ミッドウェイ MIDWAY

作曲・指揮:ジョン・ウィリアムス
Composed and Conducted by JOHN WILLIAMS

演奏:ハリウッド・スタジオ交響楽団
Performed by the Hollywood Studio Symphony

(米Varese Sarabande / VCL 1011 1124)

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1976年製作のアメリカ映画。監督は「動く標的」(1966)「いれずみの男」(1968)「(TV)刑事コロンボ/ホリスター将軍のコレクション」(1971)「(TV)真説フランケンシュタイン/北極に消えた怪奇人間!」(1973)「エアポート'75」(1974)「世界が燃えつきる日」(1977)等のジャック・スマイト。出演はチャールトン・ヘストン、ヘンリー・フォンダ、ジェームズ・コバーン、グレン・フォード、ハル・ホルブルック、三船敏郎、ロバート・ミッチャム、クリフ・ロバートソン、ロバート・ワグナー、ロバート・ウェッバー、エド・ネルソン、ジェームズ繁田、クリスティーナ・コクボ、クリストファー・ジョージ、ケヴィン・ドブソン、エドワード・アルバート、ノリユキ・パット・モリタ、ダブニー・コールマン、エリック・エストラーダ、クライド草津、トム・セレック、コンラッド・ヤマ、モンテ・マーカム、キップ・ニーヴェン、リチャード・ナリタ他。脚本はドナルド・S・サンフォード、撮影はハリー・ストラドリング・Jr。製作は「荒野の七人」(1960)「ハワイ」(1965)「夜の大捜査線」(1967)「大洋のかなたに」(1970)「スコルピオ」(1973)「ドラキュラ」(1979)等のウォルター・ミリッシュ。太平洋戦争中のミッドウェイ海戦をオールスター・キャストにより再現したアメリカ建国200年記念作品。真珠湾攻撃に成功した日本海軍連合艦隊は米軍空母の撃滅を目指しミッドウェイ攻略を計画。当初、計画に反対だった大本営も米軍による東京空襲を受け計画に賛同する。一方、日本軍の暗号解読によりその計画を知ったアメリカ太平洋艦隊司令長官チェスター・W・ニミッツ大将(フォンダ)は、山本五十六大将(三船)率いる日本海軍連合艦隊を前に圧倒的不利な状況の中、レイモンド・A・スプルアンス海軍少将(フォード)に空母エンタープライズとホーネットを擁する第16機動部隊の出撃を命令する……。劇中の爆発音等に呼応した低周波の音波により劇場内の空気を振動させる“センサラウンド”システムにより上映された作品(この方式は「大地震」(1974)「ジェット・ローラー・コースター」(1977)「宇宙空母ギャラクティカ」(1978)等でも使用された)。このセンサラウンドの適用や、監督のジャック・スマイト(「エアポート'75」)、主演のチャールトン・ヘストン(「エアポート'75」「大地震」)の起用により、戦争映画というよりも当時多作されていたディザスター映画的な印象が強い作品。日本でのテレビ放映時の日本語吹替キャストはチャールトン・ヘストン(納谷悟朗)、ヘンリー・フォンダ(柳生博)、ジェームズ・コバーン(小林清志)、グレン・フォード(田中信夫)、ハル・ホルブルック(千葉耕市)、ロバート・ミッチャム(内海賢二)、クリフ・ロバートソン(羽佐間道夫)、ロバート・ワグナー(城達也)、ロバート・ウェッバー(家弓家正)、ジェームズ繁田(穂積隆信)他だった。

音楽も、当時「ポセイドン・アドベンチャー」(1972)「大地震」(1974)「タワーリング・インフェルノ」(1974)等のディザスター映画を立て続けに手がけていたジョン・ウィリアムスが作曲。これは「JAWS/ジョーズ」(1975)以降の彼の作品中でこれまでフル・スコアのサントラ盤がリリースされていなかった唯一のスコア。「Prologue / Main Title」は、“空母ヨークタウン”の主題によるプロローグからミリタリスティックでダイナミックなメインタイトルへ展開。「Yamamoto's Choice」「Yamamoto's Second Meeting」「Canceling Operation K」は、抑制されたサスペンス音楽。「Signal Corps Con」「Strawberry 5」「Morning of The Battle」等も、サスペンス音楽。「Hiroshima Harbor」は、ヒロイックな主題。「Haruko's Dilemma」は、ドラマティックな曲。「By Order of Nimitz」「Missing the Flatlands」「Ensign Gay Afloat」「Good News for The Nimitz」等は、“空母ヨークタウン”の主題のバリエーション。「Scout 4」は、ビジーなサスペンス音楽。「Burning Carriers」は、ダイナミックかつドラマティックな曲。「Crash Landing」「Matt Takes Off / Matt's Crash / Red Parks Fighters / Attack Begins」は、“空母ヨークタウン”の主題を織り込んだドラマティックでダイナミックなサスペンスアクション音楽。「End Credits」は、“空母ヨークタウン”の主題のイントロからミッドウェイ・マーチへ展開するエンドクレジット。「The Men of the Yorktown March」は、荘厳でドラマティックな“空母ヨークタウン”のマーチで、「スター・ウォーズ」の「王座の間とエンド・タイトル」と並ぶウィリアム作曲のベスト・マーチの1つ。ラストの「Midway March」は、明るくヒロイックなメインのマーチで、ウィリアムがコンサート等でよく演奏した曲。

このスコアは、公開当時の1976年にアメリカと日本のMCAレーベルから「ミッドウェイのマーチ(Midway March)」「悲劇の空母ヨークタウン(The Men of the Yorktown March)」を収録したシングル盤レコード(MCA / VIM-1307)がリリースされており、この2曲は1993年に日本のMCAレーベルがリリースしたジョン・ウィリアムス映画音楽集CD「JOHN WILLIAMS FILM WORKS」(MCA / MVCM-419)にも収録されていた。また、米Varese Sarabandeレーベルが1998年にリック・ウェントワース指揮ロイヤル・スコティッシュ・ナショナル管弦楽団の演奏による新録音のフル・スコア盤(米Varese Sarabande / VSD-5940)をリリースしているが、今回同じVareseレーベルがリリースしたCDはサントラ音源によるフル・スコアの初リリースで、3000枚限定プレス。
(2011年11月)

John Williams

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