Date of Birth: 1908/7/18
Place of Birth: Blackburn, Lancashire, England, UK
Date of Death: 1984/4/26
Mini Biography:
Born of musically talented parents, Barry Gray (John Livesey Eccles) went to study at the Royal Manchester College of Music and at Blackburn Cathedral, where he learned harmony and counterpoint; later studying composition with Matyas Sieber, the eminent Hungarian teacher. His first job in the profession was with Feldman's music publishers in London, where he gained much experience scoring for many different combinations for theater, variety and large and small radio orchestras. Later, he became composer-arranger at Radio Normandy at their commercial radio station in Portland Place where he remained until he outbreak of World War II. After 6 years' service in the Royal Air Force during World War II, he resumed his career as an arranger, conductor, and composer on radio, and as an arranger and accompanist for various performing artists, most notably Vera Lynn, Hoagy Carmichael, and Eartha Kitt. Lynn was the artist with whom he was associated the longest, for 10 years, from 1949 until 1959. He became a television composer in the mid-1950s when he was engaged, initially as an arranger and conductor, by AP Films, a small studio owned by Gerry Anderson, on a program called "The Adventures of Twizzle", created by Roberta Leigh. This led to his becoming the composer of the music for such subsequent children's television series as "Supercar", "Fireball XL5", "Stingray", "Thunderbirds", and "Captain Scarlet and the Mysterons", all of which were built around marionettes as characters, and all produced by Anderson and his expanded company, rechristened Century 21. All of Gray's music for these programs utilized such early electronic instruments as the Ondes Martenot and the Miller Spinetta, and he later added various electric organs, synthesizers, and oscillators to his array of instruments, as well as orchestras of up to 70 players. He studied Ondes Martenot, a French instrument, with its inventor Martenot in Paris. In 1970, he moved to Guernsey, a small tax haven island in the Channel near the coast of France, but part of the United Kingdom. He wrote a recognition theme for International Rescue, a real-life rescue operation formed in England with Gerry Anderson as honorary President. He also spent some of his time as resident pianist at the Old Government House Hotel on Guernsey, performing as a labor of love during dinners. He died of heart disease at Guernsey's Princess Elizabeth Hospital on 26 April 1984, age 75.
(TV)宇宙船XL5 FIREBALL XL5
作曲・指揮:バリー・グレイ
Composed and Conducted by BARRY GRAY
(英Fanderson Records / FANSF6) 1998
★TOWER.JPで購入(SUPERCAR/Silva Screen CD)
★AMAZON.CO.JPで購入(SUPERCAR/Silva Screen CD)
★TOWER.JPで購入(FIREBALL XL5/Rambling CD)
★AMAZON.CO.JPで購入(FIREBALL XL5/Rambling CD)
「サンダーバード」等で知られるジェリー・アンダーソンがプロデュースした、スーパーマリオネーション(人形劇)によるイギリスのSFテレビシリーズ2作の音楽を収録したサントラ盤。
「スーパーカー」は1961年製作の30分×39話のシリーズで、ポプキス教授とビーカー博士がデザインしたスーパーカー(空を飛んだり海中に潜ったりできる)による冒険を描く。日本でも日本テレビで1961年から放映された。スーパーカーのパイロット、マイク・マーキュリーの声はグレイドン・グールド(日本初放映時の吹替は納谷悟朗)、マイクに助けられる10歳の少年ジミー・ギブソンの声はシルヴィア・アンダーソン(堀 絢子)、ビーカー博士の声はデヴィッド・グラハム(沖 竜太)、ポプキス教授の声はジョージ・マーセル(熊倉一雄)が担当。SFXはデレク・メディングス。
「宇宙船XL5」は1962年製作の30分×39話のシリーズで、太陽系の第25セクターをエイリアンの侵略から防衛する宇宙船の活躍を描く。日本ではフジテレビで1963年に放映された。XL5号のパイロット、スティーヴ・ゾディアック大佐の声はポール・マックスウェル(日本放映時の吹替は中野誠也:11話まで/金内吉男:12話以降)、ヒロインのヴィーナスの声はシルヴィア・アンダーソン(河内桃子/向井真理子)、マシュウ・マティック教授の声はデヴィッド・グラハム(袋 正/大塚周夫)、ロボットのロバートの声はジェリー・アンダーソン(小美野欣二/太田淑子)、ゼロ司令官の声はジョン・ブルサル(山崎直衛/池田忠夫)が担当(日本では12話以降、谷 敬がナレーターだった)。SFXはやはりデレク・メディングス。
音楽を担当したバリー・グレイは、ジェリー・アンダーソンのSFシリーズには欠かせない存在であり、独特の明るく勇壮で、やや大袈裟なくらいエモーショナルでドラマティックなオーケストラルスコアが、ドラマの興奮を大いに盛り上げていた。この「スーパーカー」と「宇宙船XL5」はグレイが初期に手がけたスコアで、小編成(24人)のオーケストラにより演奏されているが、どの曲にも彼の作風は明らかに現われている。「スーパーカー」からは、マイク・サムスのヴォーカルによるテーマソング「Supercar」を始めとした短い劇伴音楽が29曲収録されているが、グレイらしい勇壮なマーチ「Mike's Theme」「Sons of Happy Hearts」、軽快で優雅な大都市のテーマ「City Lights Theme」、コミカルなタッチの「Mitch Marching」等、全編を通して実に楽しい。幾つかの曲はライブラリー音楽として、後のTVシリーズ「サンダーバード」「海底大戦争スティングレイ」等にも流用されており、馴染み深い。「宇宙船XL5」からは23曲収録されているが、やはり「センス・オブ・ワンダー」に満ちたファンタスティックなタッチが素晴らしい。
バリー・グレイがとあるインタビューで語ったところによると、ジェリー・アンダーソンは当初より彼のマリオネーションによるシリーズに「子供向け」の音楽を付けるべきでないと考えており、グレイ自身も人形を生身の人間と見なして通常の映画と同じように作曲していたという。
尚、このサントラCDはジェリー・アンダーソンのファンクラブ「FANDERSON」のメンバー限定に販売されている。
(2000年12月)
作曲・指揮:バリー・グレイ
Composed and Conducted by BARRY GRAY
(英Silva Screen / FILMCD 018) 1988
ジェリー・アンダーソンが1964年に製作したスーパーマリオネーションによる傑作TVシリーズ「THUNDERBIRDS」と、このシリーズの劇場映画版「THUNDERBIRDS ARE GO」の音楽を収録したアルバム。
