアム・リー・スコット、ジェームズ・キング、マシュー・デイヴィス、マイケル・シャノン、トマス・アラナ、コルム・フィオール、ジェニファー・ガーナー、ベス・グラント、デヴィッド・カウフマン、キャサリン・ケルナー、リーランド・オーサー、ガイ・トーリー他。脚本はディック・クレメント、イアン・ラ・フレネとランドール・ウォーレスが担当。撮影はジョン・シュワルツマン、SFXはILM。日本軍による真珠湾攻撃を、二人の米国空軍兵(アフレックとハートネット)と一人の看護兵(ベッキンセール)の視点から描いたドラマ。ジョン・ヴォイトがルーズベルト大統領、マコ岩松が山本五十六元帥を演じる。
音楽はブラッカイマー=ベイのコンビによる「ザ・ロック」を担当したハンス・ジマー。冒頭の「There
You'll Be(永遠に愛されて:パール・ハーバー愛のテーマ)」はフェイス・ヒルのヴォーカルによる主題歌で、プロデュースはトレヴァー・ホーンとバイロン・ガリモア。続く「Tennessee」「Brothers」「...And
Then I Kissed Him」は基本的に同一の主題をベースにしたピアノとストリングスが主体のジェントルな曲。「I
Will Come Back」も静かな曲だがコーラスをフィーチャーしており、“嵐の前の静けさ”的な雰囲気がある。「Attack」はオーケストラとシンセサイザーによる躍動的な導入から、コーラスを加えたドラマティックなマーチへと展開する約9分のスコア。「December
7th」はサミュエル・バーバーの「アダージョ」を想わせる重厚でストイックなタッチで、後半の讃美歌的なコーラスが美しい。「War」が全体の聴きどころで、ダイナミックなオーケストラによる好戦的でペイトリオティックなタッチがいつものジマーらしい。後半のヒロイックなメロディも良い。「Heart
of a Volunteer」はコーラスと女声をフィーチャーした主題のリプライズにより静かに締めくくる。全体で46分強のアルバムだが、うまく纏まっておりハンス・ジマーの最近の作品中では水準以上の出来であろう。戦闘シーンの音楽がハイライトになっており、同じく真珠湾攻撃を扱った「トラ・トラ・トラ!」(1970)で音楽を担当したジェリー・ゴールドスミスがラストの延々と続く攻撃シーンに全くスコアを付けなかったことと対照的である。
(2001年6月)
Copyright (C) 2001 Hitoshi Sakagami. All Rights Reserved.