(未公開)TUTTE LE DONNE DELLA MIA VITA

作曲・指揮:エンニオ・モリコーネ
Composed and Conducted by ENNIO MORRICONE

演奏:ローマ・シンフォニエッタ
Performed by Roma Sifonietta

(伊Atlantic / 5051442046120)


2007年製作のイタリア映画。監督は女優としての出演作もあるシモーナ・イッツォ。出演はルカ・ジンガレッティ、ヴァネッサ・インコントラーダ、ミケラ・チェスコン、リザ・ガストーニ、ロザリンダ・チェレンターノ、エレナ・ブーリュカ、リッキー・トニャッツィ、ジェーン・アレクサンダー、フランチェスコ・ベニーニョ、クラウディオ・ビガリ、マルコ・カタルド、エロス・ガルビアティ、バーバラ・マウティーノ、レネ・キャンガ・ムルング、グイド・リパンティ、アル・ヤマノウチ他。リッキー・トニャッツィの原案を基にシモーナ・イッツォ、グラツィアーノ・ディアーナとアレクサンドラ・ラ・カプリアが脚本を執筆。撮影はブラスコ・ジウラート。売れっ子シェフのダヴィッド(ジンガレッティ)は入院中の病院で、これまでの彼の生涯での女性たち――ジャーナリストのモニカ(インコントラーダ)、生物学者のステファニア(チェスコン)、美食家のイザベラ(チェレンターノ)――のことを思いめぐらす……。料理と恋愛をテーマにしたロマンティック・コメディ。

今年の11月で79歳になるエンニオ・モリコーネの新作。モリコーネは、この映画の原案を提供し、脇で出演もしているリッキー・トニャッツィが監督した「(未公開)CANONE INVERSO - MAKING LOVE」という2000年製作のイタリア映画のスコアを担当しており、この前作の脚本をシモーナ・イッツォが書いているので、そのつながりだろう。「Zucchero Filato」は、ややセンシュアルなタッチの軽快な主題。「Il Riccio」は、リリカルで美しい曲。「Red Jungle 25」は、「Zucchero Filato」の主題のバリエーション。「Tutte Le Donne Della Mia Vita」は、映画のタイトルと同じメインの主題だが、情感豊かでしっとりと美しいモリコーネ節。「Stromboli」は、ややメランコリックでダークなタッチ。「Oblo」は、明るく快活な曲。「Pizzicati E Altro」も、リリカルで美しい。「Se Telefonando」は、明るく大らかな女性ヴォーカル(クレジットなし)による曲で、この手のラヴコメ作品でのモリコーネらしいキャッチーな主題。この主題は「Camera Iperbarica」では、よりゆっくりとしたテンポで繰り返される。後半は「Red Jungle 25」「Zucchero Filato」「Tutte Le Donne Della Mia Vita」「Oblo」のリプライズ。短い内容だが、ファンの期待を裏切らないところはさすが。
(2007年9月)

Ennio Morricone

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