TVシリーズは60分×32話で、日本では1965年4月から12月にかけてNHKで初放映され、それ以降何度か再放送されている。TVシリーズの脚本(Script Supervision)はジェリー・アンダーソンとシルヴィア・アンダーソン、撮影はレッグ・ヒル、SFXはデレク・メディングスとブライアン・ジョンソン(第二班)が担当。劇場映画版は1966年製作で、監督はデヴィッド・レイン、脚本はTVシリーズと同様ジェリー&シルヴィア・アンダーソン、撮影はアラン・ペリー、SFXはデレク・メディングスが担当した。
ジェフ・トレーシーと彼の息子たちによる国際救助隊の活躍を描いた特撮SFドラマで、出演はジェフ・トレーシーの声をピーター・ダイネリー(TVシリーズ放映時の吹替は小沢重雄)、スコット・トレーシーをシェーン・リマー(中田浩二)、バージル・トレーシーをジェレミー・ウィルキン(宗近晴見)、アラン・トレーシーをマット・ジマーマン(剣持伴紀)、ゴードン・トレーシー、ブレインズ、パーカーの3役をデヴィッド・グラハム(吹替はそれぞれ和田一壮、大泉 晃、今橋 恒)、ジョン・トレーシーとフッドの2役をレイ・バレット(それぞれ桜井英一、西田昭市)、ミンミンをクリスティン・フィン(里見京子)、レディ・ペネロープ・クレイトン=ウォードをシルヴィア・アンダーソン(黒柳徹子)が担当。劇場映画版も主要キャストは同じだが、日本での吹替キャストが異なり、ジェフ(中村 正)、スコット(石丸博也)、バージル(村上 明)、アラン(須田博光)、ゴードン(鈴木清信)、ジョン(井口成人)、ブレインズ(小宮山 清)、ミンミン(水野谷左絵)、ペネロープ(日々野美佐子)、パーカー(八奈見乗児)、フッド(飯塚昭三)となっていた。
TVシリーズは、今見ても全く色褪せていないリアリスティックなミニチュアワークによるSFXが素晴らしかったが、劇場映画版はシネマスコープの大画面を駆使した、更に見せ場の多いスペクタクルとなっている。巨大宇宙船ゼロエックス号による人類初の有人探査計画が、機内に侵入した悪漢フッドの妨害によって失敗に終わる。2号機は国際救助隊の協力により厳重な監視下で打ち上げられ、無事火星に到着するが……、というストーリー。この映画の成功で、1968年には劇場映画第2作の「サンダーバード6号(THUNDERBIRD SIX)」が製作された。
この「サンダーバード」は日本では東北新社がキャラクター商品のライセンス窓口となっており、イマイのプラモデル等多数の人気アイテムが現在でも販売されている。本場イギリスでは、TVシリーズのデジタルリマスター版が最近放映され、実写(というか人形ではなく俳優を使った)による映画化も計画されているという。
バリー・グレイによる音楽は、冒頭に収録されたサンダーバード・マーチ「Thunderbirds Theme」があまりにも有名。ミリタリスティックでヒロイックなこのマーチに、胸をワクワクさせたファンは多いことだろう。「Zero X Theme」は、劇場映画版のメインタイトルに流れる勇壮なマーチで、このアルバムの聴きどころである。その他、シンセサイザーとオーケストラによるサスペンスフルな「Martian Mystery」「Astronauts in Trouble」、メインテーマのバリエーション「Thunderbirds Theme - Reprise」「Swinging Star」等も良い。TVシリーズの音楽も幾つか収録されており、「ラ・マルセイエーズ」を組み込んだ明るいフランス風の「Joie de Vivre」、ジョン・バリーによるスパイ映画音楽風の「That Dangerous Game」、ラテン風の美しい曲「San Marino」、アメリカの田舎風の「Jeremiah」、メインテーマのトロピカル・バージョン「Tracy Island」等、様々なタッチが展開して実に楽しいアルバムとなっている。グレイは、オンド・マルトノ等の電子楽器を多用したことでも知られるが、大編成のシンフォニーオーケストラによる音楽を最も愛しており、ここでは70人編成のオーケストラを指揮している(彼の希望は120人編成だったが)。
バリー・グレイは、1970年以降チャンネル諸島の英国領Guernseyに移住し、晩年はOld Government House Hotelでピアニストとして演奏したりしていた。
その他に、バリー・グレイの映画音楽を収録した以下のようなアルバムがリリースされている。
「NO STRINGS ATTACHED」
(英Castle Classics / CLACD 204)
1990
Composed and Conducted by BARRY GRAY
Performed by The Barry Gray Orchestra
・Thunderbirds サンダーバード
・Captain Scarlet & The Mysterons キャプテン・スカーレット
・Stingray 海底大戦争スティングレイ(Vocal: Garry Miller)
・Joe 90 スーパー少年・ジョー90
(バリー・グレイがジェリー・アンダーソン製作のTVシリーズに書いた音楽を集めた自作自演集。パワフルでエナジェティックな演奏が最高!)
「FAB: MUSIC FROM THE TV
SHOWS BY BARRY GRAY」
(英Silva Screen / FILMCD 124)
1992
Composed by BARRY GRAY
KONSTANTIN PAVLOV conducting The Royal Philharmonic Orchestra
・Thunderbirds サンダーバード
・Space 1999 スペース 1999(この曲のみデレク・ワズワース作曲)
・Joe 90 スーパー少年・ジョー90
・Stingray 海底大戦争スティングレイ
・U.F.O. 謎の円盤UFO
・Captain Scarlet & The Mysterons キャプテン・スカーレット
(再録音版。オリジナルスコア通りではないのが残念。「サンダーバード」は7曲から成る組曲が収録されており、雰囲気はよく再現されている。名門ロイヤル・フィルの演奏にしては少し粗いが、オーケストラの若手メンバーの多くは「サンダーバード」等のファンだったようで熱のこもった演奏になっている)
また、1992年に日本のテレビ東京系列で「サンダーバード」が再放送された際に、この日本語主題歌(再放送時バージョン、及び1966年オリジナルバージョン)を収録した以下のシングルCDが日本でリリースされている。
「サンダーバード主題歌」
(バンダイビジュアル / BCDA-0017) 1992
・主題歌 新録バージョン(唄:バンダイミュージックシンガーズ)
・主題歌 復刻バージョン(唄:ロイヤル・ナイツ、ビクター少年合唱隊)
・主題歌カラオケ
1979年にUnited Artistsレーベルからリリースされた「FILMHARMONIC '79」という映画音楽のコンピレーションLP(UAG
3028)には、「PINEWOOD IN SPACE」というタイトルで以下の楽曲から成るバリー・グレイ作曲・指揮によるコンサート用組曲が収録されている。FILMHARMONICはシドニー・サミュエルソンが企画した映画音楽の定期コンサートで、グレイはゲストコンダクターとしてこれに招待され93人編成のオーケストラを指揮したが、情感たっぷりの迫力ある演奏が見事だった。
「PINEWOOD IN SPACE」
・Doppelganger 決死圏SOS宇宙船
・Sleeping Astronauts in Space
・Thunderbirds TV Series サンダーバード
・Thunderbird Six サンダーバード6号
・Thunderbirds March サンダーバード
ところで音楽とは全く関係ないが、ジェリー・アンダーソン製作TVシリーズの日本放映時吹替版の声優キャストは、以下の通り今から考えれば非常に豪華なものだった(私は日本語吹替洋画のファンでもある)。
「キャプテン・スカーレット」:
キャプテン・スカーレット(中田浩二)、ブルー大尉(羽佐間道夫)、グリーン少尉(野沢那智)、ホワイト大佐(真木恭介)、マゼンタ大尉(広川太一郎)、グレイ大尉(森川公也)、オーカー大尉(浦野
光)、ブラウン大尉(青野
武)、コンチェルト・エンジェル(来宮良子)、ファンタジー・エンジェル(武藤礼子)、シンフォニー・エンジェル(鈴木弘子)、キャロル・エンジェル(松島みのり)、サリー・エンジェル(増山江威子)、ブラック大尉(加藤精三)、ミステロン(大木民夫)、ナレーター(城
達也)
「スーパー少年・ジョー90」:
ジョー・マックレイン(太田淑子)、イアン・マックレイン教授(小林恭治)、サム・ルーパー(中村
正)、シェーン・ウエストン(島 宇志夫)、ナレーター(大平
透)
「謎の円盤UFO」:
ストレイカー(広川太一郎)、フリーマン(小林昭二)、ヘンダーソン(早川寿郎)、フォスター(羽佐間道夫)、レイク(小原及梨子)、ジャクソン(穂積隆信)、エリス(松島みのり)、バリー(北浜晴子)、ハリントン(池田昌子)、カーリン(田中信夫)、ブラッドレー(青野
武)、ウォーターマン(仲村秀生)、フォード(嶋
俊介)、イーランド(来宮良子)、ストレイカー夫人(武藤礼子)、ナレーター(矢島正明)
(2000年12月)
(TV)サンダーバード THUNDERBIRDS Original Television
Soundtrack 作曲・指揮:バリー・グレイ (英Silva Screen / FILMCD 606) |
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本作品の概要については上記「サンダーバード(THUNDERBIRDS ARE GO)」のレビューをご参照。これは2003年にイギリスのSilva Screenレーベルから遂にリリースされたTV版のサントラで、全22曲/61分23秒を収録。各エピソードの主要な劇伴音楽がカバーされており、実に懐かしい。音質も驚くほど良好でファンとしては必須のアルバムだろう。TVシリーズが製作されたのが1964年なので、実に40年近くを経た正規サントラ盤のリリースとなる。
