2011年製作のフランス映画。監督は「悲しみのヴァイオリン」(1986)「罪深き天使たち」(1989)「インドシナ」(1992)「フランスの女」(1995)「イースト/ウェスト 遙かなる祖国」(2000)「(未公開)サイン・オブ・デス」(2007)等のレジス・ヴァルニエ。出演はラシーダ・ブラクニ、シリル・デスクール、クレマンティーヌ・セラリエ、スディーナ・バルド、ティエリー・ゴダール、グレゴリー・ガドゥボワ、ゴーティエ・トレゾール・マクンダ、アラジ・バ、ロマン・グーピル、グレゴワール・アクセルロッド、アレクサンドル・ガール、ユーセフ・ハジ他。脚本はレジス・ヴァルニエとエドウィン・クルーガー。撮影はローラン・ダイヤン。ベテランのアスリートだったレイラ(ブラクニ)は刑務所に5年服役した後に出所し、事故で視力を失ってしまった若き陸上競技選手ヤニック(デスクール)と出会う。レイラは大会を目指すヤニックを助けるため、自分の身体を紐でヤニックと結びつけて伴走するうちに、互いに理解を深めていく……。
音楽は、「インドシナ」「フランスの女」「イースト/ウェスト
遙かなる祖国」「(未公開)サイン・オブ・デス」でもレジス・ヴァルニエ監督と組んでいるイギリスの作曲家パトリック・ドイル。「Leila
Runs Free」は、ストリングスとピアノによるスリリングでストイックな主題。「Stadium Memories」「Training
Breakthrough」「Suspension Bridge」「Through the Tunnel」等は、ストイックかつドラマティックな曲。「The
Changing Room」は、抑制されたタッチのピアノ曲。「Seeing Her Son」「You Tricked Me!」「Yannick
Falls Overboard」等は、ドラマティックな曲。「Training Games」「Rescued」「Triple
Training」「The Race」等は、躍動的でスリリングな曲。「First Training」「The Other
Woman」「Running in the Sand」「Leila's Past」「Raising Hands Together」等は、メランコリックなタッチ。「Playing
Bridges」は、ジェントルでリリカルなピアノ曲。「Yannick and Leila」は、ジェントルかつドラマティックな主題から最後は静かに締めくくる。ストリングスとピアノを主体に、同じ主題のバリエーションにより全体を同一のトーンで貫いているスコアで、全編が1つの長い交響詩のような印象を受ける。
(2011年6月)
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