THE ENFORCER

ダーティハリー３ THE ENFORCER

作曲・指揮：ジェリー・フィールディング
Composed and Conducted by JERRY FIELDING

（米Aleph Records / 038）

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1976年製作のアメリカ映画。監督は「ダーティファイター」(1978)「（未公開）キャラバン」(1978)「（未公開）チャック・ノリスの地獄の復讐」(1982)等のジェームズ・ファーゴ。出演はクリント・イーストウッド、タイン・デイリー、ハリー・ガーディノ、ブラッドフォード・ディルマン、アルバート・ポップウェル、デヴェレン・ブックウォルター、ジョン・クロフォード、ジョン・ミッチャム、サマンサ・ドーン、ロバート・F・ホイ、ジョスリン・ジョーンズ、M・G・ケリー、ニック・ペレグリーノ、ルディ・ラモス、ビル・アックリッジ、ビル・ジェリッフェ他。ゲイル・モーガン・ヒックマンとS・W・シャーの原案を基に、「夜の大捜査線」(1967)「ポセイドン・アドベンチャー」(1972)「タワーリング・インフェルノ」(1974)「テレフォン」(1977)等のスターリング・シリファントと「マンハッタン無宿」(1968)「ダーティハリー」(1971)「突破口！」(1973)「ブルーサンダー」(1983)等のディーン・リーズナーが脚本を執筆。撮影はチャールズ・W・ショート。クリント・イーストウッドがサンフランシスコ市警のハリー・キャラハン刑事を演じるシリーズ第三弾。ハリーは、殺人課に配属された新米の女刑事ケイト・ムーア（デイリー）と共に、陸軍兵器庫から大量の武器弾薬を強奪した過激派グループを追う……。2作目では出番のなかった、1作目のブレスラー警部（ガーディノ）やディジョージオ刑事（ミッチャム）が再登場。後に「（TV）女刑事キャグニー&レイシー」に主演するタイン・デイリーがハリーとコンビを組む女刑事を好演しているが、ブックウォルター等の演じる過激派グループが迫力不足。

音楽は、「アウトロー」(1976)「ガントレット」(1977)「アルカトラズからの脱出」(1979)等のクリント・イーストウッド主演作品のスコアも手がけているジェリー・フィールディング。「ダーティハリー」シリーズは1作目の音楽を担当したラロ・シフリンが2、4、5作目も手がけているが、この3作目の時には他の作品の仕事とぶつかってしまい、フィールディングが登板した。「Prologue - Main Title」は、冒頭の不協和音の積み重ねによるサスペンスフルなプロローグから、ビッグバンド・ジャズによるメインタイトルへと展開。重厚なブラスの響きを強調したハードボイルドなタッチが実にかっこいい。「Harry's World」は、ファンキーなジャズ。「Warehouse Heist」は、兵器庫強奪シーンのサスペンス音楽で、後半はジャズに展開。「Code Blue」「Kidnap Zap」「The Shooting Nun」等も、緊迫感に満ちたサスペンス音楽。「Rooftop Chase」は、ストーリー中盤で延々と続くフット・チェイス・シーンでのジャズ・ベースのアクション音楽。「Raid on Mustafa's」は、警察がムスターファ（ポップウェル）のアジトを襲撃するシーンのライトなジャズ。「Tiffany's Number Eleven」は、ジャズによるソース音楽。「Alcatraz Encounter」「Death on the Rock」は、アルカトラズ島でのクライマックスのサスペンス・アクション音楽で、フィールディングが得意とするミリタリスティックでハイテンションなアンダースコアを展開。ストリングスのピッチカート、ピアノ、スネアドラムによる複雑なフレーズの連続が圧巻。「Finale (Elegy for Inspector Moore)」は、トラジックでドラマティックなフィナーレで、ラストの過激派グループとの銃撃戦で殉職したムーア刑事へのエレジーとなっている。最後にフィナーレの別バージョン「Finale (Alternate)」を収録。
（2007年7月）

Jerry Fielding

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