収録曲は以下の通り。
1. Main Title
2. Sun Probe
3. Tracy Island and International Rescue
4. Monorail to Disaster from "The Perils of Penelope"
5. Thunderbirds Are Go!
6. Dangerous Game - Latin Rhythum Instrumental from "The Cham Cham"
7. Suite from "Vault of Death"
8. The Man from MI.5
9. Suite from "Desperate Intruder"
10. Commercial Break
11. Dangerous Game from "The Cham-Cham" (Vocal by Lady Penelope)
12. Let's Play Ad Lib from "The Cham Cham"
13. Lady Penelope on the Move
- Suite from "Pit of Peril"-
14. The Fate of the Sidewinder
15. Pit of Peril
16. Rescue!
17. Jeremiah and Lady Penelope from "The Impostors"
- Suite from "Trapped in the Sky" -
18. Deadly Plot - The Hood and the Fireflash
19. Fireflash Landing
20. FAB1 Pursuit
21. The Tracy Lounge Piano
22. End Titles
(2003年3月)
作曲・指揮:バリー・グレイ
Composed and Conducted by BARRY GRAY
(英Fanderson Records / FANNU10) 2003
★AMAZON.CO.JPで購入(Silva Screen CD)
ジェリー・アンダーソンが1970年に製作したTVシリーズ。60分×26話で、日本では1970年10月3日から1971年3月27日にかけて日本テレビで初放映された。1970年、地球には頻繁に謎の未確認飛行物体(UFO)が飛来していた。米国空軍大佐エド・ストレイカーは、彼らの目的が地球侵略にあることを確信、各国の首脳陣に地球規模での防衛組織の必要性を訴えた。そして1980年、世界中から優秀な人材が集められ、地球防衛組織S.H.A.D.O(Supreme Headquarters Alien Defense Organization)が結成された。活動内容はおろか、その存在まで極秘にされているS.H.A.D.Oの目的はただひとつ、地球をUFOの侵略から守ることだった……。
出演はエド・ストレイカー司令官役がエド・ビショップ(日本でのTV放映時の吹替は広川太一郎)、アレック・フリーマン大佐役がジョージ・シーウェル(小林昭二)、ポール・J・フォスター大佐役がマイケル・ビリントン(羽佐間道夫)、ゲイ・エリス中尉役がガブリエル・ドレイク(松島みのり)、ジェームズ・ヘンダーソン司令官役がグラント・テイラー(早野寿郎)、マーク・ブラッドレー大尉役がハリー・ベアド(青野 武)、ピーター・カーリン大尉役がピーター・ゴーデノ(田中信夫)、ニナ・バリー役がドロレス・マンテス(北浜晴子)、ルー・ウォーターマン大尉役がゲイリー・マイヤーズ(仲村秀生)、ミス・イーランド役がノーマ・ロナルド(来宮良子)、ドクター・ジョンソン役がブラデク・シェイバル(穂積隆信)、バージニア・レイク大佐役がワンダ・ヴェンサム(小原乃梨子)。日本でのナレーターは矢島正明。各エピソードのゲストスターはシェーン・リマー、ジーン・マーシュ、スティーヴン・バーコフ、ロイス・マックスウェル、ダグラス・ウィルマー、ステファニー・ビーチャム、バリー・ストークス、ローランド・カルヴァー、デレン・ネスビット、パトリック・アレン、マイケル・ジェイストン他。監督はジェリー・アンダーソン、ロン・アップルトン、シリル・フランケル、デヴィッド・レイン、アラン・ペリー、ジェレミー・サマーズ、デヴィッド・トゥームリン、ケン・ターナー。脚本はジェリー&シルヴィア・アンダーソン、トニー・バーウィック、ボブ・ベル、テレンス・フィーリー、アラン・フェンネル、レッグ・ヒル、ドナルド・ジェームズ、デヴィッド・レイン、アラン・パッティロ、ルーリック・パウエル、デニス・スプーナー、イアン・スコット・ステュワート、デヴィッド・トゥームリン。撮影はブレンダン・J・スタッフォード。VFX監督はデレック・メディングス。
音楽はジェリー・アンダーソン作品の常連作曲家バリー・グレイ。約90人編成のオーケストラにシルヴェット・アラートのオンド・マルトノ、ハリー・ストーンハムのハモンド・オルガンを追加した構成。このサントラ盤はCD2枚組になっており、TVシリーズのメインテーマ、エンドタイトルに加え、「宇宙人捕虜第一号(Identified)」「我が友宇宙人(Survival)」「シャドー秘密指令(Exposed)」「円盤基地爆破作戦(Conflict)」「超能力!! UFO探知人間(E.S.P.)」「宇宙人、地球逃亡(A Question of Priorities)」「宇宙人フォスター大佐(Ordeal)」「UFO攻撃中止命令(The Square Triangle)」「シャドーはこうして生まれた(Confetti Check A-O.K.)」「眠れる美女の怪奇(The Long Sleep)」の各エピソードからの劇伴音楽が収録されている。
各CDの冒頭に収録された「UFO Main Theme」は、リズミックなイントロからハモンド・オルガンによるスパイ映画風の主題へと展開するメインテーマ。グレイの個性がよく出たキャッチーで洒落たタッチが素晴らしい。各エピソードの劇伴音楽は、基本的にメインの主題のジャズやロック等様々なアレンジを中心に展開。ロイ・バッドやラロ・シフリンのサスペンスアクション音楽風の部分や、オンド・マルトノによる幻想的な表現も面白い。「円盤基地爆破作戦(Conflict)」ではメインの主題がオーケストラによるマーチ風アレンジになっており、グレイの傑作「サンダーバード」のイメージに非常に近い。「宇宙人、地球逃亡(A Question of Priorities)」での軽妙でコミカルなタッチもいかにもグレイらしい。このエピソードでは、彼がこのシリーズの前の1969年に手がけた「(未公開)決死圏SOS宇宙船」によく似たメランコリックな主題も登場する。バリー・グレイのファンは必聴のアルバムだろう。
尚、このサントラCDはジェリー・アンダーソンのファンクラブ「FANDERSON」(www.fanderson.org.uk)のメンバー限定に販売されている。
(2003年6月)
=2009年12月追記=
2009年に同じFanderson
Recordsより40周年記念版のサントラCDがリリースされている。CD2枚組で、前回未収録だった音楽を追加し、一部の音楽を省略している。収録曲は以下の通り。
DISC ONE [79:26]
1 Century 21 Sting [0:08]
2 UFO Main Theme (stereo) [1:10]
3 Yellow Alert [2:29]
4 Red Alert [2:41]
5 Sky One [1:25]
6 Operation In Progress [4:36]
7 The Long Finger Of Tragic Coincidence [1:25]
8 Micro Jazz [0:56]
9 Flashback [1:05]
10 New Suit, New Wife [3:42]
11 Beginning To Take Shape [5:09]
12 The Choice [3:38]
13 Newborn [3:50]
14 Riders, Hippies and Aliens [4:38]
15 Recovery [2:17]
16 Alien Sniper [1:21]
17 The Leisure Sphere [2:18]
18 The Answer [1:53]
19 Stranded [5:45]
20 Strange Bedfellows [3:52]
21 The Crevasse [3:08]
22 Mexicans! [1:06]
23 Spacewalk [4:55]
24 Travelling Home [3:15]
25 Skydiver [0:55]
26 A Rose For Sylvia [1:390]
27 Fit For Duty [1:04]
28 Taken [1:42]
29 Depart And Return [0:13]
30 Crash Landing [2:56]
31 The Dreambox [2:26]
32 End Titles (stereo) [1:13]
DISC TWO [80:41]
1 UFO Fly-by [0:19]
2 UFO Main Theme (mono) [1:10]
3 Positive Track [0:44]
4 The Test Pilot [2:14]
5 The Co-pilot’s Sister [4:10]
6 Rupert Square [2:38]
7 Welcome To SHADO [1:36]
8 Amnesia Café [1:16}
9 Space Junk [2:36]
10 Ambush [3:50]
11 Washington Square [1:120]
12 Shallow Re-entry [2:45]
13 Complete Shutdown [2:16]
14 Cat Call [2:44]
15 A Day At The Film Studios [4:16]
16 You Always Had To Leave [5:23]
17 Who Are You? [3:32]
18 A Question of Priorities [2:10]
19 Not Exactly Normal [2:56]
20 We Must Come To Earth To Survive! [4:24]
21 The Cottage [3:26]
22 The Game Warden [3:54]
23 Squaring The Triangle [5:41]
24 Back To The Triangle [2:46]
25 Girl In A Sports Car [3:14]
26 Recalling Tim [1:58]
27 The Trip [2:22]
28 The Long Sleep [3:31]
29 End Titles (mono) [1:04]
(TV)キャプテン・スカーレット CAPTAIN SCARLET AND THE MYSTERONS
作曲・指揮:バリー・グレイ (英Silva Screen / FILMCD 607) |
このCD(輸入盤)を購入する |
= 2021年12月追加 =
2021年11月に英Silva
Screenレーベルが「(TV)キャプテン・スカーレット」の全35曲/約75分収録のCDをリリース(Silva Screen Records
