(未公開)THE
WICKER TREE
作曲・指揮:ジョン・スコット (英Silva Screen / SILCD 1374) |
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2010年製作のイギリス映画。監督は「ウィッカーマン」(1973)「(未公開)霧のダブリン/殺しの透視図」(1986)等のロビン・ハーディ。出演はグレアム・マクタヴィッシュ、ジャクリーン・レオナード、ヘンリー・ギャレット、ハネイサックル・ウィークス、クライヴ・ラッセル、プルー・クラーク、レスリー・マッキー、デヴィッド・プリマー、クリストファー・リー、ブリタニア・ニコル、アストリッド・アザーディア、アレッサンドロ・コネッタ、キース・イースデイル、クリストファー・フォッシュ、ステュアート・グラスゴウ他。ロビン・ハーディの原作『Cowboys
for
Christ』を基にハーディ自身が脚本を執筆。撮影はジャン・ペスター。ロビン・ハーディが1973年に監督したホラー映画のカルト的傑作「ウィッカーマン(THE WICKER
MAN)」(脚本:アンソニー・シェイファー/出演:エドワード・ウッドワード、クリストファー・リー、ダイアン・シレント、ブリット・エクランド、イングリッド・ピット)の続編。テキサス出身のゴスペル歌手ベス・ブースビィ(ニコル)と、彼女のボーイフレンドでカウボーイのスティーヴ・トムソン(ギャレット)は、キリスト教の布教のためにスコットランドのトレソックに招かれ、そこの領主ラフラン・モリソン卿(マクタヴィッシュ)とその妻デリア(レオナード)に迎えられるが……。当初モリソン卿には「ウィッカーマン」でサマーアイル卿を演じたクリストファー・リーがキャストされていたが、リーが別の映画の撮影中に背中を傷めたため、別の役を演じる予定だったマクタヴィッシュに配役が変更された。妻のデリア役にはジョーン・コリンズがキャストされていたが、リーから若いマクタヴィッシュへの変更に合わせ、この役もレオナードに変更された。どうしてもリーに出演してほしかった監督のロビン・ハーディは、リーのためにラフランの師匠の役を新たに追加し、フラッシュバックでのカメオ出演を実現した。
音楽は「アントニーとクレオパトラ」(1972)「ファイナル・カウントダウン」(1980)「グレイストーク -類人猿の王者-
ターザンの伝説」(1984)「(未公開)燃える男」(1987)「影なき男」(1988)「兜」(1992)等のイギリスのベテラン作曲家ジョン・スコット(1930〜)が手がけており、これは久々の新作スコアのサントラ盤。「Sacrificial
Dance」は、ダークで不気味なイントロから重厚かつストイックで躍動的なメインの主題へと展開。このメインの主題は「Interesting」「Drive
to the Inn」「Preparing the May Queen」「The Laddie's Throne」「The
Sacrifice」等でも登場する。「Promises」は、マルコム・ヒリアー作詞による70年代風のリリカルな主題歌で、劇中でベスを演じるブリタニア・ニコルが歌っている。この主題も「Evangelists」「Lost
Ring」「Lolly in Love」「Beth and Steve」「Son of a Bitch Cowboy」「Butler and
Cat」等で何度も繰り返される。「Bonnie
Scotland」は、スコットらしいダイナミックでヒロイックなイントロから「Promises」の主題、サスペンス音楽へと展開。「May
Queen's Dress」は、ダークでドラマティックな曲。「The Raven」「Donkey」「Morning of
the Sacrifice」は、ミステリアスなタッチ。「Minerva of the
River」は、ドラマティックでストイックなタッチから、中盤で「Promises」の主題が壮大に盛り上がる。「Ancestral
Portrait」は、スコットらしいストイックなマーチ風の主題。「Hunt the
Laddie」
は、不吉な主題からヒロイックなファンファーレ、ダイナミックなサスペンス音楽、「Promises」の主題へとカラフルに展開する曲。「Arrival
at the Castle」は、ダイナミックで躍動的なサスペンス音楽。「Beth
Escapes」は、重厚なサスペンスアクション音楽。「Death of
Lachlan」は、ダークなマーチ調のメインの主題からダイナミックなアクション音楽へ。「Wicker Tree
Burns」「Take Me to Heaven」は、サスペンス音楽。「End
Credits」は、メインの主題によるエンドクレジットで、70年代犯罪アクション風。「Follow
Me」は、ブリタニア・ニコルのヴォーカルによる「Promises」の主題。ドラマティックでサスペンスフルなオーケストラル・スコアで、そのオーソドックスな手法が懐かしさを感じさせる。
このサントラCDは2枚組となっており、2枚目にはスコットランドの作曲家キース・イースデイルによる劇中の挿入歌が10曲収録されている。
(2012年7月)
John Scott
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