(未公開/TV)PADRE PIO - TRA CIELO E TERRA
作曲・指揮:エンニオ・モリコーネ
Composed and Conducted by ENNIO MORRICONE
演奏:ローマ管弦楽団、アカデミア・ムジカーレ・イタリアーナ
Performed by Orchestra di Roma, AMIT S.R.L.(Accademia Musicale Italiana)
(伊Warner Chappell Music / 0927 40386-2)
2000年イタリア製作の宗教ドラマ(TVミニシリーズ)。監督はジウリーオ・バーセ。出演はミシェル・プラシド、バーバラ・ボブローヴァ、ファビオ・カミッリ、ロッコ・パパレオ、シドニー・ローム、フランコ・トレヴィーシ、フランコ・インテルレンギ、マリアーノ・リジッロ、サヴェリオ・デルコーレ、リッカルド・ガローネ他。脚本はフランコ・ベルニーニ。
音楽はエンニオ・モリコーネが担当しているが、彼が作曲したTV映画のスコアには傑作が多く、この作品も例外ではない。近年の彼の作品中では明らかにベストの1つだろう。冒頭の「Padre Pio tra cielo e terra」は、静かで感動的なメインテーマのイントロに続いて荘厳なファンファーレが鳴り響き、コーラスとフルオーケストラによるスケールの多い主題へと展開していく、まさにモリコーネのベスト・パターン。このテーマは「La croce della gloria」や「Tra cielo e terra」でもドラマティックに演奏される。続く「La sofferenza」がアルバム全体でも特に素晴らしく、心に染み入るような美しく深遠な音楽。同じ主題が「Dolore come amore」ではオーケストラにより非常に感動的に演奏される。「Nel silenzio」「La verita' nelle stimmate」といった曲も実に美しい。「7 Raccordi」はサスペンス調の音楽。ラストの「Solo voci」は宗教色を強調した荘厳なフィナーレとなっている。まさに心を洗われるような音楽。このサントラCDには約61分(全12曲)のスコアが収録されており、非常に聴き応えがある。ヴァイオリンのソロはファウスト・アンツェルモ。合唱はファブリツィオ・バルキ指揮のコロ・ムジカノーヴァと、パオロ・ルッチ指揮のコロ・ディ・ヴォーチ・ビアンケ・デラルクム。
映画自体はほぼ無名な監督・キャストによる宗教劇で、日本で公開(TV放映)される可能性も低いが、音楽の方は巨匠が本領を発揮した傑作スコアとなっている。必聴盤。
(2001年9月)
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