SILED1649)。
ジェリー・アンダーソンが1967年に製作したスーパーマリオネーションによるTVシリーズ。25分×32話で、日本では1968年1月2日から8月27日にかけてTBSで初放映された。地球が攻撃を仕掛けてきたと誤解した火星の異星人ミステロンが地球人に復讐を開始。不死身の体となったキャプテン・スカーレットと、彼が属するスペクトラムの隊員たちがミステロンを迎え撃つ……。監督はケン・ターナー、脚本はジェリー・アンダーソン、シルヴィア・アンダーソンとトニー・バーウィック、VFX監督はデレック・メディングスが担当。声の出演はフランシス・マシューズ(キャプテン・スカーレット)、エド・ビショップ(ブルー大尉)、ドナルド・グレイ(ホワイト大佐、ブラック大尉、ミステロン)、サイ・グラント(グリーン少尉)、ジェレミー・ウィルキン(オーカー大尉)、ポール・マックスウェル(グレイ大尉)、ゲイリー・ファイルズ(マゼンタ大尉)、チャールズ・ティングウェル(Dr.フォーン)、シルヴィア・アンダーソン(メロディ・エンジェル)、リズ・モーガン(デスティニー・エンジェル、ラプソディー・エンジェル)、ジャナ・ヒル(シンフォニー・エンジェル)、リャン=シン(ハーモニー・エンジェル)他。日本でのTV放映時の吹替は、キャプテン・スカーレット(中田浩二)、ブルー大尉(羽佐間道夫)、グリーン少尉(野沢那智)、ホワイト大佐(真木恭介)、マゼンタ大尉(広川太一郎)、グレイ大尉(森川公也)、オーカー大尉(浦野 光)、ブラウン大尉(青野 武)、Dr.フォーン(石原 良)、コンチェルト・エンジェル/ディスティニー・エンジェル(来宮良子)、ファンタジー・エンジェル/ラプソディー・エンジェル(武藤礼子)、シンフォニー・エンジェル(鈴木弘子)、キャロル・エンジェル/メロディ・エンジェル(松島みのり)、サリー・エンジェル/ハーモニー・エンジェル(増山江威子)、ブラック大尉(加藤精三)、ミステロン(大木民夫)。ナレーターは城 達也。
音楽はジェリー・アンダーソン作品の常連作曲家バリー・グレイ。初放映から35年を経てようやく正規にリリースされたこのサントラ盤には、TVシリーズのオープニング・タイトル+ナレーション「Opening Titles (Pilot Narration)」、エンドタイトル「End Titles (Semi Vocal Version)」(グレイ自身の電子声による“キャプテン・スカーレット”入り)、「ダ・ダン・ダン・ダダダ・ダン!」というティンパニによるシーンのつなぎの音楽「Staccato Beat」等に加えて、「無人機をストップ(第2話/WINGED ASSASSIN)」「鐘は13鳴った!(第3話/BIG BEN STRIKES AGAIN)」「北部地球防衛軍あやうし!(第11話/AVALANCHE)」「ホワイト大佐を守れ!(第8話/WHITE AS SNOW)」「ブラック大尉を探せ(第4話/MANHUNT)」「ファッションショーをねらえ!(第18話/MODEL SPY)」「ミステロン基地発見!(第15話/LUNARVILLE 7)」「無人戦車ユニトロン(第5話/POINT 783)」「原子炉爆発寸前!(第28話/EXPO 2068)」「大爆発!(第19話/FIRE AT RIG 15)」「スペクトラムの暗号をねらえ(第32話/THE INQUISITION)」「地球の翼を守れ!(第13話/THE TRAP)」「ミステロン宇宙船あらわる!(第31話/ATTACK ON CLOUDBASE)」「ミステロン探知機を出せ!(第10話/SPECTRUM STRIKES BACK)」の各エピソードからの劇伴音楽が収録されている。
“ミステロン”と“スペクトラム”の戦いをテーマにしたストーリーなので、バリー・グレイの音楽も全体にミリタリスティックなタッチ。「WINGED ASSASSIN - Suite」「MANHUNT - Suite」「The Fate of the XQR」等でのサスペンスフルな劇伴音楽が秀逸(一部でグレイの前作「サンダーバード」での主題が流用されている)。「POINT 783: The Shef March」での勇壮なマーチ、「SPECTRUM STRIKES BACK - Suite」等での“スペクトラム”のマーチもグレイの個性を感じさせる。「FIRE AT RIG 15 - Rig 15」でのスケールの大きい主題や「Desert Symphony」でのドラマティックな劇伴音楽、「Mountain Pass」での明るく優雅な主題も良い。「Until Midnight - Radio Music」「THE INQUISITION - Piano Track」では、グレイ得意のジャズ・ピアノを聴かせる。最後にTVシリーズのプロモーションのためにイギリスのグループ“スペクトラム”が録音した主題歌「End Titles - Song (Performed by "The Spectrum") 」、またボーナス・トラックとして1967年にリリースされたアルバム中の曲が収録されているが、そのまま聴いていると最後の最後にもうひとつボーナスがある。
尚、ジェリー・アンダーソンはCGIアニメによる新シリーズ「Captain Scarlet - The Return of the Mysterons」の製作を2003年5月よりパインウッド・スタジオで開始している。全体の監修(Supervising Director)はデヴィッド・レインが担当し、主要キャラクターの声にはウェイン・フォレスター(キャプテン・スカーレット)、ベン・スティーヴンス(ブルー大尉)、ナイジェル・プラスキット(ブラック大尉)、マイク・ヘイレイ(ホワイト大佐、ミステロン)、エマ・テイト(デスティニー・エンジェル)、ジュール・ドゥ・ジョン(グリーン少尉)他がキャストされている。脚本はフィル・フォード、ジョン・ブラウン、ブライアン・フィンチが執筆。音楽はクリスピン・メレルが作曲する。
また、Silva Screenレーベルからは今後バリー・グレイが音楽を担当した「スペース:1999」(第1シーズン)のサントラと「サンダーバード」のサントラ第2集がリリースされる予定。
<収録曲>
1. Century 21 String (0:12)
2. Opening Titles (Pilot Narration) (0:48)
3. End Titles (Semi Vocal Version) (1:23)
4. WINGED ASSASSIN - Suite (4:38)
5. Staccato Beat (0:04)
6. BIG BEN STRIKES AGAIN (1:33)
7. Until Midnight - Radio Music (2:22)
AVALANCHE
8. Mountain Pass (1:12)
9. Deadly Mist and Mountain Chase (4:24)
10. WHITE AS SNOW (Episode Version) (3:26)
11. MANHUNT - Suite (4:07)
MODEL SPY
12. Models on a Train (2:31)
13. Cocktail Music (3:27)
14. LUNARVILLE 7 - Suite (4:52)
15. POINT 783: The Shef March (2:34)
16. EXPO 2068 - The Reactor (2:33)
17. Commercial Strings & Commercial Break (1:04)
18. FIRE AT RIG 15 - Rig 15 (2:48)
19. THE INQUISITION - Piano Track (3:23)
THE TRAP
20. The Fate of the XQR (1:31)
21. Castle Glen Garry (4:51)
ATTACK ON CLOUDBASE
22. Desert Symphony (5:13)
23. The Mysterons Attack! (3:11)
24. SPECTRUM STRIKES BACK - Suite (8:33)
25. End Titles - Song (Performed by "The Spectrum") (1:28)
BONUS TRACKS
26. Main Titles with Generic Opening
Narration (Ed Bishop) (0:48)
27. White as Snow - Commercial Version (Stereo) (3:11)
28. Captain Scarlet Theme - Commercial Version (Stereo) (1:21)
(2003年11月)
(TV)サンダーバード 第2集 THUNDERBIRDS 2 More Music from the
Original Television Soundtrack
作曲・指揮:バリー・グレイ (英Silva Screen / FILMCD 609) |
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本作品の概要については上記「サンダーバード(THUNDERBIRDS ARE GO)」のレビューをご参照。これは2003年にリリースされたサントラCDの第2集で、更に全27曲/60分5秒の音楽が収録されている。様々なタイプの曲がカラフルに展開するが、その全てが明らかな“バリー・グレイ節”なところが素晴らしい。ここでのメインタイトルはナレーション・SE抜きのバージョンとなっている。また、ボーナストラックに未使用のヴォーカル版エンドタイトル「Flying High」が収録されている。
収録曲は以下の通り。
1. Main Titles
2. Danger At Ocean Deep
From 'Thirty Minutes After Noon'
3. Spoke City Jazz
4. Easy Listening Radio Music
From 'End Of The Road'
5. Part 1 - Drama On The South East Asia Pass
6. Part 2 - Taking A Desperate Chance
7. Part 3 - Thunderbirds To The Rescue
8. Penelope In France
9. Elegance, Charm & Deadly Danger
10. Dangerous Game (Vocal by Jack Clegg)
11. Century 21 March
12. Space Observatory 3 - from 'The Imposters'
13. San Martino - from 'Path Of Destruction'
14. The Noon Day Sun - from 'Move And You're Dead'
From 'The Duchess Assignment'
15. New York City Lights
16. The Duchess
From 'Terror in New York City'
