金曜日の別荘で LA VILLA DEL VENERDI
作曲・指揮:エンニオ・モリコーネ
Composed and Conducted by ENNIO MORRICONE
(伊GDM / CD Club 7022)
1991年製作のイタリア映画(英語題名は「HUSBANDS AND LOVERS」)。監督は「華やかな魔女たち」(1966)「さらば恋の日」(1969)「わが青春のフロレンス」(1970)「彼女と彼」(1970)「哀しみの伯爵夫人」(1974)「沈黙の官能」(1976)「薔薇の貴婦人」(1984)等のマウロ・ボロニーニ。出演はジュリアン・サンズ、ジョアンナ・パクラ、チェッキー・カリョ、ララ・ウェンデル、マルコ・ディ・ステファーノ、ジャンヌ・ヴァレリー、ヴェロニカ・デル・キアッパ、イネス・ノビーリ、ソニア・トパッツィオ他。アルベルト・モラヴィアの原作「La villa del venerdi」を基にセルジオ・バッツィーニが脚本を執筆。撮影はジュゼッペ・ランチ。夫ステファン(サンズ)と愛人パオロ(カリョ)の2人の男を同時に愛する女性アリーナ(パクラ)を描いた情愛ドラマ。
音楽はボロニーニ監督とのコラボレーションが多いエンニオ・モリコーネだが、日本公開時の宣伝コピー“溺れるように、愛されたい−−”のイメージ通り、モリコーネ節全開のまさに滴るような官能スコア。「La
villa del venerdi」はピアノ、フルート、ストリングスによるジェントルでセンシュアルなメインの主題。「Alba lunare」はダークで憂鬱なタッチ。「Fotografia
della villa」はストリングス主体の幻想的な曲。「La villa e la spiaggia」も繊細で美しい。「Al
pianoforte」はピアノとストリングスによる情感豊かな曲。中盤の「L'amante e il pianoforte」が特に美しく、ドラマティックに盛り上がる。「Seconda
fotografia」はややトラジックなタッチ。「Catarsi」「Libido e violenza」はサスペンス調。ボロニーニ=モリコーネの過去の傑作スコアのファンには必須のアルバムだろう。
(2004年9月)
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