ベンジャミン・バトン 数奇な人生 THE CURIOUS CASE OF BENJAMIN BUTTON

作曲・指揮:アレクサンドル・デスプラ
Composed and Conducted by ALEXANDRE DESPLAT

(米Concord / CRE-31231-02)

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2008年製作のアメリカ映画。監督は「エイリアン3」(1992)「セブン」(1995)「ゲーム」(1997)「ファイト・クラブ」(1999)「パニック・ルーム」(2002)「ゾディアック」(2006)等のデヴィッド・フィンチャー。出演はブラッド・ピット、ケイト・ブランシェット、ティルダ・スウィントン、ジェイソン・フレミング、イライアス・コティーズ、ジュリア・オーモンド、エル・ファニング、タラジ・P・ヘンソン、フォーン・A・チェンバーズ、ジョーアンナ・セイラー、マハーシャラルハズバズ・アリ、ジャレッド・ハリス、デヴィッド・ジェンセン、テッド・マンソン、トム・エヴェレット他。F・スコット・フィッツジェラルドの短編小説を基にエリック・ロスとロビン・スウィコードが原案を作成し、エリック・ロスが脚本を執筆。撮影はクラウディオ・ミランダ。製作はキャスリーン・ケネディ、フランク・マーシャルとセアン・チャフィン。1918年のニューオーリンズ。80歳の老人と見まがうほど奇異な容貌をした男の子が産まれる。その赤ん坊は父親のトーマス(フレミング)によって老人養護施設に置き去りにされてしまうが、施設を営む黒人女性クイニー(ヘンソン)に拾われてベンジャミンと名付けられ、献身的に育てられる。彼は、成長するにつれて髪が増え、皺が減り、若返っていく。やがて少年期を迎えたベンジャミンは、施設入居者の孫娘で6歳の少女デイジーと出会う……。父親役のジェイソン・フレミングが好演している(若き日のヴィンセント・プライスそっくり)。主演のブラッド・ピットは老けメイクよりティーンエイジャーへの若返りメイクが見事。2008年度アカデミー賞の作品賞、監督賞、主演男優賞(ブラッド・ピット)、助演女優賞(タラジ・P・ヘンソン)、脚色賞、撮影賞、作曲賞、衣装デザイン賞、音響賞(調整)、編集賞にノミネートされ、美術賞、メイクアップ賞、視覚効果賞を受賞しているほか、ゴールデン・グローブの作品賞(ドラマ)、監督賞、男優賞(ドラマ)、脚本賞、音楽賞にノミネート、英国アカデミー賞の作品賞、監督賞、主演男優賞、脚色賞、作曲賞、撮影賞、衣装デザイン賞、編集賞にノミネートされ、同賞の美術賞、メイクアップ&ヘアー賞、特殊視覚効果賞を受賞している。

音楽は「ホステージ」(2005)「クィーン」(2006)「ファイヤーウォール」(2006)「マゴリアムおじさんの不思議なおもちゃ屋」(2007)「ラスト、コーション」(2007)「ライラの冒険 黄金の羅針盤」(2007)等のアレクサンドル・デスプラ「Postcards」は、ピアノとストリングスによるジェントルでややミステリアスなタッチの曲。続く「Mr. Gateau」も、ミステリアスな雰囲気のガトー氏(コティーズ)の主題。「Meeting Daisy」は、少女のデイジー(ファニング)との出会いを描写したジェントルでリリカルな曲。「A New Life」は、躍動的な曲。「Love in Murmansk」は、ジェントルなワルツ。「Meeting Again」は、ピアノとストリングスによるリリカルな主題。「Mr. Button」は、父親との再会を描写したミステリアスでサスペンスフルな曲。「"Little Man" Oti」は、ややコミカルなタッチ。「It Was Nice to Have Met You」「Sunrise on Lake Pontchartrain」「Daisy's Ballet Career」「Stay Out of My Life」「Nothing Lasts」「Growing Younger」「Love Returns」等も、ジェントルな曲。「Submarine Attack」「The Accident」は、サスペンス音楽。「Some Things You Never Forget」「Dying Away」は、メランコリックなタッチ。ラストの「Benjamin and Daisy」も、ジェントルな曲で締めくくる。全体に非常に抑制されたタッチのアンダースコア。上述の通りアレクサンドル・デスプラはこのスコアでアカデミー賞、ゴールデン・グローブ、英国アカデミー賞にノミネートされている。 このサントラCDは2枚組となっており、1枚目にスコア、2枚目に劇中の挿入曲と台詞の抜粋が収録されている。
(2009年2月)

Alexandre Desplat

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