17. Part 1 - World Exclusive Foiled!
18. Part 2 - Moving The Empire State Building
19. The Rescue Of Ned Cook
20. Dangerous Game (piano Barry Gray)
21. Lady Penelope and The Mouse - from 'The Mighty Atom'
22. Journey Of The Martian Space Probe - from 'Day Of Disaster'
From 'Give Or Take A Million'
23. Coralville Surprise / The Bank Job
24. Christmas On Tracy Island
25. Sleepy Time - from 'Security Hazard'
26. End Titles
27. BONUS TRACK - Flying High (The Original Unused End Titles Theme / Vocal by
Gary Miller)
(2004年7月)
作曲・指揮:バリー・グレイ
Composed and Conducted by BARRY GRAY
(米MGM Music / MGMCD 001)
人気TVシリーズの劇場映画版「サンダーバード(THUNDERBIRDS ARE GO)」(1966)に引き続いて1968年に製作された劇場映画第2弾。監督はデヴィッド・レイン。声の出演はピーター・ダイネリー(ジェフ・トレーシー)、シェーン・リマー(スコット)、ジェレミー・ウィルキン(バージル)、マット・ジマーマン(アラン)、デヴィッド・グラハム(ゴードン、ブレインズ、パーカーの3役)、キース・アレクサンダー(ジョン)、クリスティン・フィン(ミンミン)、シルヴィア・アンダーソン(レディ・ペネロープ・クレイトン=ウォード)、ジョン・カーソン(フォスター)、ゲリー・ファイルズ(フッド)、ジェフリー・キーン(ジェームズ・グレン)他。製作・脚本はジェリー・アンダーソンとシルヴィア・アンダーソン。撮影はハリー・オークス。
音楽のバリー・グレイは、ここでは明るく軽快な主題をベースにしたメインタイトル「What Is It to Be? / Main Title」を皮切りに、「Welcome Aboard / Breakfast Over N.Y.」(アメリカ)「Indian Street Music」(インド)「A Visit to Egypt / Calling Switzerland / Whistle Stop Inn」(エジプト/スイス)等、国際色豊かなスコアをカラフルに展開している。特に「Grand Cnayon to Melbourne」での雄大でスケールの大きい主題が素晴らしい。「Parker Inspects Skyship 1 / Thunderbirds Are Go!」等のアクション音楽も手堅い。オーケストラの編成もTVシリーズより大きくなっており(56人)、ラストの「Grounded At Last / Finale」での「サンダーバード・マーチ」もパワフル。
今年(2004年)は、「サンダーバード」の劇場映画版リメイク(監督:ジョナサン・フレイクス/出演:ビル・パクストン、ベン・キングスレー)が公開されることもあり、旧作のサントラCDが相次いで発売されているが、このMGM Musicによるリリースもそれに便乗したものだろう。
収録曲は以下の通り。
1. What Is It to Be? / Main Title
2. Tiger Moth / Operation Escort / Murder of the Crew
3. Ballroom Jazz
4. Welcome Aboard / Breakfast Over N.Y. / Brains Destroys Prototype #1
5. Grand Canyon to Melbourne / Brains Destroys Prototype #2
6. Indian Street Music
7. Dinner Aboard Skyship 1
8. A Visit to Egypt / Calling Switzerland / Whistle Stop Inn
9. Parker Inspects Skyship 1 / Thunderbirds Are Go! / TB2 Unloads Tiger Moth
10. Shaky Departure / Skyship 1 Crashes / On Final Approach
11. Grounded At Last / Finale
(2004年7月)
(TV)スペース1999 第1シーズン SPACE: 1999 YEAR ONE
作曲・指揮:バリー・グレイ 他 (英Silva Screen / FILMCD 608) |
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= 2021年11月追加 =
2021年8月に英Silva
Screenレーベルが「(TV)スペース1999」の第1シーズン(作曲:バリー・グレイ他)と第2シーズン(作曲:デレク・ワズワース)のスコアをカップリングにした2枚組CDをリリース(Silva
Screen SILCD 1641)。
ジェリー・アンダーソンが1975〜1977年に製作した実写版のTVシリーズ(日本では1977年4月3日〜9月25日にTBSで第1シーズンが初放映された)。監督はレイ・オースティン、ボブ・ブルックス、トム・クレッグ、ケヴィン・コナー、チャールズ・クライトン、ヴァル・ゲスト、リー・H・カッツィン、ボブ・ケレット、ロバート・リン、ピーター・メダック、デヴィッド・トゥームリンが各エピソードを分担。1999年、月に捨てた核廃棄物が突然大爆発を起こし、その衝撃で月は月面基地ムーンベース・アルファを乗せたまま地球の周回軌道を離れ、宇宙をさまよい始める。コーニッグ司令官率いるムーンベース・アルファのクルーは、異星人の襲撃等の危機を乗り越えながら、放浪の旅を続けていく……。
出演はジョン・コーニッグ司令官役がマーティン・ランドー(日本でのTV放映時の吹替は瑳川哲朗)、ヘレナ・ラッセル博士役が当時ランドーの妻だった(1993年に離婚)バーバラ・ベイン(此島愛子)、ヴィクター・バーグマン教授役がバリー・モース(千葉耕市)、アラン・カーター役がニック・テイト(金内吉男)、サンドラ・ベネス役がジーニア・マートン(種谷アツ子)、ポール・モロー役がプレンティス・ハンコック(若本紀昭)、ドクター・ボブ・マシアス役がアントン・フィリップス(小出和明)、タニア・アレクサンドリア役がスザンヌ・ロークエット(三枝みち子)。第2シーズンからは異星人マヤ役のカテリーヌ・シェル(弥永和子)、トニー・ベルデッシ役のトニー・アンホルト(森 功至)、デビッド・カノ役のクリフトン・ジョーンズ(黒部 鉄)他が参加。ゲスト出演として、ピーター・クッシング、クリストファー・リー、ジョーン・コリンズ、リチャード・ジョンソン、イアン・マクシェーン、ジュリアン・グローヴァー、ジェレミー・ケンプ、レオ・マッカーン、ジュディ・ギーソン、マーガレット・レイトン、ヴァレリー・レオン、バリー・ストークス、バーバラ・ケラーマン、ダグラス・ウィルマー、フレディー・ジョーンズ、ジェフリー・ベイルドン、ステュアート・ウィルソン、サラ・ダグラス、デヴィッド・プラウズ、ヒルデガード・ニール他、当時のイギリスのSF・ホラー系俳優が各エピソードに登場。製作は第1シーズン(1975〜1976)がジェリー&シルヴィア・アンダーソン、第2シーズン(1976〜1977)がジェリー・アンダーソンとフレッド・フライバーガー(第1シーズン終了後にジェリーとシルヴィアは離婚した)。撮影はブレンダン・J・スタッフォードとフランク・ワッツ。
音楽は第1シーズンをバリー・グレイが作曲したが、第2シーズンは断ったため、このスコアは彼が映画やTVシリーズのために書いた最後の音楽となった(第2シーズンの音楽はデレク・ワズワースが担当)。このCDには第1シーズンの「人類の危機!宇宙基地大爆発(Breakaway)」「宇宙船団大戦争(War Games)」「宇宙によみがえった死者(Matter of Life and Death)」「宇宙の悪魔・地獄のマシーン(The Infernal Machine)」「宇宙冷凍人間の正体(Force of Life)」「宇宙コンピュータの反逆(Ring Around the Moon)」「黒い太陽ブラック・ホール(Black Sun)」「巨大宇宙都市出現!(Mission of the Darians)」「宇宙悪霊の呪い(The Troubled Spirit)」「神よ!宇宙に新しい平和を(The Testament of Arkadia)」「月が二つに分かれる時(Another Time, Another Place)」の各エピソードからの音楽が収録されているが、実際にバリー・グレイがスコアを作曲したのは「人類の危機!宇宙基地大爆発(Breakaway)」「宇宙によみがえった死者(Matter of Life and Death)」「黒い太陽ブラック・ホール(Black Sun)」「月が二つに分かれる時(Another Time, Another Place)」の4エピソード分だけで、その他のエピソードについては、ミュージック・エディターのアラン・ウィリスが、このグレイ作曲の音楽に加え、過去のジェリー・アンダーソン製作作品の音楽や既成曲等を編集して使用している。「Main Titles」は52人編成のオーケストラによるダイナミックなイントロから、一転してロック調のメインの主題へ展開する。これまでのバリー・グレイのスコアとはかなりイメージの異なる音楽で、より現代的なタッチを確立しようとするグレイの意欲を感じさせる。各エピソードの劇伴音楽は、よりオーソドックスなオーケストラとシンセサイザーの組み合わせによるドラマティック・アンダースコアだが、「The Dark Side Of The Moon」「People Are Dying Up Here」等ではメランコリックでミステリアスなタッチ、「Phase Two」「A Matter Of Life And Death」等ではジェントルなタッチ、「Asteroid」「Black Sun」「Event Horizon」「Santa Maria」等ではサスペンスフルなタッチと、カラフルな音楽を展開している。尚、このCDには、グレイ作曲の音楽に加え、ヴィック・エルムス(ジェリー・アンダーソンの義理の息子)、ジャンピエロ・ボネスキ、ジム・サリヴァン等が作曲したトラックも収録されている。更にこのシリーズでは、ホルストの組曲「惑星」や、アルビノーニのアダージョ等のクラシック音楽も使用されていたが、今回リリースされたCDには含まれていない。
