ヒストリー・オブ・バイオレンス A HISTORY OF VIOLENCE

作曲・指揮:ハワード・ショア
Composed and Conducted by HOWARD SHORE

(米New Line Records / NLR39051)

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2005年製作のアメリカ=カナダ合作映画。監督は「スキャナーズ」(1981)「デッドゾーン」(1983)「ザ・フライ」(1986)「裸のランチ」(1991)「イグジステンズ」(1999)「スパイダー/少年は蜘蛛にキスをする」(2002)等のデヴィッド・クローネンバーグ。出演はヴィゴ・モーテンセン、マリア・ベロ、エド・ハリス、ウィリアム・ハート、アシュトン・ホームズ、ピーター・マクニール、スティーブン・マクハティ、グレッグ・ブリック、スメラ・ケイ、カイル・シュミッド、デボラ・ドレイクフォード、ジェリー・クイグリー、ハイディ・ヘイズ他。ジョン・ワグナーとヴィンス・ロック原作のグラフィック・ノヴェルを基にジョシュ・オルソンが脚本を執筆。撮影はピーター・サシツキー。インディアナ州ミルブルックの小さな町でダイナーを経営するトム・ストール(モーテンセン)は、店に入った強盗を撃退したことで勇気あるヒーローとしてマスコミに取り上げられる。やがて、フォガティと名乗る不気味な男(ハリス)が店に現れ、トムのことをジョーイと呼んで旧知の仲であるかのように話しかけてくる……。

音楽は本作がデヴィッド・クローネンバーグとの11作目のコラボレーションとなるハワード・ショア。抑制されたタッチのシリアスでソリッドなアンダースコアで、全編に重苦しい悲劇性を帯びている。「Motel」「Hero」は静かな緊張感を帯びた曲。「Tom」「Cheerleader」はジェントルなタッチ。「Diner」は、ブラスとパーカッションを効かせた重厚でダイナミックな曲。「Run」はサスペンスフルなアクションスコア。「Violence」は、静かなイントロから後半はドラマティックに展開。「Porch」「Alone」「The Staircase」「The Road」「Nice Gate」等、後半は抑制されたサスペンス音楽が続く。「The Return」は静かにドラマティックなタッチ。「Ending」はジェントルに締めくくる。スコア全体のトーンや、原則として1つの単語で統一された曲目が、かつてのヒッチコック監督作品でのバーナード・ハーマンのクラシック・フィルムスコアを想起させる。
(2006年1月)

Howard Shore

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