2005年製作のアメリカ=イギリス=フランス合作映画。監督は「ウェイクアップ!ネッド」(1998)のカーク・ジョーンズ。出演はエマ・トンプソン、コリン・ファース、ケリー・マクドナルド、シーリア・イムリー、デレック・ジャコビ、パトリック・バーロウ、イメルダ・ストーントン、トーマス・サングスター、アンジェラ・ランズベリー、エリザ・ベネット、エリザベス・バーリントン、ラファエル・コールマン、ジェニファー・レイ・デイキン、ホリー・ギッブス、アダム・ゴッドレイ、サム・ホニーウッド、フィリダ・ロウ、エレノア・マクレディ他。「緑は危険」等で知られるイギリスの女流ミステリ作家クリスチアナ・ブランド(1907〜1988)原作の「ふしぎなマチルダばあや」シリーズを基に、主演も兼ねているエマ・トンプソンが脚本を執筆。撮影はヘンリー・ブラーム。妻を亡くし7人の子供を育てているセドリック・ブラウン(ファース)のもとにやって来た、不思議な力を持つ家政婦のマクフィー(トンプソン)と子供たちの巻き起こす騒動を描く。
音楽はイギリスのベテラン、パトリック・ドイル。ファミリー向けのコメディ/ファンタジー映画にふさわしい“ミッキーマウス”手法の明快でリッチなオーケストラル・スコアを提供している。「They've
Eaten the Baby!」は、明るくコミカルなイントロからフルオーケストラによるスラプスティック調に展開。「No More Nannies」はおどけたタッチのマーチ。「Secret
Toast and Jam」「The Pink Chair」「Kites in the Sky」「Our Last Chance」「The Lady in
Blue」等はジェントルなタッチ。「A Clockwork Mouse」「Goodnight, Children」「Measle
Medicine」「Soup Du Jour」「Barnyard Fashion」「Toad in the Teapot」「Bees and Cakes」等はコミカルなタッチの曲。「I
Did Knock」はミステリアスでドラマティック。「I Smell Damp」はややダークなタッチ。「Lord of the
Donkeys」は陽気な舞踏音楽調。「The Girl in the Carriage」は、ドラマティックなイントロからジェントルな曲へ。「Mrs.
Brown's Lullaby」は、メイ・マッケンナのヴォーカルによるスイートでリリカルなララバイ(歌詞はエマ・トンプソン)。「Snow in
August」は感動的に締めくくる。尚、このサントラCDは2005年10月のイギリスでの公開に合わせて欧州盤(Colosseum)が先行してリリースされ、2006年にVarese
Sarabandeレーベルより異なるジャケット・デザインのアメリカ盤がリリースされた。
(2006年2月)
Patrick Doyle
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