このTVシリーズのアルバムとしては、1976年にアメリカのRCAレーベルがサントラLPをリリースしている(「作曲:バリー・グレイ」と表記されていたが、彼以外の作曲家による曲も収録されていた)。また、1998年にはジェリー・アンダーソンのファンクラブ FANDERSONが会員限定にCD2枚組のサントラ盤をリリースしたが、1,000枚限定プレスだったこのCDは瞬く間に売り切れ、現在ではレア・アイテムとなっている。今回イギリスのSilva Screenレーベルから2004年にリリースされたCDは、FANDERSON版でモノラルだった「黒い太陽ブラック・ホール(Black Sun)」のスコアをステレオ化し、メインタイトルをリミックスし直す等の修正を加えたベスト盤となっている。
収録曲は以下の通り。
1. Main Titles
From "Breakaway"
2. The Dark Side Of The Moon
3. People Are Dying Up Here
4. Breakaway
5. Human Decision Required
From "War Games"
6. Alien Attack (Mike Hankinson)
From "Matter of Life and Death"
7. Terra Nova
8. Phase Two
9. A Matter Of Life And Death
10. Paradise Lost
11. End Titles - Alternative Version
From "The Infernal Machine"
12. Gwent (Harry Sosnik, Robert Farnon & Beda Folten)
From "Force of Life"
13. The Solarium (Giampiero Boneschi)
From "Ring Around the Moon"
14. Captives Of Triton/Moonwalk
From "Black Sun"
15. Asteroid
16. Black Sun
17. Event Horizon
18. Home
From "Mission of the Darians"
19. The Daria (Robert Farnon & Frank Cordell)
From "The Troubled Spirit"
20. Atonement (Jim Sullivan)
21. Main Titles - Extended Alternative Version
From "The Testament of Arkadia"
22. The Origin Of Life/The Miracle
From "Another Time, Another Place"
23. Moon Odyssey
24. Regina's World
25. Earthbound
26. Santa Maria
27. Flowers For Helena
28. End Titles
(Total Time = 79:54)
Composed and Conducted by Barry Gray, except where specified otherwise
尚、日本でのTV放映時には荒木一郎作曲・作詞の主題歌「スペース1999のテーマ」が新たに挿入され、上条恒彦が歌っていた。この曲は東芝EMIからリリースされている「ファンタジック・メモリー 外国TV映画日本版主題歌コレクション」に収録されている。→ |
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(2004年9月)
(TV)スーパー少年・ジョー90 JOE 90
作曲・指揮:バリー・グレイ (英Silva Screen / SILCD1209) |
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= 2023年6月追加 =
2023年4月に英Silva
Screenレーベルが「(TV)スーパー少年・ジョー90」の全24曲/約74分収録のCDをリリース(Silva Screen Records
SILED1721)。
★AMAZON.CO.JPで購入 (Silva Screen再発盤)
ジェリー・アンダーソンが1968年に製作したスーパー・マリオネーションによるTVシリーズ(日本では1968年10月2日〜1969年3月26日にテレビ朝日で初放映された)。監督はピーター・アンダーソン、レオ・イートン、ブライアン・ハード、アラン・ペリー、デズモンド・ソーンダース、ケン・ターナーが各エピソードを分担。イアン・マックレイン教授の養子で9歳の少年ジョーは、教授が発明した、他人の知識を移し変えることができる装置ビッグラット(Brain Impulse Galvanoscope Record And Transfer)によって、ジェット機の操縦士や脳外科医等様々な能力を発揮することで、秘密機関W.I.N.(World Intelligence Network)の諜報部員“ジョー90”として活躍する。出演はジョー・マックレイン役がレン・ジョーンズ(日本でのTV放映時の吹替は太田淑子)、イアン・マックレイン教授役がルパート・デイヴィス(小林恭治)、サム・ルーヴァー役がキース・アレクサンダー(中村 正)、シェーン・ウエストン役がデヴィッド・ヒーリィ(島 宇志夫)、アダ・ハリス夫人役がシルヴィア・アンダーソン。日本でのオープニングナレーションは大平 透。脚本はジェリー・アンダーソン、シルヴィア・アンダーソン、トニー・バーウィック、シェーン・リマー、デズモンド・ソーンダース、キース・ウィルソン、パット・ダンロップ、ドナルド・ジョーンズ、ジョン・ルカロッティが各エピソードを分担。製作はレッグ・ヒルとデヴィッド・レイン。SFXはデレク・メディングス。
音楽はバリー・グレイで、これはイギリスのSilva Screenレーベルによる一連のジェリー・アンダーソン作品サントラCDリリースの1つ。このCDには「小さな特別諜報員誕生(The Most Special Agent)」「北極のミサイル回収(Arctic Adventure)」「大手術作戦(Operation McClaine)」「決死のスピードレース(The Race)」「二重スパイは誰だ?(Double Agent)」「ジャングル死の脱出(The Fortress)」「ビッグラットの秘密を盗め(Project 90)」「危険な女スパイ(Three's a Crowd)」「恐怖の海底脱出(The Big Fish)」「身がわり王子(King for a Day)」「幽霊教会の対決(The Unorthodox Shepherd)」「地底基地を爆破せよ(Hijacked)」「消えた天才ピアニスト(International Concerto)」「地獄生き埋め(Relative Danger)」「連続ジェット機墜落のなぞ(Splash Down)」「恐怖の爆弾トラック(Colonel McClaine)」「早撃ち保安官(Lone Handed 90)」の各エピソードからの音楽が収録されている。
プロダクションのロゴ「Century 21 Sting」に続き、ビッグラットが作動して、ジョーが真ん中の椅子に座ると軽快なメインタイトル「Main Titles」が始まる。子供が主役のシリーズであり、他のグレイのスコアよりも明るいタッチ。このメインの主題のバリエーションは、「The Most Special Agent」「Operation McClaine」「Splashdown」「Lone Handed 90」等でも登場する。「Arctic Adventure」は、マーチのイントロからサスペンス音楽へ。「The Race」は、サスペンス調から明るくコミカルなタッチへ。「Double Agent Entertainment」「Dr. Darota's Alpine Clinic」「Balloon Flight」等は、明るくリリカルな曲。「Death, Love and Betrayal」は、緊張感のあるマーチからサスペンス調へ。「Tragedy Aboard the U85」は、冒頭の勇壮なファンファーレがグレイらしい。「Porto Guavan」は南米風、「King For a Day」は中東風のフレーバー。「The Unorthodox Shepherd」は、牧歌的でジェントルなタッチ。「Mission Tango 120」「Showdown at Coletti's Hideout」は、「サンダーバード」から流用されたスパイ映画調の主題を含むサスペンス音楽。「International Concerto」「A Piano Recital by Igor Sladek」でのドラマティックなピアノ・コンチェルトは、グレイの「(未公開)決死圏SOS宇宙船」のスコアに通ずるものがある。「The Colonel's March」は グレイの得意とする明るく勇壮なマーチ。「End Titles」はメインの主題のリプライズ。ボーナスとして効果音なしの「Opening Titles」を最後に収録。
収録曲は以下の通り(全28曲中15曲がステレオ)。
1. Century 21 Sting
2. Main Titles
3. The Most Special Agent
4. Arctic Adventure
5. Operation McClaine
6. The Race
7. Double Agent Entertainment
8. Jungle Fortress
9. Dr. Darota's Alpine Clinic
10. Balloon Fight
11. Death, Love and Betrayal
12. Tragedy Aboard the U85
13. Porto Guavan
14. King For a Day
15. The Unorthodox Shepherd
16. Mission Tango 120
17. Break Sting - Version 1
18. Lyons Maid Commercial
19. Break Sting - Version 2
