(未公開)殺しの季節 THE MEAN SEASON

作曲・指揮:ラロ・シフリン
Composed and Conducted by LALO SCHIFRIN

(米Intrada / Intrada Special Collection Volume 138)

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1985年製作のアメリカ映画(日本では劇場未公開でビデオ発売・テレビ放映済(放映時の邦題は「マイアミ殺人事件」)。監督は、オーストラリア出身で「グレイフォックス」(1983)「(未公開)クリスマスに届いた愛」(1985)「(未公開)黄土の英雄/軍医ベシューンの生涯」(1990)「(未公開)イエロードッグ」(1994)等のフィリップ・ボーソス。出演はカート・ラッセル、マリエル・ヘミングウェイ、リチャード・ジョーダン、リチャード・マズアー、リチャード・ブラッドフォード、ジョー・パントリアーノ、アンディ・ガルシア、ローズ・ポーティロ、ウィリアム・スミス、ジョン・パルマー、リー・サンドマン、ダン・フィッツジェラルド、シンシア・カケリン、フレッド・オーンスタイン、フリッツ・ブロナー他。「理由」(1995)「ジャスティス」(2002)等の原作で知られるジョン・カッツェンバックの小説『In the Heat of the Summer』を基にレオン・ピードモントが脚本を執筆。撮影はフランク・タイディ。マイアミの地方新聞『The Journal』の記者マルコム・アンダーソン(ラッセル)は、ガールフレンドのクリスティーン(ヘミングウェイ)と結婚して引退することを考えていた。殺人事件に関するマルコムの記事に感銘を受けた連続殺人犯アラン・デルアー(ジョーダン)は、自分が犯した殺人の詳細をマルコムにだけ伝えてくる。連続殺人のスクープを独占できることになったマルコムは、犯人との奇妙な共犯感情を持つようになるが、やがてマルコムの人気に嫉妬した犯人がクリスティーンの命を狙いはじめる……。

音楽はラロ・シフリンが担当(彼はこの時期に多数のTV映画や低予算映画のスコアを手がけている)。「Mean Season Main Title」は、チャック・フィンドレーによる高音のトランペット・ソロをフィーチャーしたサスペンスフルなメインタイトル。「The Timing Wasn't Right」「Your Name」は、ピアノをフィーチャーしたジェントルでリリカルな曲。「Press Room」は、ダイナミックでヒロイックな曲で、シフリンの「エアポート'80」(1979)の主題に似たタッチ。「The Fourth Call」は、ストリングスの不協和音が不気味なサスペンス音楽。「Old Movie Strings」は、ジェントルでロマンティックな曲。「Lobo Lounge」は、トランペットとエレキギターをフィーチャーしたラウンジ音楽。「We've Been Had」「Shower Curtain」「Number Four」「Someone Walking」等も、サスペンス音楽。「At the Top of the Bridge」「Here We Go」「Headline」は、シフリンらしいオーケストラによるダイナミックなサスペンス音楽で、さすがに巧い。「She'll Find Something」は、トランペットをフィーチャーした気だるいタッチ。「Fish House Fit」は、軽快な曲。「I Just Wish」「You Let Everything Slide」は、トランペット・ソロを加えたサスペンス音楽。「Everglades」「Alan」「Fighting in the Dark」は、シフリンが得意とするビジーなサスペンスアクション音楽。「Christine (End Credits)」も、トランペット・ソロをフィーチャーしたジェントルで都会的なエンドクレジット。後半はボーナス・トラックとして全33曲(約32分)の短いつなぎの曲や代替テイクを収録。シフリンらしいソリッドで職人芸的なサスペンス・スコア。1200枚限定プレス。
(2010年9月)

Lalo Schifrin

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