ブルベイカー  BRUBAKER

作曲・指揮:ラロ・シフリン
Composed and Conducted by LALO SCHIFRIN

(米Intrada / Intrada Special Collection Volume 10)


1980年製作のアメリカ映画。監督は「暴力脱獄」(1967)「マシンガン・パニック」(1973)「ハーパー探偵シリーズ/新・動く標的」(1975)「さすらいの航海」(1976)「悪魔の棲む家」(1979)「ハリー奪還」(1986)等のステュアート・ローゼンバーグ。出演はロバート・レッドフォード、ヤフェット・コットー、ジェーン・アレクサンダー、マーレイ・ハミルトン、デヴィッド・キース、モーガン・フリーマン、マット・クラーク、ティム・マッキンタイア、リチャード・ウォード、ジョン・ヴァン・ネス、M・エメット・ウォルシュ、アルバート・サルミ、リンダ・ヘインズ、エヴェレット・マッギル、ヴァル・アヴェリー、ロナルド・C・フレイジアー、デヴィッド・ハリス、ジョー・スピネル、ジェームズ・キーン、コンラッド・シーハン、ウィルフォード・ブリムリー他。トーマス・マートンとジョー・ハイアムズの原作を基にW・D・リクターとアーサー・ロスが脚本を執筆。撮影はブルーノ・ニュイッテン。

アメリカ南部のウエイクフィールド刑務所に、新任の所長ヘンリー・ブルベイカー(レッドフォード)が囚人として潜り込み、所内に蔓延る賄賂と暴力による腐敗のシステムを暴き出そうとする・・、という実話に基づくドラマ。主人公のモデルになった実在の看守トーマス・マートンは、腐敗を是正しようとしたことで州議会から逆に攻撃され、職を失い、この映画が公開された時点でも失業中だったという。監督にはジョン・バダム、アラン・J・パクラ、ボブ・ラフェルソンが候補にあがったが最終的にはローゼンバーグに落ち着いた。ラフェルソンは実際に撮影を開始したが、開始直後にフォックスの重役と衝突して殴り合いになり、監督を降ろされたという(そりゃそうだろう)。この作品は1980年度アカデミー賞の脚本賞(W・D・リクター、アーサー・ロス)にノミネートされている。

音楽は「暴力脱獄」「さすらいの航海」「悪魔の棲む家」でもステュアート・ローゼンバーグ監督と組んだラロ・シフリン(因みにシフリンはこの3作品全てでアカデミー賞の作曲賞にノミネートされている)。「Theme from Brubaker」はギターにハーモニカによるメインの主題が重なるライトなタッチ。続く「Main Title」も重いテーマの映画にしては爽やかなメインタイトルで、主人公のオプティミスティックな性格を反映している。この主題は「Sunglass」「Lonely Brubaker」「Finale」等でも登場する。スコア全体は、明るく陽気なカントリー音楽調の曲(「Pinky's Place」「Country Living」「Chow Down」「Fiddles & Broomsticks」「Nowhere to Go」「Wakefield Blues」)と、シフリンらしい神経を逆撫でするようなサスペンス音楽(「The Man on the Bottles」「The Details」「The New Warden」「Work with Me」「A Free Worlder」「A Closer Walk with Me」「The Digging Begins」「Bodies」「A Handful at a Time」「Take Him Alive」「Death at the Diner」)により構成されており、これらにロックやジャズのソース音楽、いくつかの挿入歌が散りばめられている。挿入歌の1つ「All for the Love of Sunshine」「戦略大作戦」にシフリンが書いたスタンダードで、私の好きな曲。非常にカラフルな内容のスコアだが、映画自体が完成までに何度も編集し直されたため、シフリンの作曲した音楽の大半は実際には使用されたかった。個人的にはやはりサスペンス音楽の部分のシャープな表現がシフリンの本領発揮で楽しめた。

このサントラCDは米Intradaレーベルが限定盤として2003年にリリースしたもの。
(2003年8月)

Lalo Schifrin

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