20. Showdown at Coletti's Hideout
21. International Concerto
22. A Piano Recital by Igor Sladek
23. Relative Danger
24. Splashdown
25. The Colonel's March
26. Lone Handed 90
27. End Titles
28. Opening Titles
(Total Time = 79:54)
Composed and Conducted by Barry Gray
(2006年5月)
STAND BY FOR ACTION! バリー・グレイ作品集 STAND BY FOR
ACTION!: THE MUSIC OF BARRY GRAY
作曲・指揮:バリー・グレイ (英Silva Screen / SILCD1279) |
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バリー・グレイがジェリー・アンダーソン製作のTVシリーズに作曲したスコアを集めた2009年リリースのコンピレーションCD。収録曲は以下の通り(*印は未発表曲)。
<収録曲>
(TV)ウエスタン・マリオネット 魔法のけん銃 FOUR FEATHER
FALLS
1. Kalla Ma Kooya Kalla - Opening Title (Voice artist: David Graham) *
2. Four Feather Falls (Vocal: Michael Holliday)
(TV)スーパーカー SUPERCAR
3. Mike's Theme *
4. Supercar Series 2 Titles (Vocals: The Mike Sammes Singers) *
5. The Supercar Twist *
(TV)宇宙船XL5 FIREBALL XL5
6. Fireball XL5 Opening Titles *
7. This Is the Twist *
8. Formula 5 *
9. I Wish I Was a Spaceman - End Titles (Vocal: Don Spencer)
(TV)海底大戦争スティングレイ STINGRAY
10. Stand by for Action! (Voice Artist: Ray Barrett) *
11. Stingray Titles (Vocals: The Mike Sammes Singers)
12. The Loch Ness Monster Suite *
13. I've Got Something to Shout About (episode "Titan Goes Pop"/ Vocal:Gary
Miller) *
14. Aqua Marina (Vocal: Gary Miller)
(TV)サンダーバード THUNDERBIRDS
15. Thunderbirds Titles
16. Desperate Intruder Suite
17. Perils of Penelope Suite
18. Thunderbirds End Titles
(TV)キャプテン・スカーレット CAPTAIN SCARLET
19. Century 21 Sting
20. Captain Scarlet Opening
21. The Mysteron Complex *
22. White As Snow
23. The Mysteron Theme (single - new stereo mix)
24. Captain Scarlet End Titles - Spectrum version
(TV)スーパー少年・ジョー90 JOE 90
25. Joe 90 Theme (single - new stereo mix)
26. Balloon Flight (episode "Project 90")
27. Hijacked (single - new stereo mix)
28. International Concerto Suite
29. Joe 90 End Titles
(TV)ロンドン指令X THE SECRET SERVICE
30. The Secret Service Theme (Vocals: The Mike Sammes Singers) *
31. Operation Intercept *
(TV)謎の円盤UFO UFO
32. UFO Opening Titles *
33. SHADO - Variations on a Theme *
34. A Rose for Sylvia (episode "Ordeal") *
35. The Trip (episode "The Long Sleep") *
36. UFO End Titles *
(TV)スペース1999 SPACE: 1999
37. Breakaway Intro
38. Main Titles Extended
39. Ring Around the Moon, Another Time Another Place, Black Sun, Matter of Life
and Death
40. End Titles
「(TV)スーパーカー」「(TV)宇宙船XL5」「(TV)サンダーバード」「(TV)キャプテン・スカーレット」「(TV)スーパー少年・ジョー90」「(TV)謎の円盤UFO」「(TV)スペース1999」については、それぞれサントラCDが既にリリースされている(このページのレビューをご参照)。
「(TV)ウエスタン・マリオネット 魔法のけん銃(FOUR FEATHER FALLS)」は、1960年製作のイギリスのTVシリーズ(全39話/日本では1963年10月5日〜12月28日、1964年7月1日〜7月18日にTBS系列で放映された)。監督はジェリー・アンダーソン、デヴィッド・エリオット、アラン・パッティロが各エピソードを分担。音楽を担当したバリー・グレイのオリジナル・コンセプトを基に製作された人形劇によるウエスタンで、日本で放映されたアンダーソン製作による初のスーパーマリオネーション作品。カンザスの小さな町フォー・フェザー・フォールズの保安官テックス・タッカーは、インディアンの酋長カラマクーヤの息子を病気から救ったお礼に不思議な力を持つ4枚の羽根をもらう。その内の2枚はテックスの愛犬ダスティーと愛馬ロッキーに話す力を与え、他の2枚はテックスの二挺拳銃に自分の意志で発射する力を与える。声の出演はテックス・タッカー保安官役がニコラス・パーソンズ、ロッキー/ダスティー/ペドロ役がケネス・コナー、トゥインク叔父さん/フェルナンド役がデヴィッド・グラハム、ジョーンズ夫人/リトル・ジェイク役がデニス・ブライアー(日本でのTV放映時は全キャラクターを中村メイコが演じ分けた)。日本版を配給した太平洋テレビが倒産したため日本語版フィルムは現存していないらしい。収録曲は、「Kalla Ma Kooya Kalla - Opening Title」が、デヴィッド・グラハムの台詞入りのメインテーマ。「Four Feather Falls」は、マイケル・ホリデイのヴォーカルによる主題歌で、実にのどか。ホリデイは1950年代後半に活躍した歌手で、そのソフトな歌い声がビング・クロスビーとよく間違えられたらしい。
「(TV)海底大戦争スティングレイ(STINGRAY)」は、1964年製作のイギリスのTVシリーズ(全39話/日本では1964年9月7日〜1965年3月31日にフジテレビ系列で放映された)。監督はアラン・パッティロ、デヴィッド・エリオット、ジョン・ケリー、デズモンド・ソーンダースが各エピソードを分担。サー・ルー・グレイドの傘下に入ったアンダーソンのA.P.フィルムが、より大きな予算を得て製作した海洋アドヴェンチャーで、イギリスのTVで製作された初のカラー作品。「WASP(The World Aquanaut Security Patrol)」の最新鋭潜水艦スティングレイと、タイタニカ海底王国の支配者タイタン魔王との闘いを描く。声の出演は、スティングレイのトロイ・テンペスト艦長役がドン・メイソン(日本語吹替は宗近晴見)、リー・“フォーンズ”・シェルダン中尉役がロバート・イーストン(同、ミッキー・カーチス)、アトランタ・ショア役が(「007」シリーズで初代マネーペニーを演じた)ロイス・マックスウェル(松任谷国子)、サム・ショア司令官役がレイ・バレット(天草四郎)、タイタン魔王役もレイ・バレット(熊倉一雄)、エージェントX-20役がロバート・イーストン、日本語版ナレーターはトニー谷。本作の人形はトロイ艦長がジェームズ・ガーナー、タイタン魔王がローレンス・オリヴィエをモデルに制作されたという。収録曲は「Stand by for Action!」「Stingray Titles」が、レイ・バレットによる台詞からマイク・サムズ・シンガーズによるダイナミックな主題歌へと展開するメインタイトル。「The Loch Ness Monster Suite」は、「ネス湖の怪獣」エピソードでのサスペンス・アクション音楽で、スコットランド調のフレーズを織り込んだいかにもグレイらしいアンダースコア。「I've Got Something to Shout About (episode "Titan Goes Pop")」は、「タイタン、ロカビリーにいかれる」というエピソードでのゲイリー・ミラーによる挿入歌。「Aqua Marina」は、トロイ・テンペストとアトランタ、謎の美女マリーナの三角関係を描写したロマンティックな挿入歌。
「(TV)ロンドン指令X(THE SECRET SERVICE)」は、1969年製作のイギリスのTVシリーズ(全13話/日本では1970年11月5日〜1971年2月21日にNHKで放映された)。監督はレオ・イートン、アラン・ペリー、ブライアン・ハード、ケン・ターナーが各エピソードを分担。アンダーソンが「(TV)謎の円盤UFO」で俳優を使ったドラマに移行する直前に製作したスーパーマリオネーション作品で、クローズアップは人形、ロングショットは俳優を使って撮影された。イギリスの片田舎にある教会の牧師アンウィンは、実はイギリス情報部聖職者作戦課「BISHOP(Britishi Intelligence Service Headquarters Operation Priest)」の諜報部員で、指令を受けると助手のハーディングをミニマイザーと呼ばれる人体縮小装置で1/3のサイズにして作戦を遂行させる。声の出演はアンウィン神父役がスタンリー・アンウィン(日本語吹替は久松保夫)、マシュー・ハーディング役がゲイリー・ファイルズ(同、堀 勝之祐)、ビショップ役がジェレミー・ウィルキン(川久保 潔)、アップルビー夫人役がシルヴィア・アンダーソン、日本でのオープニング・ナレーションは中江真司。第1話の試写を見たルー・グレイドが作品を気に入らず、13話のみでキャンセルされた。収録曲は、「The Secret Service Theme」が、マイク・サムズ・シンガーズによるスキャットをフィーチャーしたバッハの賛美歌調のメインタイトル。「Operation Intercept」も、バッハ調のアップビートなサスペンス音楽で、実にかっこいい。
