ピノッキオ  PINOCCHIO

作曲・指揮:ニコラ・ピオヴァーニ
Composed and Conducted by NICOLA PIOVANI

演奏:ローマ管弦楽団
Performed by Orchestra di Roma

(伊Virgin / 7243 5 43182 2 1)

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「ライフ・イズ・ビューティフル」(1998)でアカデミー賞の主演男優賞を受賞したロベルト・ベニーニが監督・脚本を担当し、自らピノッキオを演じるファンタジー(日本公開は2003年春)。共演はベニーニの妻で彼の映画の常連でもあるニコレッタ・ブラスキに、カルロ・ジュフレ、ミーノ・ベレイ、キム・ロッシ・スチュアート、アレッサンドロ・ベルゴンゾーニ、コルラード・パーニ、ヴィンチェンツォ・チェラミ、ブルーノ・アレーナ、ジオルジオ・アリアーニ、ペッペ・バルラ、トマーソ・ビアンコ、リッカルド・ビッツアッリ、マックス・カヴァラーリ、フランコ・イアヴァローネ、ルイス・モルテーニ他。カルロ・コローディの原作を基にベニーニとヴィンチェンツォ・チェラミが脚本を執筆。撮影はダンテ・スピノッティ。

音楽はベニーニと組んだ「ライフ・イズ・ビューティフル」で1998年度アカデミー賞音楽賞を受賞したニコラ・ピオヴァーニ。冒頭の「La fata tuchina」で登場する大らかでドラマティックなメインの主題と、続く「Il burattino」で登場する素朴で陽気な“ピノッキオ”の主題が全体を通じて交互に現れ、カラフルに展開していく。メインの主題の方は「Il bacio della fata」、フィナーレの「Finale」、そして「Il tema della fata」ではピアノソロで感動的に演奏される。一方、“ピノッキオ”の主題は「I viaggi di Pinocchio」「Il pezzo di legno」「Promenade di Pinocchio」「Il paese dei balocchi」等に様々なアレンジメントで登場し、「La canzone di Pinocchio」ではロベルト・ベニーニが熱唱する(若干やけくそ気味な歌いっぷりだが・・)。その他にもコミカル+シリアスないかにもピオヴァーニらしい「Il gatto e la volpe」、アコーディオンの演奏が美しい「Lucignolo」「La morte di Lucignolo」、サーカス風の陽気な音楽「Il teatro dei burattini」「Il circo」等、この作曲家の個性が随所に現れたスコアとなっている。やはり聴きどころはドラマティックなメインの主題で、ベテランの風格さえ感じさせる。名曲。
(2002年12月)

Nicola Piovani

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