ハワード・ショア
  Howard Shore

Date of Birth: 1946/10/18
Place of Birth: Toronto, Ontario, Canada

Mini Biography:
Shore began his career as a member of the group Lighthouse, with whom he recorded and toured with from 1969 to 1972. He then went on to serve as the original Musical Director of Saturday Night Live. He conducted the live broadcasts from 1975 to 1980. At the same time, he began establishing his reputation in film music circles, working with David Cronenberg on his groundbreaking movies, including "The Fly", "Dead Ringers", "Naked Lunch", and "A History of Violence". He has distinguished himself with a wide range of projects, from Martin Scorsese's "After Hours" and "The Aviator" to Tim Burton's "Ed Wood"; Jonathan Demme's "The Silence of the Lambs" and "Philadelphia" to Chris Columbus' "Mrs. Doubtfire". In 2002, he won his first Oscar for Best Score and a Grammy Award for "The Lord of the Rings: The Fellowship of the Ring". Following another Grammy Award for "The Lord of the Rings: The Two Towers", he was honored with two Oscars, two Golden Globes and his third and forth Grammy Awards for his score for "The Lord of the Rings: The Return of the King" and Best Song for "Into the West". The soundtracks for "The Lord of the Rings" trilogy have sold more than six million copies worldwide.

Official website of Howard Shore: http://www.howardshore.com/

 


ザ・セル THE CELL

作曲・指揮:ハワード・ショア
Composed and Conducted by HOWARD SHORE

演奏:ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団、マスター・ミュージシャンズ・オブ・ジャジューカ
Performed by the London Philharmonic Orchestra, The Master Musicians of Jajouka

(米New Line / NLR-90032)

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2000年製作のサイコ・スリラー。監督はインド出身でこれが劇場映画デビューのタルセム・シング。出演はジェニファー・ロペス、ヴィンス・ヴォーン、ヴィンセント・ドノフリオ、マリアンヌ・ジャン=バプティスト、ジェイク・ウェバー、ディラン・ベイカー、パトリック・ボーショー、ジェリー・ベッカー、ジェームズ・ギャモン、キャサリン・サザーランド、プルイット・テイラー・ヴィンス他。脚本はマーク・プロトセヴィッチ、撮影はポール・ローファーが担当。衣装デザインは「ドラキュラ」等の石岡瑛子。

開発されたばかりの精神療法に取り組む精神科医のキャサリン(ロペス)は、FBIに協力して昏睡状態にある凶悪殺人犯(ドノフリオ)の心に入り込み、犯人に誘拐されて行方不明になっている少女の居場所を探ろうとするが・・・。

音楽はデヴィッド・クローネンバーグ監督とのコラボレーション等で知られるカナダ出身のハワード・ショアで、ここではロンドン・フィルによる重厚なオーケストラ・サウンドと、モロッコの音楽家バシール・アッタールの率いるマスター・ミュージシャンズ・オブ・ジャジューカのアラビックなサウンドの組合わせによる、ケオティックで不気味なスコアを提供している。特にハッジ・アブデサラーム・アッタール作曲の「El Medabey」と、バシール・アッタール作曲の「Memories of My Father」の引用を組み込んだ「The Cell」「Trauma」「Valentine」といった曲の邪教を表現したような獰猛さが印象的。「FBI Pathologist」「Chlorine and Rust」「Stargher King」「The Drowing」といった、オーケストラによる不協和音を主体にした曲でのアブストラクトなタッチと襲いかかってくるようなマッシヴなサウンドもこの作曲家らしい。地味なスコアが多いショアとしては、全編を通してかなり派手に鳴りまくっている本格的なホラー音楽で、聴き応えがある。
(2000年9月)

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ビッグ BIG

作曲・指揮:ハワード・ショア
Composed and Conducted by HOWARD SHORE

(米Cinemaron / CRCD 711) 1997

1988年製作のファンタジー+ラブストーリー。監督は「レナードの朝」(1990)「プリティ・リーグ」(1992)「勇気あるもの」(1994)等のペニー・マーシャル。出演はトム・ハンクス、エリザベス・パーキンス、ジャレッド・ラシュトン、ロバート・ロジア、ジョン・ハード、デヴィッド・モスコー、マーセデス・ルール他。B・B・ヒラーとニール・ヒラーの原作を基に、ゲイリー・ロスとアン・スピルバーグ(スティーヴンの妹)が脚本を執筆(1988年度アカデミー賞の脚本賞にノミネート)。撮影は「メン・イン・ブラック」や「ワイルド・ワイルド・ウエスト」等の監督としても知られるバリー・ソネンフェルドが、タイトル・デザインはヒッチコック映画等で有名なベテランのソウル・バスが担当している。

「早く大きくなりたい」と願う少年が、カーニヴァルの夜に、何でも望みをかなえる魔王のボックスにコインを入れて祈り、翌朝目覚めてみると大人の青年(ハンクス)に成長していた。玩具メーカーに就職した彼は、子供としての発想を活かして新商品のアイデアを次々と出し、社長に認められると同時に、同僚の女性(パーキンス)と恋に落ちる・・・。シンプルな発想のファンタジー・コメディだが、女性監督らしい繊細なタッチが自然な感動を生む傑作。「大人の身体をした子供」というキャラクターはまさにハンクスのはまり役で、彼はこの映画でオスカーの主演男優賞にノミネートされた。

ハワード・ショアの音楽は、ホラーやサスペンス映画での重厚で緊迫したスコアを得意とする彼としては珍しくジェントルで軽快なタッチが楽しい。特にエンディングにピアノとオーケストラによりフルバージョンで流れるメインテーマ「Home」が、実にセンチメンタルで美しく感動的。このCDは1997年にプロモーション盤としてリリースされたもの。

ハワード・ショアのその他の作品には「スキャナーズ」(1981)「ヴィデオドローム」(1982)「ザ・フライ」(1986)「戦慄の絆」(1988)「羊たちの沈黙」(1990)「裸のランチ」(1991)「キスへのプレリュード」(1992)「ギルティ/罪深き罪」(1992)「ルームメイト」(1992)「Mバタフライ」(1993)「フィラデルフィア」(1993)「ミセス・ダウト」(1993)「硝子の塔」(1993)「エド・ウッド」(1994)「依頼人」(1994)「セブン」(1995)「ムーンライト&ヴァレンチノ」(1995)「クラッシュ」(1996)「リチャードを探して」(1996)「ゲーム」(1997)「コップランド」(1997)「アナライズ・ミー」(1999)「グロリア」(1999) 等がある。個人的には重厚なオーケストラとコーラスによるクラシカルな力作「リチャードを探して」のスコアが素晴らしいと思う。

尚、同じカナダ出身で付き合いの長いデヴィッド・クローネンバーグ監督とのコラボレーション作品を集めた、以下のコンピレーションCDがイギリスのSilva Screenレーベルからリリースされている。

「DEAD RINGERS: Symphonic Suites from the Films of David Cronenberg」
  Composed and Conducted by Howard Shore
  (英Silva Screen / FILMCD 115) 1992

     Scanners  スキャナーズ
     The Brood  ザ・ブルード/怒りのメタファー
     Dead Ringers  戦慄の絆

(2000年9月)

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