タンタンの冒険/ユニコーン号の秘密 THE ADVENTURES OF TINTIN: THE SECRET OF THE UNICORN 作曲・指揮:ジョン・ウィリアムス (米Sony /
88697975882) |
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2011年製作のアメリカ映画。監督はスティーヴン・スピルバーグで、 2008年の「インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカ ルの王国」以来の新作。声の出演はジェイミー・ベル、アンディ・サーキス、ダニエル・クレイグ、サイモン・ペッグ、ニック・フロスト他。ベ ルギーの作家エルジェに よる世界的人気コミックを基にスティーヴン・モファット、エドガー・ライトとジョー・コーニッシュが脚本を執筆。製作は「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズ(2001〜2003)「キ ング・コング」(2005)「ホビット 思いがけない冒険」(2012)「ホビット ゆきて帰りし物語」(2013)等の監督ピーター・ジャクソン、ス ティーヴン・スピルバーグとキャスリーン・ケネディ。相棒のスノーウィと世界中を駆け巡り、難事件に挑むレポーター、タンタン(ベル)。ある日彼は美しい 船の模型を手に入れるが、それは海賊レッド・ラッカムに襲撃され、海上で忽然と消えたとされる伝説の軍艦ユニコーン号だった。模型のマストに暗号が記され た羊皮紙の巻物を発見したタンタンは、謎の男サッカリン(クレイグ)に拉致され貨物船の船室に閉じ込められてしまう。そこでユニコーン号最後の船長アドッ ク卿の子孫、ハドック船長(サーキス)と出会ったタンタンは、サッカリンの執拗な追跡をかわしながらユニコーン号の謎を解き明かすべく奔走する……。3D パフォーマンス・キャプチャー技術によるCG映画だが、チェイス・シーンのアクション演出はいかにもスピルバーグらしいフランティックなタッチ。ハリウッ ド製エンターテインメント大作なのにヒロインが登場しないストーリーというのも珍しい。
音楽はここ数年スピルバーグ作品にほぼ特化してスコアを作曲している今年80歳のジョン・ウィリアムス。「The Adventures of Tintin」は、とぼけたタッチのイ
ントロからミステリアスで軽快なジャズベースのメインタイトルへ展開。「Snowy's
Theme」は、快活なタッチのスノーウィの主題。「The
Secret of the Scrolls」は、ミステリアスでサスペンスフル。「Introducing the Thompsons and Snowy's
Chase」「Capturing Mr. Silk」は、コミカルなタッチ。「Marlinspike Hall」「Sir Francis and the
Unicorn」「Captain Haddock Takes the Oars」「Red Rackham's Curse and the
Treasure」等は、サスペンス音楽。「Escape
from the Karaboudjan」「The Flight to Bagghar」「The Pursuit of the
Falcon」「The Clash of the Cranes」は、ビジーでダイナミックなアクション音楽。「The Milanese Nightingale」は、ジェントルなワル
ツ。「Presenting Bianca Castafiore」は、
ルネ・フレミングのソプラノをフィーチャーした劇中の歌曲。「The
Captain's Counsel」は、ジェントルなタッチ。「The
Return to Marlinspike Hall and Finale」は、快活なタッチからミステリアスな主題へ。「The Adventure Continues」は、躍動的な主題。アク
ション・シーンの複雑なスコアはさすがに巧いが、主題があまり印象に残らない。
(2012年1月)
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