(未公開)グレート・ウォリアーズ/欲望の剣   FLESH+BLOOD

作曲・指揮:ベーシル・ポールドゥーリス
Composed and Conducted by BASIL POLEDOURIS

演奏:ロンドン交響楽団
Performed by the London Symphony Orchestra

(ベルギーPrometheus / PCR 513)

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1985年製作のアメリカ/オランダ合作映画(日本では劇場未公開でビデオがリリースされていた。TV放映時の邦題は「炎のグレートコマンド/地獄城の大冒険」)。監督は「ロボコップ」(1987)「トータル・リコール」(1990)「氷の微笑」(1992)「スターシップ・トゥルーパーズ」(1997)「インビジブル」(2000)等のポール・ヴァーホーヴェン。出演はルトガー・ハウアー、ジェニファー・ジェイソン・リー、トム・バーリンソン、ジャック・トンプソン、フェルナンド・ヒルベック、スーザン・ティレル、ロナルド・レイシー、ブライオン・ジェームズ、ジョン・デニス・ジョンストン、サイモン・アンドリュー、ブルーノ・カービイ他。ジェラード・ソェットマンの原案を基にヴァーホーヴェンとソェットマンが脚本を執筆。撮影は「スピード」「ツイスター」等の監督ヤン・デ・ボン。マーティン(ハウアー)をリーダーとする中世の傭兵軍は、仕事を成功させたにもかかわらず、王に裏切られ無報酬で追放される。彼らは復讐のため、王子の婚約者(ジェイソン・リー)を略奪して城を征服する。だが、王子の軍がペストにかかった犬を密かに城の井戸に放り込んだことから、水を飲んだ傭兵軍は壊滅し、王子の軍は婚約者を取り返す。マーティンは九死に一生を得て逃げ延びる……。

音楽はヴァーホーヴェン監督と「ロボコップ」(1987)「スターシップ・トゥルーパーズ」(1997)でも組んでいるベーシル・ポールドゥーリスだが、彼の個性が非常に良く出たダイナミックなエピック・スコアとなっている。ポールドゥーリスはヴァーホーヴェンとの話し合いで、電子楽器や純粋な中世の音楽は一切使わず、映画のアドヴェンチャーの要素をストレートに表現したシンフォニック・スコアを作曲したという。「Main Title」はヒロイックでパワフルなメインタイトルで、バーバリックな作品世界に一気に引きずり込まれる。続く「Siege of the City」も激しいアクションスコア。「Courtship and Mandrake」はリリカルなタッチ。「Wagon Attack」は前半の聴きどころで、エキサイティングなアクション音楽。「Martin and Agnes Love Theme」はドラマティックなラブ・テーマ。「Castle Invasion」はメインタイトルのバリエーションによるアクション音楽。「The Box」はブラッシーでパーカッシヴなタッチ。「Arnolfini Assault」でのスワッシュバックリング調のアンダースコアも良い。「Denouement / End Title」は力強いフィナーレで締めくくる。これはポールドゥーリスが「コナン・ザ・グレート」「若き勇者たち」と「ロボコップ」の間に手がけたスコアで、彼の初期の傑作の一つだろう。ロンドン・シンフォニーの一糸乱れぬ演奏も素晴らしい。尚、このスコアはVarese Sarabandeレーベルから過去にサントラLPとCD(Varese Sarabande CD Club Vol.14 / BCL 6002)が出ていたが、今回ベルギーのPrometheusレーベルからリリースされたCDは、未発表のボーナストラック10曲を含む全21曲/約68分の内容で、3000枚の限定プレスとなっている。

ベーシル・ポールドゥーリスが手がけたその他のスコアには、「ビッグ・ウェンズデー」(1978)「青い珊瑚礁」(1980)「コナン・ザ・グレート」(1982)「若き勇者たち」(1984)「キング・オブ・デストロイヤー/コナン PART2」(1984)「アイアン・イーグル」(1985)「チェリー2000」(1986)「ロボコップ」(1987)「ノーマンズ・ランド」(1987)「(TV)ロンサム・ダブ」(1989)「ベルーシ/ブルースの消えた夜」(1989)「戦場」(1989)「レッド・オクトーバーを追え!」(1990)「イントルーダー/怒りの翼」(1990)「ホワイトファング」(1991)「ハーレーダビッドソン&マルボロマン」(1991)「ロボコップ3」(1992)「ウインズ」(1992)「ホット・ショット2」(1993)「フリー・ウィリー」(1993)「(TV)名犬ラッシー」(1994)「沈黙の要塞」(1994)「シリアル・ママ」(1994)「ジャングル・ブック」(1994)「暴走特急」(1995)「フリー・ウィリー2」(1995)「ラスト・パーティ」(1996)「THE WAR/戦場の記憶」(1996)「スイッチバック」(1997)「スターシップ・トゥルーパーズ」(1997)「ブレーキ・ダウン」(1997)「レ・ミゼラブル」(1998)「恋するための3つのルール」(1999)「ラブ・オブ・ザ・ゲーム」(1999)「セシル・B/ザ・シネマ・ウォーズ」(2000)「クロコダイル・ダンディーin L.A.」(2001)等がある。
(2002年4月)

Basil Poledouris

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