Date of Birth: 1953/4/6
Place of Birth: Uddingston, Scotland, UK
Mini Biography:
Patrick Doyle benefited from a musical upbringing. His very first composition, a piano trio, was actually assigned as a punishment, after a teacher became annoyed at his classroom behaviour. He graduated from the Royal Scottish Academy of Music and Drama in 1974 where he studied piano and singing. For over twelve years after graduating from the RSAMD, he was an actor. His first music score was written in 1978, and subsequently, he has written the music for a host of radio, television, theatre and film productions. In 1987, he joined the Renaissance Theatre Company as composer and musical director. He has since composed music for their productions of "Hamlet", "As You Like It", and "Much Ado About Nothing" for directors Derek Jacobi, Geraldine McEwan and Judi Dench. He later worked with director Judi Dench on both the theatre and television productions of "Look Back in Anger" and then completed a world tour with the Renaissance Theatre Company, for which he was both composer and musical director for the company's productions of "King Lear" and "A Midsummer Night's Dream." Director Kenneth Branagh commissioned Doyle to write the film score for the Renaissance Film Company production of "Henry V". "Non Nobis Domine" from that film was awarded the 1989 Ivor Novello Award for Best Film Theme. In 1990, HRH The Prince of Wales commissioned him to write "The Thistle and The Rose", a song cycle for full choir, in honour of the Queen Mother's 90th birthday. His score for "Dead Again" directed by Branagh was nominated for a 1991 Golden Globe Award. His score for "Sense and Sensibility" was nominated for a Golden Globe, an Oscar for 'Best Original Dramatic Score,' and a BAFTA nomination for 'Best Film Score.' In November 1997, he was diagnosed with leukemia. Nonetheless, he completed his score for "Great Expectations" and continued to work on "Quest for Camelot" during treatment. By 1998, his career had returned to full swing.
カリートの道 CARLITO'S WAY 作曲:パトリック・ドイル 指揮:ウィリアム・クラフト (米Varese Sarabande / VSD-5463) |
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アル・パチーノ主演の犯罪映画で監督は一部のファンに熱狂的な支持を得ているブライアン・デ・パルマ(私個人としては彼の演出は技巧のわざとらしさばかりが目立って昔からあまり好きではない)。
スコアを担当しているのはケネス・ブラナーの「ヘンリー五世」で映画音楽デビューしたパトリック・ドイルだが、この「ヘンリー五世」の音楽はとても新人の作品とは思えない本格的なオーケストラル・スコアで随分驚いたものである。なんとこの人は作曲家である以前に俳優であり、「ヘンリー五世」にも出演している。その後もブラナーとのコンビは続いていて、彼が監督した「愛と死の間で」や「から騒ぎ」に見事なスコアを提供しているが、ブラナー監督作品以外でもディズニー・プロ製作の冒険活劇「(未公開)冒険の島/海賊メリックをやっつけろ!」や、ホラー映画の「ニードフル・シングス」、カトリーヌ・ドヌーヴ主演のフランス映画「インドシナ」、エマニュエル・ベアール主演の「フランスの女」等に情感豊かなシンフォニック・スコアを書いている。特に「インドシナ」と「フランスの女」の音楽は繊細でありながらも力強いタッチで堂々と描ききった力作で今のところ彼のベストであろう。
