シャレード  CHARADE

作曲・指揮:ヘンリー・マンシーニ
Composed and Conducted by HENRY MANCINI

(米Intrada / Intrada MAF 7121)

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1963年製作のアメリカ映画。製作・監督は「踊る大紐育」(1949)「雨に唄えば」(1952)「掠奪された七人の花嫁」(1954)「パリの恋人」(1957)「アラベスク」(1966)「いつも2人で」(1967)「ラッキー・レディ」(1975)「スペース・サタン」(1980)等のスタンリー・ドーネン。出演はケイリー・グラント、オードリー・ヘプバーン、ウォルター・マッソー、ジェームズ・コバーン、ジョージ・ケネディ、ドミニク・ミノー、ネッド・グラス、ジャック・マラン、ポール・ボニファ、トマ・シェリムスキー、マルク・アリアン、クローディーヌ・ベルグ、マルセル・ベルニエ、ジョルジュ・ビリー、アルベール・ドーメルグ他。「蜃気楼」(1965)「アラベスク」(1966)「スイート・チャリティ」(1968)「サブウェイ・パニック」(1974)「(TV)他人の向う側/私の家に見知らぬもう一人の妻がいる」(1975)「料理長殿、ご用心」(1978)「理由」(1995)等のピーター・ストーンとマルク・ベームの原案を基にピーター・ストーンが脚本を執筆。撮影はチャールズ・ラング・Jr。ヘップバーンの衣裳はジヴァンシー、タイトルデザインはモーリス・バインダー。ミュージカル映画の名匠スタンリー・ドーネンが、ミステリの名手ピーター・ストーンの凝った脚本を得て製作した“ヒッチコック・タッチ”のロマンティック・サスペンスの傑作。スキー場からパリの自宅へ戻ったレジーナ・ランパート(ヘプバーン)を待っていたのは、離婚予定だった夫の死。葬儀の会場には見知らぬ3人の男、パンソロー(コバーン)、スコビー(ケネディ)、ギデオン(グラス)が現れ、アメリカ大使館ではCIA情報部長バーソロミュー(マッソー)から、戦時中に夫が軍資金25万ドルを横領していた事を聞かされる。五里霧中のレジーナは、スキー場で知り合ったピーター・ジョシュア(グラント)に助けを求めるが……。当時59歳だったグラントが自分の娘のような年齢のヘップバーンとロマンスを演じるのに抵抗していると知った脚本家のピーター・ストーンは、グラントがヘップバーンに恋するのではなく、ヘップバーンがグラントに恋してモーションをかける設定に変えて彼を納得させたという。オードリー・ヘプバーンが1964年度英国アカデミー賞の女優賞(国内)を受賞し、ケイリー・グラントが同賞の男優賞(国外)にノミネートされているほか、主題歌『シャレード』(作曲:ヘンリー・マンシーニ、作詞:ジョニー・マーサー)が1963年度アカデミー賞の歌曲賞にノミネートされている。「羊たちの沈黙」(1990)のジョナサン・デミ監督により2002年に「(未公開)シャレード(THE TRUTH ABOUT CHARLIE)」(出演:マーク・ウォールバーグ、サンディ・ニュートン、ティム・ロビンス/音楽:レイチェル・ポートマン)としてリメイクされているが、こちらは凡作だった。

音楽はヘンリー・マンシーニ(1924〜1994)で、これは彼の代表作の1つだが、これまでRCAレーベルから出ていたサントラ盤はマンシーニ自身の編曲による再録音盤だった。今回米Intradaレーベルがユニヴァーサル映画の100周年を記念してリリースしたCDはサウンドトラック音源の初リリースで、77分のコンプリート・スコアを収録。短いイントロ「Charade Logo」に続いて、ラテンパーカッションをベースにしたシンバロンの演奏による有名な主題曲「Main Title」へ展開。「Megeve」「Latin Snowfall」は、スキー場のシーンでのラウンジ風の曲。「Positive Identification」は、メランコリックでドラマティックな曲。「Empty Room」は、レジーナが自宅に戻って夫が殺されたことを知るシーンの曲で、メインの主題なトラジックなアレンジメント。「Bye Bye Charlie」も、メランコリックなタッチ。「Punch and Judy」は、明るく快活な曲。「Mambo Parisienne」「Orange Tamoure」「Bistro」「Street (Bistro #2)」は、劇中で流れるマンシーニらしいお洒落なイージーリスニングナンバー。「Mean Cat」は、メインの主題のメランコリックなバリエーション。「Confide in Me」「Don't Trust Him」「Fatherly Talk」「Poor Dead Herman」「Gideon Goes Down」等は、サスペンス音楽。「Hook Fight」は、屋上でピーターとスコビーが格闘するシーンのサスペンスアクション音楽。「Notre Dame and Drip-Dry Waltz」は、メインの主題から後半ジェントルなタッチへ。「Bateau Mouche」は、セーヌ川のバトームーシュ上でレジーナとピーターが食事をするシーンの曲で、フィドルとアコーディオンをフィーチャーしたパリ風のタッチ。「Charade」は、有名な主題歌。「Carousel Medly」は、メインの主題のメリーゴーラウンド風アレンジメント。「Stamps」「Metro Chase」「Son of Metro Chase」「Game Over」は、クライマックスのサスペンス音楽。「True Identity and Finale」は、メインの主題のリプライズによるフィナーレ。
(2012年8月)

Henry Mancini

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