2010年製作のフランス映画。製作・監督は「最後の戦い」(1983)「サブウェイ」(1984)「グラン・ブルー」(1988)「ニキータ」(1990)「アトランティス」(1991)「レオン」(1994)「フィフス・エレメント」(1997)「ジャンヌ・ダルク」(1999)「アンジェラ」(2005)「アーサーとミニモイの不思議な国」(2006)「アーサーと魔王マルタザールの逆襲」(2009)「アデル/ファラオと復活の秘薬」(2010)のリュック・ベッソン。ベッソン監督自身の原作小説を基にした「アーサーとミニモイの不思議な国」(2006)「アーサーと魔王マルタザールの逆襲」(2009)に続くシリーズ第3作で完結編。前作同様ライヴアクションとCGアニメの組み合わせで構成されており、ライヴ部分の出演はフレディ・ハイモア、ミア・ファロー、ロバート・スタントン、ペニー・バルフォア、マイク・パワーズ、ロン・クロフォード、クーパー・ダニエルズ、アンソニー・ヒックリング、リチャード・デイヴィス、ラファエル・バスクール=ゴーティエ、メンディ・ローラン他。CGアニメ部分の声の出演はセレナ・ゴメス(セレニア)、ジミー・ファロン(ベタメッシュ)、ルー・リード(マルタザール)、イギー・ポップ(ダルコス)他。フランス語版はミレーヌ・ファルメール(セレニア)、ジェラール・ダルモン(マルタザール)、カートマン(ベタメッシュ)、マルク・ラヴォワンヌ(ダルコス)、ジャック・フランツ他。脚本はリュック・ベッソンとセリーヌ・ガルシア。撮影はティエリー・アルボガスト。愛するセレニアに会うために、地下の国ミニモイに戻ったものの、小さな体のまま閉じ込められてしまったアーサー。一方、闇の帝王マルタザールは、まんまと地上に這い出し、念願の大きな体を手に入れた。恐るべき容貌を露わにし、いよいよ世界征服を開始する。崩壊の危機が訪れた人間界に、アーサーは戻ってくることができるのか……。
音楽は、シリーズ前2作と同様エリック・セラが作曲。例によって50曲の短い曲が途切れのない1つの組曲として構成されている。「The
Two Worlds Overture」は、ジェントルで躍動的なオープニングからサスペンスフルな主題へと展開する序曲。「Not a Good
Omen」は、コーラスとオーケストラによる幻想的な主題。「Adventure Is Waitng for Us」は、1作目でのストイックな主題。「Martin's
New Partner」「Family Morning Routine」「Visit of the Giant House」「Archi's New
Haircut」「Darkos at the Antique Shop」等は、コミカルなタッチの曲。「The Green
Devil」「Metamorphoz」「Masters of Disguise」「Archibald's Magic Potion」「Insidious
Flattery」「Forget Your Dreams of Greatness」等は、ダークなタッチ。「Bug Express」「The
Train Fight Part 1 & 2」「The Train Fight Part 3 & 4」「The Train Fight Part
5」「Don't Run Out on Me Now」「Seides at the Supermarket」「Moskifight in Daisy Town
Part 1」「Moskifight in Daisy Town Part 2」「Liberators」等は、ダイナミックなアクション音楽。「Volunteers
of Daisy Town」は、ストイックなマーチ。「Preference for Shady Places」は、幻想的な女声を織り込んだ抑制されたサスペンス音楽。「Dizzy
Riders」は、ヒロイックな曲。「Stranger in the House」「Crash of the Wooden Plane」は、サスペンス音楽。「Kindly
Step Aboard」は、明るく躍動的な曲。「Beta's Whistling Skills」「Air
Bumblebee」「Beebusters」「Message from the Bees」「Each to His Own World」等は、抑制されたサスペンス音楽。「I
Can't Wait for Sundays」は、幻想的でややメランコリックな曲。「Flight in a Wooden Plane」は、サスペンス調のイントロから1作目のヒロイックな主題へ。「Symposium
in the Hive」「Good Job」等は、ストイックな主題。「Riding the Wooden Horse」は、ロッシーニ作曲の「ウィリアム・テル」序曲の引用。「The
Dodge Is Back」は、1作目の躍動的な主題。「When George Met Darkos」は、若き日のジョージ・ルーカスがヘルメットをかぶったダルコスを見てダース・ベイダーの着想を得た、というベッソンによる「スター・ウォーズ」へのオマージュのシーンでのややコミカルな音楽。「Daddies
and Sons」は、ストイックな主題がコーラス入りで盛り上がる。ラストの「Sunday Family Dinner」は、1作目のジェントルな主題で締めくくる。オーソドックスなアドヴェンチャー・スコア。
(2010年12月)
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