麦の穂をゆらす風  THE WIND THAT SHAKES THE BARLEY

作曲・指揮:ジョージ・フェントン
Composed and Conducted by GEORGE FENTON

(Kronos Records / KRONCD012)

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2006年製作のアイルランド=イギリス=ドイツ=イタリア=スペイン=フランス=ベルギー=スイス合作映画。監督は「大地と自由」(1995)「カルラの歌」(1996)「マイ・ネーム・イズ・ジョー」(1998)「やさしくキスをして」(2004)「明日へのチケット」(2005)「この自由な世界で」(2007)「エリックを探して」(2009)「ルート・アイリッシュ」(2010)「天使の分け前」(2012)等のケン・ローチ。出演はキリアン・マーフィ、ポードリック・ディレーニー、リーアム・カニンガム、オーラ・フィッツジェラルド、メアリー・オリオーダン、メアリー・マーフィ、ローレンス・バリー、ダミアン・カーニー、フランク・ボーク、マイルス・ホーガン、マーティン・ルーシー、エイダン・オヘアー、シェーン・ケイシー、ロジャー・アラム他。脚本はポール・ラヴァーティ、撮影はバリー・アクロイド。アイルランド独立戦争から内戦に至る歴史の中で生まれた悲劇を描く人間ドラマ。1920年、長きにわたりイギリスの支配を受け、独立の気運が高まるアイルランド。南部の町コークでは、医師を志しロンドンの病院での仕事が決まっていた青年デミアン(マーフィ)が、その道を捨てて兄テディ(ディレーニー)と共に武器を取り、アイルランド独立を目指す戦いに身を投じる。激しい戦闘の末にイギリスとアイルランドの間で講和条約が締結されたが、完全な独立からは程遠いその内容に、条約への評価を巡ってアイルランド人同士の間に賛成派と反対派の対立が生まれる。それは内戦へと発展し、反対派のデミアンも兄のテディと敵味方に分かれて戦うことになる……。2006年度カンヌ国際映画祭のパルム・ドールを受賞するとともに、同年のヨーロッパ映画賞の作品賞、監督賞、脚本賞にノミネートされ撮影賞を受賞している。

音楽はケン・ローチ監督作品の常連作曲家ジョージ・フェントン「Damien Writes to Sinead」は、陰鬱で寂寥感に満ちた曲。「Lads Walk to Farm」「Damien in Cell with Dan」「Chris Executed」「Damien & Sinead in the Wood」等は、静かに荘厳な曲。「Michael's Death - Part I」等は、ダークなタッチ。「Training - Part I」「Attack on the Barracks - Part I」「Dawn Raid」「Dan Is Shot」「Teddy Gives Order to Fire」等は、抑制されたサスペンス音楽。「Training - Part II」「Steady Boy's Fag Box」等は、パーカッションを加えた静かな曲。「British Attack Street」「Ambush」は、ダイナミックでミリタリスティックなサスペンス音楽。「Gogan Releases Lads」「Training - Sick Child」は、ダイナミックで躍動的な曲。「Chris Arrested」「Damien Walks Away from Teddy」「The Wind That Shakes the Barley」は、静かにドラマティックな曲。「Sinead and Damien Kiss」は、ピアノとストリングスによるジェントルな曲。「Attack on Free Staters」は、サスペンス調から後半アクション音楽へ。「Closing Titles」は、男声コーラスによるイントロから躍動的でストイックなエンドタイトルへ展開し、締めくくる。映画の内容にふさわしい悲劇性に満ちたシリアスなスコア。
このスコアの初CD化で500枚限定プレス。
(2012年12月)

George Fenton

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