007/カジノ・ロワイヤル  CASINO ROYALE

作曲:デヴィッド・アーノルド
Composed by DAVID ARNOLD

指揮:ニコラス・ドッド
Conducted by NICHOLAS DODD

(米Sony Classical / 88697-02369-2)

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2006年製作のアメリカ=イギリス=ドイツ=チェコ合作映画。ダニエル・クレイグ扮する6代目ジェームズ・ボンドが初登場するシリーズ通算21作目。監督は「007/ゴールデンアイ」(1995)「マスク・オブ・ゾロ」(1998)「バーティカル・リミット」(2000)「レジェンド・オブ・ゾロ」(2005)等のマーティン・キャンベル。共演はエヴァ・グリーン、マッツ・ミケルセン、ジュディ・デンチ、ジェフリー・ライト、ジャンカルロ・ジャンニーニ、カテリーナ・ムリーノ、サイモン・アブカリアン、イザーク・ド・バンコレ、ジェスパー・クリステンセン、イワナ・ミリセヴィック、トビアス・メンジーズ、クラウディオ・サンタマリア、セバスチャン・フーカン、マルコム・シンクレア他。イアン・フレミングの原作を基にニール・パーヴィス、ロバート・ウェイドとポール・ハギスが脚本を執筆。撮影はフィル・メヒュー。編集は「エグゼクティブ・デシジョン」(1996)「追跡者」(1998)「ネメシス/S.T.X」(2002)等の監督作があるステュアート・ベアード。殺しのライセンス“00(ダブル・オー)”を取得したジェームズ・ボンド(クレイグ)は、テロリスト組織の資金供給源となっているル・シッフル(ミケルセン)がモンテネグロのカジノ・ロワイヤルで仕掛けるポーカーの大勝負に挑み、彼の資金源を絶つことを命じられる……。イアン・フレミングのボンド・シリーズ第1作『007/カジノ・ロワイヤル』は、シリーズの製作会社イオン・プロダクションが唯一映画化権を押さえていなかった原作で、権利を取得したコロンビアが1967年にジョン・ヒューストン、ケン・ヒューズ、ロバート・パリッシュ、ジョセフ・マクグラス、ヴァル・ゲストの5人の共同監督によるパロディ映画「007/カジノ・ロワイヤル」を製作している(こちらの音楽はバート・バカラック)。ソニー(コロンビア)が、本家ボンド・シリーズの権利を保有するMGMを買収したことで、今回本家シリーズの1作として再映画化されることになった。

音楽は、「007/トゥモロー・ネバー・ダイ」(1997)以降、「007/ワールド・イズ・ノット・イナフ」(1999)「007/ダイ・アナザー・デイ」(2002)とシリーズのスコアを連続して手がけているデヴィッド・アーノルド。映画も原点回帰を狙っているが、スコアもオーケストラを派手に鳴らしたソリッドでオーソドックスなアクション音楽となっている。「African Rundown」は、冒頭からパーカッシヴでダイナミックなアクション・スコアを展開。続く「Nothing Sinister」「Unauthorized Access」等は、抑制されたサスペンス音楽。「Blunt Instrument」では、モンティ・ノーマン作曲の有名なボンドの主題が少し顔を出す。「Solange」は、ややメランコリックなソランジュ(ムリーノ)の主題。「Miami International」は、華麗なイントロから延々と続く激しいサスペンス・アクションへ展開する全編のハイライト。「Dinner Jackets」は、ジェントルでリリカルなピアノ。「Vesper」は、リリカルなタッチのヴェスパー・リンド(グリーン)の主題。「Stairwell Fight」「Dirty Martini」「The End of an Aston Martin」「The Switch」「Fall of a House in Venice」等は、激しいアクション音楽が連続する。「Bond Loses It All」「The Bad Die Young」等はサスペンス調。「City of Lovers」は、リリカルでロマンティック。ラストの「The Name's Bond... James Bond」では、ボンドの主題がフル・バージョンで演奏される。

尚、この映画の主題歌『You Know My Name』はデヴィッド・アーノルドとSoundgarden/Audioslaveのクリス・コーネルが作曲し、コーネルが歌っているが、レーベルが異なるためこのサントラ盤には収録されていない(別途主題歌のみのシングルCDがPolydorレーベルからリリースされている)。
(2006年12月)
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David Arnold

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