尚、「(TV)海底大戦争スティングレイ」と「(TV)ロンドン指令X」については、別途英Fanderson RecordsよりサントラCDがリリースされている(Fandersonの会員のみ購入可)。各々の収録内容は以下の通り。
(TV)海底大戦争スティングレイ(STINGRAY)
Composed and Conducted by Barry Gray
Fanderson Records / FANSR12(CD2枚組)
Disc 1
1. Stingray Main Theme (1:17)
STINGRAY (aka PILOT)
2. Attack of the Mechanical Fish (4:00)
3. The Judgment of Teufel (5:34)
DEEP HEAT
4. WASPs Night Club Medley (1:29)
PLANT OF DOOM
5. A Gift from Titan (3:49)
6.The Deadly Bloom (5:50)
SEA OF OIL
7. Revenge of the Bitumites (4:56)
STAND BY FOR ACTION
8. Johnny Swoonara Arrives (2:31)
9. Blue Lagoon Batonga (1:18)
HOSTAGES OF THE DEEP
10. An Invitation to Death (4:20)
11. Marina in Peril (5:10)
TREASURE DOWN BELOW
12. The Quest for Treasure (6:29)
13. Commercial Break (0:53)
14. The Treachery of Captain Black (2:46)
THE BIG GUN
15. The Might of Solarstar (2:50)
THE MAN FROM THE NAVY
16. I've Got Something to Shout About - Instrumental (1:29)
17. Consoling Atlanta (1:21)
THE GOLDEN SEA
18. Fish Bait (5:12)
19. Terror of the Gargan (3:11)
THE GHOST SHIP
20. Ghostly Trap (5:43)
21. Prisoners of the Galleon (2:31)
INVISIBLE ENEMY
22. Marineville Intruder (1:17)
23. Girls' Night In (1:01)
A CHRISTMAS TO REMEMBER
24. Festive Fun (1:34)
25. Aqua Marina (1:31)
Disc 1 Total Running Time 80:00
Disc 2
1. Stingray Main Theme - Music Only (1:17)
COUNT DOWN
2. The Imposter (5:38)
3. Countdown to Destruction (2:32)
IN SEARCH OF THE TAJIMANON
4. Palace in the Jungle (2:10)
THE GHOST OF THE SEA
5. The Commander's Adventure (1:41)
6. Stingray in Pursuit (3:25)
EMERGENCY MARINEVILLE
7. The Galvanoid Threat (4:01)
8. Deadly Ransom (2:46)
SUBTERRANEAN SEA
9. Journey Beneath the Sea (4:42)
LOCH NESS MONSTER
10. The Mysteries of the Loch (4:30)
11. The Monster Returns (5:11)
SECRET OF THE GIANT OYSTER
12. The Amazing Giant Oyster (2:17)
13. Pursuit of the Oysters (4:07)
RAPTURES OF THE DEEP
14. Hepcat in Trouble (6:24)
15. Dreamsville (3:59)
TITANS GOES POP
16. I've Got Something to Shout About - Gary Miller vocalist (1:27)
17. I've Got Something to Shout About - Alternate Version (1:26)
AQUANAUT OF THE YEAR
18. Troy's Award (1:02)
19. WASPs Jazz Interlude (0:44)
AN ECHO OF DANGER
20. Concerto For X20 (2:13)
TUNE OF DANGER
21. The WASPs Medley EP (2:18)
22. The Tune of Danger (1:06)
23. Troy Inferno (2:51)
24. Bass Replace (0:56)
25. Aqua Marina - extended (2:21)
COMMERCIAL RECORDINGS
26. Stingray (1:56)
27. March of the Oysters (1:45)
28. I've Got Something to Shout About (2:08)
29. Aqua Marina (2:19)
Disc 2 Total Running Time 80:10
(TV)ロンドン指令X(THE SECRET SERVICE)
Composed and Conducted by Barry Gray
Fanderson Records / FANSS11
1. Century 21 Sting (0:10)
2. Main Titles (1:16)
A CASE FOR THE BISHOP
3. Robbery at Healey Automation (1:32)
4. Calling Father Unwin (4:17)
5. Intermission Tag 1 (0:08)
6. Operation Intercept (3:25)
A QUESTION OF MIRACLES
7. 250 Hours (3:11)
8. Sabotage (5:35)
THE FEATHERED SPIES
9. Aerial Spies (0:52)
10. The Unwilling Accomplice (3:31)
11. Intermission Tag 2 (0:10)
12. Feathered Bombers (4:04)
LAST TRAIN TO BUFFLERS HALT
13. Ambush (2:47)
14. Bufflers Halt Re-opens (4:20)
15. The Train Hijack (4:58)
16. End Titles (1:26)
LAST TRAIN TO BUFFLERS HALT (Deleted Cues)
17. Father Unwin at Home (0:42)
18. Mystery and Suspense (2:57)
SCHOOL FOR SPIES
19. Radio Music (1:54)
20. The Archdeacon's Recital (1:37)
21. The Secret Service - Extended Titles (2:42)
Total Running Time 51:55
バリー・グレイが手がけた作品には
「(未公開/TV)Torchy, the Battery
Boy」(1957)
「(TV)ウエスタン・マリオネット 魔法のけん銃(Four Feather
Falls)」(1960)
「(未公開/TV)Crossroads to
Crime」(1960)
「(TV)スーパーカー(Supercar)」(1961)
「(TV)宇宙船XL5(Fireball
XL5)」(1962〜1963)
「(TV)海底大戦争スティングレイ(Stingray)」(1964〜1965)
「(未公開)Dr.フーin怪人ダレクの惑星(Dr.
Who and the
Daleks)」(1965)
「(TV)サンダーバード(Thunderbirds)」(1965〜1966)
「サンダーバード(Thunderbirds
Are GO)」(1966)
「(未公開)地球侵略戦争2150(Daleks' Invasion Earth: 2150
A.D.)」(1966)
「(TV)キャプテン・スカーレット(Captain Scarlet and the
Mysterons)」(1967)
「サンダーバード6号(Thunderbird 6)」(1968)
「(TV)スーパー少年・ジョー90(Joe
90)」(1968)
「(未公開)決死圏SOS宇宙船(Doppelganger, aka Journey to the Far Side of the
Sun)」(1969)
「(TV)ロンドン指令X(The Secret
Service)」(1969)
「(TV)謎の円盤UFO(UFO)」(1970〜1971)
「(TV)スペース1999(Space:
1999)」(1975〜1976)
「(未公開/TV)Captain Scarlet vs. the
Mysterons」(1980)
等がある。
(2009年5月)
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