ブラックホール THE BLACK HOLE

作曲・指揮:ジョン・バリー
Composed and Conducted by JOHN BARRY

(米Disney=Intrada / D001383402)

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1979年製作のアメリカ映画。監督は「(TV)権力と陰謀・大統領の密室」(1977)「キング・ソロモンの秘宝2/幻の黄金都市を求めて」(1986)「(TV)M&A/タイパンと呼ばれた男」(1988)「(TV)シドニー・シェルダン/時間の砂」(1992)「(TV)帰って来た鬼警部アイアンサイド」(1993)等のゲイリー・ネルソン。出演はマクシミリアン・シェル、アンソニー・パーキンス、ロバート・フォスター、ジョセフ・ボトムズ、イヴェット・ミミュー、アーネスト・ボーグナイン、トム・マクローリン、ロディ・マクドウォール、ゲイリー・ネルソン、スリム・ピッケンズ。ジェブ・ローズブルック、ボブ・バーバッシュとリチャード・H・ランドーの原案を基にジェブ・ローズブルックとゲリー・デイが脚本を執筆。撮影はフランク・V・フィリップス。特撮はピーター・エレンショー。2130年。デュラント博士(パーキンス)、ホランド船長(フォスター)、パイザー中尉(ボトムス)、マックレー博士(ミミュー)、ジャーナリストのハリー・ブース(ボーグナイン)らが乗ったNASA小型探索船パロミノ号が、20年前に行方不明になった人類最大の宇宙船USSシグナス号を発見、漂流するその宇宙船の彼方には巨大なブラックホールが拡がっていた。パロミノ号はシグナス号とのドッキングに成功し、シグナス号の生き残りであるラインハート博士(シェル)とロボットたち、そして異様なヒューマノイドたちに迎えられる。ラインハート博士はこの20年間、ブラックホールの通過を研究し続けてきたという……。マクドウォールとピッケンズがロボットの声を演じているが、なぜか映画ではクレジットされていない。1979年度アカデミー賞の撮影賞と視覚効果賞にノミネートされている。

音楽はジョン・バリー(1933〜2011)が作曲しており、これは彼の作品中でもCD化の要望が多かったスコアの1つ。「Overture」は、ヒロイックなマーチによる序曲で、この主題は「Laser」「Kate's O.K.」でも登場する。「Main Title」は、ブラックホールにずるずると引きずりこまれていくようなタッチのいかにもバリーらしいダークな主題によるメインタイトル。こういう曲はバリーにしか書けない。このメインの主題も「That's It」「Closer Look」「Zero Gravity」で繰り返される。「Cygnus Floating」「The Door Opens」は、ドラマティックなサスペンス音楽。「Six Robots」「Can You Speak?」「Poor Creatures」「Ready to Embark」は、ダークでメランコリックなタッチの曲。「Start the Countdown」「Durant Is Dead」「Hot and Heavy」「Meteorites」等も、ダークなサスペンス音楽。「Hotter and Heavier」は、ダイナミックなサスペンスアクション音楽。「Bob and V.I.N.C.E.N.T.」は、メランコリックでドラマティックな曲。「Into the Hole」は、ダイナミックなサスペンス音楽から最後は明るく壮大に盛り上がる。「End Title」は、メインの主題のリプライズによるエンドタイトル。最後にボーナストラックとしてメインタイトルのシンセ・バージョン「In, Through... And Beyond!」を収録。全篇を貫くダークで重苦しいタッチがいかにもバリーらしい。これは世界初のデジタル録音(1979年当時)によるサウンドトラックで、94人編成のオーケストラ、シンセサイザーと“ブラスタービーム”と呼ばれる特殊なパーカッションによる演奏。公開当時にリリースされたLPでは未発表だった20分以上の音楽を含むコンプリート・スコアの初CD化。
(2011年10月)

John Barry

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