(未公開)L'EXPEDITION JULES VERNE: A BORD DU TROIS-MATS BELEM

作曲・指揮:ジョン・スコット
Composed and Conducted by JOHN SCOTT

演奏:スロヴァク放送交響楽団
Performed by the Slovak Radio Symphony Orchestra

(仏Cinefonia / CFR 001)


2002年2月にフランスのナント港を出発し、アマゾン川、仏領ギアナ、マルチニーク島、アゾレス諸島へと22,000km、5ヶ月間の航海に出たフランス最後の3本マスト帆船ベレム号(1896年造)の冒険を描いたドキュメンタリー。監督・脚本は“Jules Verne Aventures”という航海チームを運営するジャン=クリストフ・ジョーフル。製作はステファーヌ・ドゥ・サン・ローメールとジャン=クリストフ・ジョーフル。撮影はアラン・スーフィ、ジャン=クリストフ・ジョーフル、ロッシュ・ペスカデル、ローラン・ゲヌン、ミシェル・メトリ、アルベール・ファルコ。ナレーションをシャーロット・ランプリングが担当している。

音楽はイギリス人のジョン・スコットが作曲しているが、彼らしいドラマティックでリッチなアドヴェンチャー・スコアを提供している。冒頭の「The Jules Verne's Legacy and Jules Verne Aventures Theme」「Main Titles」は海洋冒険もののスピリットに満ちたスケールの大きいメインの主題。「Surviving Centuries」は幻想的なタッチ。「Wind」「Mont Pelee Explodes」「Raging Sea / Beneath the Surface」「Powerful Amazon」「Racing / There She Blows!」「The Search for Moby Dick」といった躍動的でダイナミックなオーケストラ曲も素晴らしい。「The Hottest Blood of All」「Screamshaws / Cello for a SpermWhale」はチェロ・ソロをフィーチャーした情感豊かな曲。「Suite for the Belem and End Titles」はカラフルな組曲と力強いフィナーレ。「On the Beach / Painting the Voyage」「Captain Falco」「Under the Hull」「The Jules Verne Aventures Theme (piano version)」では、ジョン・スコット自身のドラマティックなピアノ・ソロがフィーチャーされている。「“A Hundred Years After Jules Verne”」「“They Say the Sea is Cold”」ではシャーロット・ランプリングのナレーションが入る。最後のボーナス・トラックに収録されている11分27秒の「The Jules Verne Film Festival Overture」もカラフルでヴィヴィッド。このアルバムはCD2枚組で合計2時間近い音楽が収録されており、スコットのオーケストラル・スコアが堪能できる。
(2004年1月)

John Scott

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