この「カリートの道」の音楽も冒頭の悲痛なトーンのエレジーからジャズ風のスコアへと転じてクライマックスのチェイス・シーンのアクション音楽へと全体を手堅くまとめており、いかにもベテランらしい安定した仕上がりだが、うまくまとまりすぎてかつての作品のような強いインパクトがないのは少し残念。
(1994年5月)
ハムレット William Shakespeare's HAMLET 作曲:パトリック・ドイル 指揮:ロバート・ジーグラー (米Sony / SK62857) |
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ケネス・ブラナー監督・脚色・主演の「ハムレット」。共演はジュリー・クリスティ、ビリー・クリスタル、ジェラール・ドパルデュー、チャールトン・ヘストン、デレック・ジャコビ、ジャック・レモン、ロビン・ウィリアムス、ケイト・ウィンスレットといった豪華キャスト。プラシド・ドミンゴが主題曲の「In Pace」を歌っている。
音楽を担当したパトリック・ドイルはケネス・ブラナーとは彼の監督デビュー作の「ヘンリー五世」からずっとコンビを組んでおり、「から騒ぎ」「愛と死の間で」「フランケンシュタイン」等どのスコアもRichかつDynamicで素晴らしい。ブラナーが監修し、サー・ジョン・ギールガッド等ベテランのシェークスピア役者が出演しているラジオドラマの「リア王」「ハムレット」「ロミオとジュリエット」等にもドイルが音楽を提供しており(これらのCDも海外でリリースされている)、かつてのサー・ローレンス・オリヴィエ(高名なシェークスピア俳優兼監督)とサー・ウィリアム・ウォルトン(英国を代表する映画音楽・クラシック音楽作曲家)の名コンビを彷彿とさせる絶妙のコラボレーションを確立している。今回の「ハムレット」も荘厳かつドラマティックな音楽が極めて格調高く、現代映画音楽の最高水準に達していると言える。
(1997年3月)
(未公開)NOUVELLE-FRANCE
作曲:パトリック・ドイル 指揮:ジェームズ・シャーマン (カナダFilmtrax / CK 81198) |
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2004製作のカナダ=フランス=イギリス合作映画(英語題名は「New France」)。監督はカナダ出身で「(未公開)ボディ・コレクター」(2002)等のジャン・ボーダン。出演はノエミ・ゴダン=ヴィニョー、ジェラール・ドパルデュー、ヴァンサン・ペレーズ、イレーヌ・ジャコブ、ティム・ロス、ジェイソン・アイザックス、ダヴィッド・ラ・エイ、ジュリエット・ゴスラン、セバスチャン・ユーベルドー、ビアンカ・ジェルヴェ、ピエール・ルボー、イザベル・リシェール、ジョアンヌ=マリー・トレンブレイ、コルム・ミーネイ、ビリー・メラスティ、モニク・メルキュール、マイケル・マロニー、ブノワ・ダジェネ、フィリップ・ドルモイ他。ジル・カルルの原案を基にピエール・ビヨンが脚本を執筆。撮影はルイ・ドゥ・エルンステッド。18世紀中期、カナダの支配を巡るイギリスとフランスの抗争を背景にしたラブストーリー。
音楽はスコットランド人のベテラン、パトリック・ドイルで、ここではエピック・ラブストーリーにふさわしい極めてエモーショナルでパワフルなオーケストラル・スコアを提供している。「Ouverture」は、ストイックで情感豊かなイントロからドラマティックで力強いメインの主題へと展開する序曲。「Bonjour Marie」はジェントルなタッチの第二主題。「Les hommes de Bigot」はダイナミックでパワフルな曲。「Le bal - Gavotte & Menuet」はバロック調の明るくジェントルな曲。「Des etoiles dans ma tete」は美しく繊細な第二主題のバリエーション。「L'intervention d'Angelique」も第二主題で、明るく躍動的なアレンジメント。「La lettre」は繊細なタッチで、後半ドラマティックな盛り上がりをみせる。「La bataille de Quebec」はドラマティックでパワフルな曲。「Nouvelle-France n'est plus」はストイックなタッチの第一主題のバリエーション。「Maillard et Marie-Loup」も繊細なタッチ。「Les retrouvailles」はドラマティックでエモーショナル。「Bagarre dans la foret」はダイナミックでパワフルな曲。「La berceuse de Marie-Loup」は女声をフィーチャーしたトラジックなタッチ。「Le depart de France」も第一主題のバリエーション。「Le destin de Marie-Loup」も実に美しい。後半はダイナミックでパワフル。「La fin de l'histoire」は、第一主題と第二主題の静かなリプライズで締めくくる。ラストの「Ma Nouvelle-France」は、セリーヌ・ディオンのフランス語のヴォーカルによる主題歌(第二主題)。非常に映画音楽的な響きをもったスコアで、ドイルの近年のシリアスな作品中ではベストだろう。
パトリック・ドイルが手がけた映画音楽には
「(未公開/TV)Twelfth Night, or What You
Will」(1988)
「(未公開/TV)Look Back in Anger」(1989)
「ヘンリー五世(Henry
V)」(1989)
「(未公開)冒険の島/海賊メリックをやっつけろ!(Haakon
Haakonsen/Shipwrecked)」(1990)
「愛と死の間で(Dead Again)」(1991)
「白馬の伝説(Into the
West)」(1992)
「インドシナ(Indochine)」(1992)
「から騒ぎ(Much Ado About
Nothing)」(1993)
「ニードフル・シングス(Needful Things)」(1993)
「カリートの道(Carlito's
Way)」(1993)
「(未公開)Exit to
Eden」(1994)
「フランケンシュタイン(Frankenstein)」(1994)
「フランスの女(Une femme
francaise)」(1995)
「リトル・プリンセス(A Little Princess)」(1995)
「いつか晴れた日に(Sense and
Sensibility)」(1995)
「くちづけはタンゴの後で(Mrs.
