ザ・ディープ THE DEEP

作曲・指揮:ジョン・バリー
Composed and Conducted by JOHN BARRY

(米Intrada / Intrada Special Collection Volume 143)


1977年製作のアメリカ映画。監督は「大列車強盗団」(1967)「ブリット」(1968)「ジョンとメリー」(1969)「ホット・ロック」(1971)「ヤング・ゼネレーション」(1979)「目撃者」(1981)「ドレッサー」(1983)「容疑者」(1987)「(未公開)最高のルームメイト」(1994)「(TV)セパレート・ピース/友情の証」(2004)等のピーター・イエーツ。出演はロバート・ショー、ジャクリーン・ビセット、ニック・ノルティ、ルイス・ゴセット・Jr、イーライ・ウォラック、ディック・アンソニー・ウィリアムズ、アール・メイナード、ボブ・マイナー、テディ・タッカー、ロバート・テシアー、リー・マクレイン、ピーター・ベンチリー、コリン・ショー、ピーター・ウォラック他。「JAWS/ジョーズ」(1975)「アイランド」(1980)「(TV)ザ・ビースト/巨大イカの逆襲」(1996)「(TV)イン アマゾン」(1999)等のピーター・ベンチリーの原作を基にベンチリーとトレイシー・キーナン・ウィンが脚本を執筆。撮影は「戦艦デファイアント号の反乱」(1962)「素晴らしきヒコーキ野郎」(1965)「チキ・チキ・バン・バン」(1968)「シャーロック・ホームズの冒険」(1970)等の名手クリストファー・チャリス。フロリダ沖でダイビングを楽しんでいたゲイル(ビセット)とデヴィッド(ノルティ)の新婚カップルは、海底で沈没船を発見し、黄色い液体入りのアンプルとサンゴの付着した古いスペイン銀貨を持ち帰る。その夜、暗黒街のボス、クローシュ(ゴセット・Jr)が、そのアンプルを50ドルで買いたいと申し出てくる。不審に思った2人は、沈没船に詳しいローマー・トリース(ショー)という男を訪ね、沈没した貨物船ゴライアス号に1000万ドル相当の麻薬が積まれていたことを知る……。1977年度アカデミー賞の音響賞、同年の英国アカデミー賞の撮影賞にノミネートされている。

音楽はジョン・バリーが作曲しており、公開当時にCasablancaレーベルよりサントラLPがリリースされていたが、この米IntradaレーベルのCDは2枚組で、1枚目にはモノラル音源のコンプリート・スコア、2枚目には過去のLPの内容(ステレオ・リマスター)を収録。1枚目の冒頭の「First Discovery (Main Title)」は、ピアノとストリングスにより深海の雰囲気を見事に表現したメインタイトル。バリー節のミステリアスでセンシュアルな主題で、個人的に実に懐かしい。この主題は「More Discovery」「Soft Kisses; Dive Preparations」等でも登場する。「The Coin; The Vial; The Chase」は、ミステリアスなタッチから後半は“007”調のサスペンス音楽へ展開。「Your Ship Is Dead; Here You'll Need This; Second Dive; Eel Attack」は、ダークでメランコリックな主題からサスペンス調へ。「Voo Doo」「Trouble」「Kevin Dead; Goodbye Coffin」等も、ダークでサスペンスフルなタッチ。「Tower; Helpless」「Three Key Lock; All Yours」「Third Dive」「Shark Bait (Original Version); Coffin Discovers; Death Grip」等は、ミステリアスなタッチの曲。「After Explosion」は、メランコリックな曲。「Final Dive / Final Eel Attack; End Credits」は、サスペンス音楽からメインの主題のディスコ調のエンドクレジットへ。2枚目の冒頭の「Return to the Sea - 2033 A.D.」は、アルバム用にアンダースコア全体を24分の組曲にまとめた“A Ballet Based on the Score from the Motion Picture The Deep”。続く「Theme from The Deep (Down, Deep Inside)」は、ドナ・サマーの(文字通り)セクシーなヴォーカルによる主題歌。「Theme from The Deep」は、メインの主題のディスコ調アレンジメント。最後にドナ・サマーの、よりスローテンポなヴォーカルによる主題歌のバリエーション「Theme from The Deep (Down, Deep Inside)」を収録。ジョン・バリーの作品中でも長らくCD化されていなかったスコアだが、これが初CD化で3000枚限定プレス。
(2010年10月)

John Barry

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