ロード・オブ・ザ・リング/二つの塔 THE LORD OF THE RINGS: THE TWO TOWERS
J・R・R・トールキンの原作を映画化した『ロード・オブ・ザ・リング』3部作の第2部。監督はピーター・ジャクソン。出演はイライジャ・ウッド、イアン・マッケラン、リヴ・タイラー、ヴィゴー・モーテンセン、ショーン・アスティン、ケイト・ブランシェット、ジョン・リス=デイヴィス、ビリー・ボイド、ドミニク・モナハン、オーランド・ブルーム、クリストファー・リー、アンディ・サーキス、バーナード・ヒル、ブラッド・ドゥーリフ、ミランダ・オットー、カール・アーバン、デヴィッド・ウェンハム他。脚本はピーター・ジャクソン、フランシス・ウォルシュとフィリッパ・ボーエンズ。撮影はアンドリュー・レスニー。この映画を3本まとめてニュー・ラインから買い付けた洋画配給会社の日本ヘラルドは、1本目の大ヒットにより3本分すべてのコストを回収してしまった。
音楽は第1部(The Fellowship of the Ring)同様ハワード・ショアが作曲しているが、このCDのライナーノーツによると、監督のジャクソンとショアは3部作を最終的に1本の連続した作品として公開することを想定し、スコアで表現される
中つ国の音楽的なアイデンティティを一貫して維持するようにしたという。基本的には前作の延長となるスコアだが、全体としてより重く暗いタッチとなっている。冒頭の「Foundations
of Stone」はダイナミックなオーケストラと荘厳なコーラスで幕を開ける。「The Riders of Rohan」ではノルウェーのヴァイオリン“ハーディンジャー(hardinger)”によるローハンの主題を織り込んだパワフルなスコアが展開。「The
Uruk-hai」では前作の主題が顔を出す。「The White Rider」はドラマティックなコーラス曲。「The
Hornburg」は重厚で戦闘的なスコア。「Forth Eorlingas」はヒロイックな盛り上がりを見せる。最後の方の「Samwise
the Brave」で初めて牧歌的で明るい主題が現れる。全体として重厚なオーケストラ+コーラスのサウンドに、上記ハーディンジャーや、北アフリカのリード楽器ハイタ(rhaita)、シンバロン(cimbalon)、ディルバ(dilruba)といった楽器によりエスニック・フレーバーを付加している。また、イザベル・ベイラクダリアンによる「Evenstar」、シーラ・チャンドラによる「Breath
of Life」、ベン・デル・マエストロによる「Forth Eorlingas」、エリザベス・フレイザーとマエストロによる「Isengard
Unleashed」といったヴォーカル曲を間に挿入し、ファンタスティックな作品世界を表現している。ラストのトラジックなタッチの「Gollum's
Song」はエミリアナ・トリーニが歌っているが、この歌手は声質が安っぽく、やや耳にうるさく感じる。尚、この限定版CDには、ボーナストラックとしてヒラリー・サマーズによる「Farewell
to Lorien」が収録されている。
(2002年12月)
2006年11月に、3枚組CD+DVDオーディオ・ディスク(全曲をサラウンド・サウンドで収録)の完全盤(Complete Recordings)がリリースされている。 |
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