新・夕陽のガンマン/復讐の旅 DA UOMO A UOMO (DEATH RIDES A HORSE)

作曲・指揮:エンニオ・モリコーネ
Composed and Conducted by ENNIO MORRICONE

(伊GDM / GDM2040)


1967年製作のイタリア映画(日本公開は1968年)。監督は「(未公開)復讐無頼・狼たちの荒野」(1968)「(未公開)さすらいの用心棒」(1968)等のジウリオ・ペトローニ。出演はリー・ヴァン・クリーフ、ジョン・フィリップ・ロー、マリオ・ブレガ、ルイジ・ピスティッリ、アンソニー・ドーソン、ホセ・トーレス、フランコ・バルドゥッチ、ブルーノ・コラッツァーリ、フェリチータ・ファニー、イグナツィオ・レオーネ他。脚本は「鉄道員」(1956)「誘惑されて棄てられて」(1963)「夕陽のガンマン」(1965)「続・夕陽のガンマン/地獄の決斗」(1966)「豹/ジャガー」(1968)「夕陽のギャングたち」(1971)「華麗なる復讐」(1974)「オルカ」(1977)「マレーナ」(原案/2000)等のルチアーノ・ヴィンチェンツォーニ。撮影はカルロ・カルリーニ。子供の頃、4人組のならず者に両親を殺されたビル(ロー)は、15年後に復讐の旅に出るが、その過程で同じならず者たちに裏切られ15,000ドルの貸しがある前科者のライアン(クリーフ)に出会う・・。

音楽はエンニオ・モリコーネで、これは彼が手がけた無数のスパゲッティ・ウエスタンの中の1作。冒頭の「Death Rides a Horse」は、荒々しいギターの伴奏にイ・カントーニ・モデルニ・ディ・アレッサンドローニによるバーバリックでフランティックなコーラスが重なるメイン・テーマ。復讐をテーマにしたストーリー(スパゲッティ・ウエスタンの大半がそうだが)にふさわしい殺伐としたタッチの主題で、クエンティン・タランティーノが同様に復讐をテーマにした「キル・ビル」(2003)でも使用した曲。この主題の異なるアレンジメントによる別バージョンが4曲収録されている。「Guitar Nocturne」はギターによるストイックなタッチの曲。「Monody for Guitar」はギターとコーラスによるメランコリックな曲で、途中からメインの主題に展開する。この曲も異なるアレンジメントによる別バージョンが2曲収録されている。「Ghost」は幻想的なタッチ。「Alone in the Night」は「ウエスタン」でも流用されたアブストラクトなサスペンス音楽。「Mystic and Severe」はマーチ風のヒロイックな主題で、これも別バージョンを1曲収録。「A Man and a Whistle」は、違う曲名がついているが基本的にメインの主題の別バージョン。「Anger and Sorrow」もコーラスによるヒロイックな主題。「Death Rides a Horse (vocal version)」はメインの主題のラオール(歌手)による野太いヴォーカル版。
このイタリアのGDMレーベルによるCDは未発表曲7曲(+CD未収録だった最後のヴォーカル)を収録した再発だが、このレーベルによるモリコーネのスコアの再発盤CDには、メインやサブの主題の別バージョンを追加しただけというパターンが多い。
(2004年4月)

Ennio Morricone

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