シチリア!シチリア! BAARIA
作曲・指揮:エンニオ・モリコーネ 演奏:ローマ・シンフォニエッタ (伊RTI / 0201482IMA) |
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2009年製作のイタリア=フランス合作映画。監督・原案・脚本は「(未公開)“教授”と呼ばれた男」(1986)「ニュー・シネマ・パラダイス」(1989)「みんな元気」(1990)「夜ごとの夢/イタリア幻想譚」(1991)「記憶の扉」(1994)「明日を夢見て」(1995)「海の上のピアニスト」(1999)「マレーナ」(2000)「題名のない子守唄」(2006)等のジュゼッペ・トルナトーレ。出演はフランチェスコ・シアンナ、マルガレート・マデ、ラウル・ボーヴァ、ジョルジョ・ファレッティ、レオ・グロッタ、ニコーレ・グリマウド、ガブリエレ・ラヴィア、アンジェラ・モリーナ、エンリコ・ロ・ヴェルソ、ニノ・フラッシカ、アルド・バリオ、サルヴァトーレ・フィカーラ、ヴァレンティノ・ピコーネ、ミケーレ・プラチド、モニカ・ベルッチ他。撮影はエンリコ・ルチディ。2009年度ヴェネツィア映画祭でオープニング上映された作品。シチリアの小都市バーリア(トルナトーレ監督の故郷バゲーリアのシチリア方言による呼称)を舞台に、親子三世代の視線を通じて、ファシスト政権の1930年代から1960年代までに至る社会や政治の変遷を描いたドラマ。イタリアの有名俳優が多数カメオ出演している。2009年10月17日〜25日開催の第22回東京国際映画祭の「WORLD CINEMA」でも上映(10月18日、10月23日)。
音楽は、「(未公開)“教授”と呼ばれた男」(音楽はニコラ・ピオヴァーニ)以外の全てのジュゼッペ・トルナトーレ監督作品のスコアを手がけているエンニオ・モリコーネ。冒頭の「Sinfonia
per Baaria」は、情感豊かで美しいイントロから、エスニックなヴォーカルを加えたダークでメランコリックな主題やドラマティックな主題へとカラフルに展開していく11分に及ぶ曲。中盤に様々なイタリア語のモノローグが挿入されている。「Ribellione」は、いかにもモリコーネらしいミリタリスティックでストイックなマーチで、この曲は「La
visita」「Un fiscaletto」でも繰り返される。「Baaria」は、ジェントルで美しい主題。「Il corpo e
la terra」は、ややメランコリックで美しい主題。「Lo zoppo」は、ダイナミックで暴力的な曲。「Brindisi」は、やはり情感豊かで美しい“モリコーネ節”で、この主題は「Racconto
di una vita」でも繰り返される。「Un gioco sereno」は、ストイックな曲。「La terra」は、メランコリックなタッチ。「Verdiano」は、ドラマティックな曲。「Baaria」「Oltre」「Prima
e dopo」は、モリコーネ指揮のイタリア国家憲兵隊司令部軍楽隊(Banda Musicale dell'Arma dei Carabinieri)による演奏で、民族色が前面に出た曲。「I
mostri」は、ダークなタッチの曲。「L'allegro virtuoso di zampogna」は、民族舞踊風の曲。「A
passeggio nel corso」は、メランコリックな曲。最後の「Il vento, il mare, i silenzi」も、しっとりと美しい。
(2009年10月)
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