アーサーとミニモイの不思議な国 ARTHUR ET LES MINIMOYS

作曲:エリック・セラ
Composed by ERIC SERRA

指揮:ジェフリー・アレクサンダー、エリック・セラ
Conducted by GEOFFREY ALEXANDER, ERIC SERRA

演奏:ロンドン・セッション管弦楽団、メトロ・ヴォイシーズ
Performed by the London Session Orchestra, The Metro Voices

(仏Universal / 984551-3)

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2006年製作のフランス映画(アメリカ公開題名は「Arthur and the Invisibles」/日本では2007年9月全国松竹・東急系にて公開予定)。製作・監督・脚本は「最後の戦い」(1983)「サブウェイ」(1984)「グラン・ブルー」(1988)「ニキータ」(1990)「アトランティス」(1991)「レオン」(1994)「フィフス・エレメント」(1997)「ジャンヌ・ダルク」(1999)「アンジェラ」(2005)リュック・ベッソン。製作に約100億円を費やした大作で、本国フランスでは2006年12月13日に956館で公開され、3週間で約450万人を動員する大ヒットとなっている。ライヴアクションとCGアニメの組み合わせ で構成されており、ライヴ部分の出演はフレディ・ハイモア、ミア・ファロー、ロナルド・クロフォード、ペニー・バルフォア、ダグラス・ランド、アダム・ルフェヴル、ジャン・ベトット・ジャンバ、セルジュ・ブリュメンタル他、CGアニメ部分の声の出演はマドンナ、デヴィッド・ボウイ、スヌープ・ドッグ他(アメリカ公開版ではロバート・ デ・ニーロ、ハーヴェイ・カイテル、エミリオ・エステヴェス、チャズ・パルミンテリ、ジミー・ファロン、ジェイソン・ベイトマン、アンソニー・アンダーソン等が追加で声を担当)。撮影はティエリー・アルボガスト。リュック・ベッソンによる原作本シリーズ「アーサーとミニモイたち」「アーサーと禁じられた王国」「アーサーとマルタザールの逆襲」「アーサーとふたつの世界の決戦」(いずれも翻訳本は角川書店刊)の内の最初の2巻を映画化したもの。映画自体は3部作で、原作の第3巻が映画の第2作、第4巻が映画の第3作となる予定。 アメリカのとある田舎町で、祖母(ファロー)と愛犬アルフレッドに祝福され、10歳の誕生日を迎えたアーサー(ハイモア)は、屋根裏部屋で、4年前に姿を消してしまった祖父が残した不思議なメッセージを見つけ出す。そこには、“ミニモイ”という体長2ミリほどの小さな種族の棲む地下世界への行き方が記されていた。祖父の後を追い、宝物が眠るというミニモイの国へやって来たアーサーは、セレニア王女(マドンナ)と弟のベタメッシュと共に、闇の帝王マルタザール(ボウイ)を倒す旅に出る……。

音楽は「アンジェラ」以外の全てのベッソン監督作品のスコアを手がけている盟友エリック・セラ。ここではオーケストラとコーラスによる、いたってオーソドックスなファンタジー・アドベンチャー・スコアを提供しており、劇伴音楽としての効果は完璧だが、かつての「グラン・ブルー」「レオン」等のスコアの面影はあまりない。「The Minimoys Overture」は、コーラスとオーケストラによるジェントルな序曲。「Nice Town」は、明るく躍動的な主題。「Arthur and the Aqueduct」は、ジェントルでリリカルな曲で、ここまでの3曲は途切れ無く続く。「The Phonecall and the Waxcake」は、ややセンチメンタルな曲。「Davido and the Watertank」はコミカルなタッチ。「Small as a Tooth」「Stolen Kiss」はジェントルな曲。「The Cloth Ladder」「Bogo Matassalai」「Try to Be Convincing」「Third Ring for the Soul」は、アーサーが夜中に部屋を抜け出してミニモイの世界へと入っていくシーンの躍動的でサスペンスフルな曲。「The Land of the Minimoys」は、ミニモイの世界を描写したジェントルな主題。「Central Gate」「The Blueberry Catapult」「Lovebirds」「Feeding Time」「The Sword of Power」は、マルタザールの兵士たちがミニモイの世界を襲撃するシーンの激しいアクションスコア。「Arthur the Hero」は、最初の戦いで活躍したアーサーをミニモイたちが称えるシーンのヒロイックな主題。「Patchimole」「Cosmonut」はコミカルなタッチ。「Nutboat and Laces」は、サスペンス調からヒロイックなマーチへ。「Ballad for Granny」「In Bed with Selenia」「Red Poppy Night」等は、ジェントルなタッチ。「Evil Straws」は、不気味なコーラスとオーケストラによるダークな曲。「Malthazar」は、 ダークで神秘的なマルタザールの主題。「Timeballs」「Solid Gate」等はサスペンス調。「Eternally Grateful」「A Beautiful Sunday」は、ドラマティックでヒロイックな主題。「Destruction of the Seides」は、コーラスとオーケストラによるダークなマーチ。「The Minimoys Finale」は、ヒロイックな主題による壮大なフィナーレ。最後に Les Minimoys による「En Minimoy」スヌープ・ドッグによる「Go Girl」Elijah による「It'a a Beautiful Day」の3曲の挿入歌が収録されている。

尚、ここで紹介しているフランス盤は、スコアのメイキング映像を収録したDVDとの2枚組となっており、この映像には、エリック・セラ、オーケストレーター/指揮者のジェフリー・アレクサンダー、監督のリュック・ベッソン等が登場する他、ロンドンでの録音風景や、ノルマンディのデジタル・ファクトリーでのミキシング風景等が収録されている。
(2007年1月)

リュック・ベッソン著の原作本はこちら→ cover
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Eric Serra

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