2006年製作のアメリカ=イギリス合作映画。監督・脚本は「ヘンリー五世」(1989)「愛と死の間で」(1991)「から騒ぎ」(1993)「フランケンシュタイン」(1994)「ハムレット」(1996)「恋の骨折り損」(1999)「魔笛」(2006)等のケネス・ブラナー。出演はロモーラ・ガライ、ブライス・ダラス・ハワード、ケヴィン・クライン、エイドリアン・レスター、ジャネット・マックティアー、アルフレッド・モリーナ、デヴィッド・オイエロー、ブライアン・ブレスト、ジェラルド・ホラン、リチャード・ブリアーズ、リチャード・クリフォード、タクヤ・シマダ、ノブユキ・タカノ、ポール・チャン、パトリック・ドイル他。撮影はロジャー・ランサー。過去にもウィリアム・シェイクスピアの戯曲の映画化を手がけているブラナーが、シェイクスピア作の喜劇を中世のフランスから19世紀の日本に舞台を代えて映画化したロマンティック・コメディ。叔父のフレデリック公爵(ブレスト)のもとで、その娘のシーリア(ガライ)と一緒に育てられたロザリンド(ハワード)は、オーランド(オイエロー)という若い男と恋に落ちる。公爵から突然の追放を言い渡されたロザリンドは、男装して、シーリアと道化のタッチストーン(モリーナ)と共に、追放された元公爵の父が暮らしているというアーデンの森へと向かう……。
音楽は、ケネス・ブラナー監督の「ヘンリー五世」「愛と死の間で」「から騒ぎ」「フランケンシュタイン」「ハムレット」「恋の骨折り損」も手がけているパトリック・ドイルで、彼はこの映画にアミエンス役で出演もしている。冒頭の「Kabuki
Attack」は、奇妙なタイトルの曲だが、舞台が日本になっているためアジア風の主題で、ヴァイオリン・ソロが美しい。後半はオーケストラによりダイナミックに盛り上がる。「Brothers
Fight」は、ドラマティックな曲。「Niece!」は、ジェントルなタッチ。「Too Late A Week」は、リリカルな曲。「The
Forest of Arden」は、牧歌的でジェントルな曲。「Roynish Clown」は、メランコリックなタッチ。「Under
The Greenwood Tree」と「Blow Blow」は、シェイクスピアの詞による、ややオリエンタルな味付けのジェントルな歌曲で、パトリック・ドイルがソフトな歌声を披露している。「Eat
No More」は、ダークなタッチ。「Trip Audrey」は、ややコミカルな曲。「Fake Wedding」は、リリカルなラヴテーマで、この主題は、後半の「Lion
Attack」「I Love Aliena」「Tomorrow」「Weddings」等で繰り返し登場する。「Celia & Oliver」は、ジェントルでリリカルな曲で、ヴァイオリン・ソロが美しい。「A
Lover & His Lass」は、コーラスとオーケストラによる明るく躍動的な曲で、ミュージカル映画のような感動がある。ラストの「Violin
Romance」も、ヴァイオリン・ソロをフィーチャーしたラヴテーマ。
(2007年9月)
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