サンダーバード THUNDERBIRDS

作曲:ハンス・ジマー
Composed by HANS ZIMMER

指揮:ニック・グレニー=スミス
Conducted by NICK GLENNIE-SMITH

(米Decca / B0003219-02)

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ジェリー・アンダーソン製作の“スーパーマリオネーション”による有名なイギリスのTVシリーズを、2004年にアメリカのユニヴァーサルが実写映画化した作品。監督は「ファースト・コンタクト/STAR TREK」(1996)「スター・トレック/叛乱」(1998)「タイムマイン」(2002)等のジョナサン・フレイクス。出演はビル・パクストン、アンソニー・エドワーズ、ソフィア・マイルズ、ベン・キングズレー、ブラディ・コーベット、ソレン・フルトン、ヴァネッサ・アン・ハジンズ、ロン・クック、フィリップ・ウィンチェスター、レックス・シャープネル、ドミニク・コレンソ、ベン・トージャーセン、ローズ・キーガン、デオビア・オパレイ他。ピーター・ヒューイットとウィリアム・オズボーンの原案を基にマイケル・マッカラーズとウィリアム・オズボーンが脚本を執筆。撮影はブレンダン・ガルヴィン。億万長者で元宇宙飛行士のジェフ・トレイシー(パクストン)は、無人島を拠点に4人の息子たちと極秘の国際救助隊を組織し、災害救助活動に当たっていた。一家の末っ子のアラン(コーベット)は、そんな兄たちを誇りに思い、自分も早く隊の一員となり活躍したいと願っていた。ところがある日、国際救助隊に怨みを持つ悪漢フッド(キングスレー)が基地の位置を突き止め、サンダーバード5号をミサイルで攻撃、ジェフたちが緊急出動した隙にトレーシー・アイランドを乗っ取ってしまう・・。

音楽はハンス・ジマー。オーケストラとシンセサイザーによるスコアだが、全体にファミリー・ピクチャーであることを意識した明るく軽いタッチの音楽となっている。「Thunderbirds Are Go!」は、有名なバリー・グレイ作曲の「サンダーバード」マーチのアレンジメント。実に軽くてあまり力が入らない。「International Rescue」は明るくヒロイックな国際救助隊の主題。「Lady Penelope: At Your Service」は華麗なレディ・ペネロープ(マイルズ)の主題。「The Hood」はコーラスを一部フィーチャーした、ダークで不吉なフッドの主題。「You Need To Grow Up」はジェントルなタッチ。「Can't Wait To Be A Thunderbird」はサンダーバードの一員になることを切望するアランの主題。「Galion Electrolyte Compound」「Thunderize!」「Major Disaster」「Bank Of England」等はサスペンス調のアンダースコアだが、あまり緊迫感はない。「TB 3 Takeoff」「Junior Mission」「Fafafa...No Way!」等では、いつものジマー節のストイックなタッチが少し登場。「Tracy Island」は明るいトロピカル調のトレイシー・アイランドの主題。「Lady Penelope To The Rescue」はこれまた軽いマーチ。「Buggy Chase」はチェイス音楽だが、ややコミカルなおどけたタッチ。「F.A.B.」は「サンダーバード」マーチの主題を織り込んだヒロイックな音楽。ラストにBustedの演奏による「Thunderbirds Are Go!」が収録されているが、個人的にはやはりエンディングは重厚なオーケストラによる「サンダーバード」マーチで締めくくってほしかった。夏休みのファミリー・ピクチャーではそうもいかないのだろう。
(2004年8月)

Hans Zimmer

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