ロイ・ビーン THE LIFE AND TIMES OF JUDGE ROY BEAN

作曲・指揮:モーリス・ジャール
Composed and Conducted by MAURICE JARRE

(米Film Score Monthly / FSM Vo.9 No.12)

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1972年製作のアメリカ映画。監督は「マルタの鷹」(1941)「キー・ラーゴ」(1948)「黄金」(1948)「アフリカの女王」(1951)「白鯨」(1956)等のジョン・ヒューストン。出演はポール・ニューマン、エヴァ・ガードナー、ヴィクトリア・プリンシパル、ジャクリーン・ビセット、アンソニー・パーキンス、ステイシー・キーチ、ジョン・ヒューストン、ロディ・マクドウォール、タブ・ハンター、ネッド・ビーティ、マット・クラーク、リチャード・ファーンズワース、ビル・マッキニー、アンソニー・ザーブ、マイケル・サラザン他。脚本は「デリンジャー」(1973)「風とライオン」(1975)「ビッグ・ウェンズデー」(1978)「コナン・ザ・グレート」(1982)「若き勇者たち」(1984)等の監督を手がけたジョン・ミリアス。撮影はリチャード・ムーア。19世紀後半にテキサス州ラングトリーで判事を務めたロイ・ビーン(1825〜1903)の生涯を描く異色ウエスタン。

音楽はフランス人のモーリス・ジャールが作曲しているが、彼はハリウッドに渡ってリチャード・ブルックス監督の「プロフェッショナル」(1966)を手がけて以来、「戦うパンチョ・ビラ」(1968)「5枚のカード」(1968)「エル・コンドル」(1970)「レッド・サン」(1971)といったウエスタンのスコアを担当している。また、ジョン・ヒューストン監督とは、「マッキントッシュの男」(1972)「王になろうとした男」(1975)等でも組んでいる。この「ロイ・ビーン」のスコアは、映画のコミカルなトーンに合わせた明るく軽妙なタッチとなっている。「Judge Roy Bean's Theme」は、静かなイントロから、チターのソロによるジャールらしい親しみやすく、ややメランコリックな主題へと展開。「Sent to Madgeland / The Shooting」は、パーカッシヴで陽気な曲からダイナミックなアクションスコアへ。「Reverend LaSalle / Law West of the Pecos」は、牧歌的でジェントルなタッチ。「The Marshalls / Dodd's Hanging / Law and Order」は、メインの主題のマーチ風アレンジメント。「Maria's Fashion Show」は、ジェントルでリリカル。「The Matchmaker / The Yellow Rose of Texas (Sung by Paul Newman) / A Strange Wagon (The Bear, Pt. 1)」は、コミカルで陽気な曲から、ポール・ニューマンのヴォーカルによる民謡『テキサスの黄色いバラ』、そしてサスペンス調へと展開。「A New Friend / Marmalade, Molasses and Honey (Sung by Andy Williams)」は、明るくリリカルな主題歌『小さな愛のワルツ』(作詞:マリリン&アラン・バーグマン/ヴォーカル:アンディ・ウィリアムス)。この曲は「Bear Is Dead / Burial of the Bear」「A Sad Awakening / After Maria's Death」等でもインストゥルメンタルで登場。「Hail to the Chief / The Swinging Outlaw / Bad Bob」は、コミカルなタッチの民謡のメドレー。「After Bob's Death / Late at Night」は、明るく牧歌的なタッチからサスペンス調へ。「Miss Lillie Will Perform in San Antonio / On the Way to the Opera」は、メインの主題のジェントルなアレンジメント。「Formerly-Bean's-Now-Gass / Old Ragtime」は、コミカルなタッチからラグタイムピアノ曲へ。「Justice」は、メインの主題の勇壮でパワフルなアレンジメント。モーリス・ジャールとマリリン&アラン・バーグマンは、主題歌『小さな愛のワルツ』で1972年度アカデミー賞の歌曲賞にノミネートされている。このスコアは米ColumbiaレーベルよりサントラLPがリリースされていたが、今回米Film Score MonthlyレーベルがリリースしたCDは未発表曲を含む全70分超のエクスパンデッド版。
(2006年11月)

Maurice Jarre

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