プレシディオの男たち   THE PRESIDIO

作曲・指揮:ブルース・ブロートン
Composed and Conducted by BRUCE BROUGHTON

(Promotional)


1988年製作のアメリカ映画。監督は「レリック」(1997)「エンド・オブ・デイズ」(1999)「ヤング・ブラッド」(2001)等のピーター・ハイアムズ。出演はショーン・コネリー、マーク・ハーモン、メグ・ライアン、ジャック・ウォーデン、マーク・ブラム、ダナ・グラッドストーン、ジャネット・ゴールドスタイン、マーヴィン・J・マッキンタイア、ドン・カルファ、ロバート・レサー他。脚本はラリー・ファーガソン、撮影は例によって監督のハイアムズ自身が担当している。サンフランシスコのプレシディオ軍事基地で起きた殺人事件を捜査する市警察のジェイ・オースティン刑事(ハーモン)と、彼のかつての上司でMP隊長のアラン・コールドウェル(コネリー)、更にコールドウェルの娘でオースティンの恋人でもあるドナ(ライアン)との関係を絡めて描くサスペンス映画。一連のロマンティックコメディ映画でメジャーになる直前のメグ・ライアンがヒロイン役で出ているが、やはりコネリーの存在感が強く、主役のハーモンともどもあまり印象に残らない。

音楽は「カナディアン・エクスプレス」(1990)等でもハイアムズと組んでいるブルース・ブロートン「Main Title」は、ピアノのイントロにトランペットによるストイックなタッチの主題がかぶさるミステリ調のメインタイトル。続く「The Lincoln / Patti Jean」も似たようなトーンの抑制されたサスペンス音楽で、全体として同様のタッチの音楽を中心に展開していく。「Car Chase」は、題名通りカーチェイス・シーンでのオーケストラ+シンセによるダイナミックなアクション音楽。この曲や「Chinatown Chase」でのハイテンションな音楽は、ビジーなブラスや鋭いパーカッションが70年代のゴールドスミスのサスペンス音楽のタッチに似ている。「Sgt.Garfield / Follow Me」は突然ロック調になる。「Donna & Jay」はメインの主題のジェントルなタッチのバリエーションで、ここではハーモンとライアンのラブテーマになっている。「Tailing Spota」はドラマティックなミステリ調。「Waterhouse Fight」はクライマックスの約9分に及ぶサスペンス・アクション音楽。「Impatient to Say Goodbye / End Credits」では、メインの主題がトランペット・ソロからフルオーケストラへと盛り上がり、全体を締めくくる。いかにもブロートンらしいソリッドなサスペンス・スコア。

このCDは2002年に作曲家のプロモーション用としてプレスされたサントラ盤(全13曲、37:48収録)で、音質良好だがライナーノーツ等はない。
(2002年9月)

Bruce Broughton

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