Winterbourne)」(1996)
「ハムレット(Hamlet)」(1996)
「フェイク(Donnie
Brasco)」(1997)
「大いなる遺産(Great Expectations)」(1998)
「キャメロット(Quest for
Camelot)」(1998)
「イースト/ウェスト 遙かなる祖国(Est - Ouest)」(1999)
「恋の骨折り損(Love's
Labour's Lost)」(2000)
「シャンプー台のむこうに(Blow
Dry)」(2001)
「ブリジット・ジョーンズの日記(Bridget Jones's
Diary)」(2001)
「ゴスフォード・パーク(Gosford Park)」(2001)
「キリング・ミー・ソフトリー(Killing Me
Softly)」(2002)
「(未公開)El misterio Galindez, aka The Galindez
File」(2003)
「カレンダー・ガールズ(Calendar Girls)」(2003)
「ウォルター少年と、夏の休日(Secondhand
Lions)」(2003)
「(未公開)Nouvelle-France」(2004)
「(未公開)Man to
Man」(2005)
「(未公開)Wah-Wah」(2005)
「ナニー・マクフィーの魔法のステッキ(Nanny
McPhee)」(2005)
「ハリー・ポッターと炎のゴブレット(Harry Potter and the Goblet of
Fire)」(2005)
「(未公開)Sir Billi the Vet」(2006)
「(未公開)HYDE ハイド(Jekyll +
Hyde)」(2005)
「(未公開)As You Like It」(2006)
「エラゴン
遺志を継ぐ者(Eragon)」(2006)
「(未公開)サイン・オブ・デス(Pars vite et reviens tard, aka Have
Mercy on Us All)」(2007)
「(未公開)Bad Boy Fan Film」(2007)
「(未公開)The Last
Legion」(2007)
「スルース(Sleuth)」(2007)
「幸せの1ページ(Nim's
Island)」(2008)
「(未公開)Igor」(2008)
「(未公開)ストレンジャー(Main
Street)」(2010)
「(未公開)La ligne
droite」(2011)
「マイティ・ソー(Thor)」(2011)
「(未公開)Jig」(2011)
「(未公開)Sarajevo」(2011)
「猿の惑星:創世記(Rise
of the Planet of the Apes)」(2011)
「(未公開)ビリーじいさんのミラクル救出大作戦(Sir
Billi)」(2012)
「メリダとおそろしの森(Brave)」(2012)
「(未公開/VG)Brave」(2012)
「(未公開/TV)National
Theatre Live: Macbeth」(2013)
「(未公開/VG)Puppeteer」(2013)
「エージェント:ライアン(Jack Ryan: Shadow Recruit)」(2014)
「(未公開)Enchanted Kingdom
3D」(2014)
「シンデレラ(Cinderella)」(2015)
「(未公開)Branagh Theatre Live: The
Winter's Tale」(2015)
「ウイスキーと2人の花嫁(Whisky Galore)」(2016)
「(未公開)Branagh
Theatre Live: Romeo and Juliet」(2016)
「(未公開)A United Kingdom」(2016)
「(未公開)Branagh Theatre Live: The Entertainer」(2016)
「(未公開)B.O.O.: Bureau of
Otherworldly Operations」(2017)
「絵文字の国のジーン(The Emoji Movie)」(2017)
「オリエント急行殺人事件(Murder on the Orient Express)」(2017)
「(未公開)Sgt. Stubby: An
American Hero」(2018)
「シェイクスピアの庭(All Is True)」(2018)
「(未公開)Artemis Fowl」(2020)
「(未公開)Death on the Nile」(2020)
等がある。
パトリック・ドイルは1995年の「いつか晴れた日に」と1996年の「ハムレット」でアカデミー賞の音楽賞(オリジナルドラマ)にノミネート、1991年の「愛と死の間で」と「いつか晴れた日に」でゴールデン・グローブの音楽賞にノミネートされている他、1995年の「リトル・プリンセス」でLA批評家協会賞の音楽賞を受賞している。
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