(TV)マネー・チェンジャース/銀行王国 THE MONEYCHANGERS

作曲・指揮:ヘンリー・マンシーニ
Composed and Conducted by HENRY MANCINI

(米Intrada / Intrada Special Collection Volume 172)

 ★TOWER.JPで購入


1976年製作のアメリカのテレビ・ミニシリーズ。監督は「モスキート爆撃隊」(1969)「地球最後の男 オメガマン」(1971)「(TV)刑事コロンボ/野望の果て」(1973)「(TV)ロジャー・ムーア/シャーロック・ホームズ・イン・ニューヨーク」(1976)「(TV)リッチマン・プアマン/青春の炎」(1977)「(TV)炎の砦マサダ」(1981)等のボリス・セイガル。出演はカーク・ダグラス、クリストファー・プラマー、アン・バクスター、ラルフ・ベラミー、ティモシー・ボトムズ、ジョーン・コリンズ、スーザン・フラナリー、ロバート・ロジア、マリサ・ペイヴァン、ジーン・ピータース、パーシー・ロドリゲス、ヘイデン・ローク、ジェームズ繁田、アン・ティヴェル、パトリック・オニール、ローン・グリーン、ヘレン・ヘイズ、リンカーン・キルパトリック、ウッドロー・パーフリー、スタン・ショウ、ヴァージニア・グレイ他。「ホテル」(1966)「大空港」(1970)「(TV)自動車」(1978)「(TV)ストロング・メディスン」(1986)「(TV)殺人課刑事」(2005)等のアーサー・ヘイリーの原作を基にディーン・リーズナーとスタンフォード・ホイットモアが脚本を執筆。撮影はジョセフ・F・バイロック。製作総指揮はロス・ハンターとジャック・メイプス。死期を迎えた大銀行の頭取の後継の座をめぐって激しく対立する2人の副頭取アレックス・ヴァンダーヴート(ダグラス)とロスコー・ヘイワード(プラマー)の駆け引きを中心に展開するドラマ。

音楽は「(TV)チャーリーズ・エンジェル/ぶどう園乗っ取り殺人事件」(1976)「(TV)探偵レミントン・スティール」(1982〜1987)「(TV)アーサー・ヘイリーのホテル」(1983)「(TV)ピーター・ガン」(1989)等、テレビ映画のスコアも多数手がけているベテランのヘンリー・マンシーニ(1924〜1994)が作曲。CD2枚組で、4部構成のテレビドラマの1、2部のスコアを1枚目、3、4部のスコアを2枚目に収録。CD1の冒頭の「Main Title」は、ダイナミックでヒロイックな刑事アクション風のメインタイトルで、都会的でエレガントなタッチがいかにもマンシーニらしい曲。「Son of Main Title」は、メインタイトルのバリエーション。「Bye Bye Roselli / Willing to Forget」「Celia / All About Celia」「Margot」「The Fireplace Ploy」「Avril's Theme (Guitar / Orchestra)」等は、ジェントルなタッチの曲。「Alex and the Hoods」「Missing Money」「Key Change Ad Music / Drummonburg, Here I Come」「The Snitch」等は、抑制されたサスペンス音楽。「Tall Building / Basta」「Lunch Money」等は、ややメランコリックな主題。「March of the Moneychangers」「Here Comes Mrs. Dorsey」は、躍動的でヒロイックなマーチ。「Wainwright Hates Easton」「Miles Behind」「Fire Bomb」は、ダイナミックなサスペンス音楽。「Karla (Once Is Not Enough)」「Avril's Theme No. 1」「Avril's Theme No. 2」等は、マンシーニらしいソフトなジャズ。CD2はメインの主題のバリエーション「Fade In」で始まり、ジェントルなストリングスとギターによる「Trick or Treat」へと続く。「Miles Returns」「Face to Face / Margot Loves Alex」「Good Things Take Time / Mucho Gusto Senor」等は、メランコリックなタッチの曲。「H.E.L.P. / Flamenco」は、ギターによるフラメンコ音楽。「Something for Miles」は、ライトなポップス。「The Deacon Speaks」は、アップビートなロック。後半は「Hang On」「Find Him」「Purchase Is Approved」「For Money / One Guess」「The Shootout」等、サスペンス音楽が続く。「Roscoe Takes a Cab」は、メインの主題のバリエーション。「The End」は、ジェントルなエンディング。最後はメインタイトルのリプライズによる「End Credits」で締めくくる。シリアスなタッチのサスペンス音楽と明るいジャズやポップ、ロック等がカラフルに展開するマンシーニらしいスコア。グレアム・ヤング(トランペット)、ディック・ナッシュとテリー・ウッドソン(トロンボーン)、ボブ・ベイン(ギター)、シェリー・マン(ドラムス)、アーティ・ケイン(ピアノ)等が演奏に参加している。
マンシーニはこのスコアのメインタイトルを自らアレンジして「Mancini's Angels」というコンピレーションLP用に録音しているが、このIntradaレーベルのCDはコンプリート・スコアのオリジナル音源による初CD化で1500枚限定プレス。
(2011年10月)

Henry Mancini

Soundtrack Reviewに戻る


Copyright (C) 2011  Hitoshi Sakagami.  All Rights Reserved.