ハリー・ポッターと炎のゴブレット HARRY POTTER AND THE GOBLET OF FIRE

作曲:パトリック・ドイル
Composed by PATRICK DOYLE

指揮:ジェームズ・シャーマン
Conducted by JAMES SHEARMAN

演奏:ロンドン交響楽団
Performed by the London Symphony Orchestra

(米Warner Sunset / 49631-2)

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2005年製作の「ハリー・ポッター」シリーズ第4作。監督は「ピラミッド」(1980)「サイレント・ボイス/愛を虹にのせて」(1987)「フォー・ウェディング」(1994)「フェイク」(1997)「モナリザ・スマイル」(2003)等のマイク・ニューウェル。出演はダニエル・ラドクリフ、ルパート・グリント、エマ・ワトソン、トム・フェルトン、スタニスラフ・イアネフスキー、ケイティ・リュング、マシュー・ルイス、ロバート・パティンソン、クレメンス・ポエジー、ロビー・コルトレーン、レイフ・ファインズ、マイケル・ガンボン、ブレンダン・グリーソン、ジェイソン・アイザックス、ゲイリー・オールドマン、アラン・リックマン、マギー・スミス、ティモシー・スポール、プレドラグ・ビエラク、フランセス・デ・ラ・トゥアー、ロジャー・ロイド=パック、ミランダ・リチャードソン、デヴィッド・テナント、マーク・ウィリアムズ、ワーウィック・デイヴィス、ロバート・ハーディ他。J・K・ローリングの原作を基にスティーヴ・クローヴスが脚本を執筆。撮影はロジャー・プラット。ハリー(ラドクリフ)、ロン(グリント)、ハーマイオニー(ワトソン)の3人がホグワーツ魔法学校の4年生に進級した新学期の初日、ダンブルドア校長(ガンボン)は、世界の三大魔法学校から1名ずつ選ばれた代表選手3名が魔法の力を競い合う“三大魔法学校対抗試合”がホグワーツ主催で復活を遂げることを発表する……。

音楽は前3作のジョン・ウィリアムスからパトリック・ドイルに交代。イギリスの作曲家になったせいか、よりダークかつ繊細なスコアになっている。「The Story Continues」は、ダイナミックなマーチ調のイントロからミステリアスなタッチへ展開。ウィリアムス作曲のヘドウィグの主題が少し顔を出す。「Frank Dies」はダークでサスペンスフル。「The Quidditch World Cup」は、明るく躍動的なイントロからパワフルでダイナミックな主題に展開。いかにもドイルらしい曲。「The Dark Mark」も、ドイルの個性がよく出たダイナミックでサスペンスフルなアクションスコア。「Foreign Visitors Arrive」は、ヘドウィグの主題から大らかなタッチの曲に。「The Goblet of Fire」はジェントルかつダークな曲。「Rita Skeeter」は、ややコミカルなタッチ。「Sirius Fire」「Harry Sees Dragons」もダークな曲。「Goden Egg」は、栄光に満ちたファンファーレからストイックなタッチの主題へ展開するスペクタキュラーな曲。「Neville's Waltz」は、ジェントルで上品なワルツ。「Harry in Winter」はリリカルで美しい曲。「Potter Waltz」は明るく快活なワルツ。「Underwater Secrets」は、アビゲイル・ドイルによる幻想的なヴォーカルをフィーチャーしたダークでコミカルな曲。「Black Lake」「Maze」は、ダイナミックでサスペンスフル。「Hogwarts' March」は軽快なマーチ。「Voldemort」は、9分30秒におよぶドラマティックな曲。「Death of Cedric」は繊細なタッチ。「Another Year Ends」は、ジェントルでピースフル。「Hogwarts Hymn」は、ドイルらしい荘厳で感動的な曲で、個人的にはこの曲が全体の白眉。素晴らしい。最後にジェイソン・バックル、スティーヴ・クレイドン、ジャーヴィス・コッカー、ジョニー・グリーンウッド、スティーヴ・マッケイ、フィル・セルウェイによるロックの挿入歌が3曲収録されているが、ドイルの格調高いスコアからの落差が激しい。
(2005年11月)

Patrick Doyle

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