リンカーン  LINCOLN

作曲・指揮:ジョン・ウィリアムス
Composed and Conducted by JOHN WILLIAMS

(米Sony Classical / 88725446852)

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2012年製作のアメリカ映画(日本公開は2013年4月19日)。製作・監督はスティーヴン・スピルバーグ。出演はダニエル・デイ=ルイス、サリー・フィールド、デヴィッド・ストラザーン、ジョセフ・ゴードン=レヴィット、ジェームズ・スペイダー、ハル・ホルブルック、トミー・リー・ジョーンズ、ジョン・ホークス、ジャッキー・アール・ヘイリー、ブルース・マッギル、ティム・ブレイク・ネルソン、ジョセフ・クロス、ジャレッド・ハリス、リー・ペイス、ルーカス・ハース他。ドリス・カーンズ・グッドウィンの原作『リンカン(Team of Rivals: The Political Genius of Abraham Lincoln)』を基にトニー・クシュナーが脚本を執筆。撮影はヤヌス・カミンスキー。アメリカ合衆国第16代大統領エイブラハム・リンカーン(1809〜1865)の真実を描く伝記ドラマ。貧しい家に生まれ、殆ど学校にも通えないという少年時代を送りながら、努力と独学で身を立て、ついに合衆国大統領となったリンカーン(デイ=ルイス)。その大きな栄光と裏腹に、彼の大統領としての職務は苦難の内に始まる。奴隷制の存続を訴える南部の州が合衆国を脱退し、南北戦争が勃発。国家が分断され変革の強い風が吹く中、「すべての人間は自由であるべき」と信じるリンカーンは、〈人間の尊厳〉と〈戦争の終結〉の狭間に立たされる……。製作期間中、スピルバーグ監督は(デイ=ルイスが完全に成りきった)大統領と対面するという意識から敬意を表すため常にスーツ着用で撮影臨んだという。2012年度アカデミー賞の作品賞、主演男優賞(ダニエル・デイ=ルイス)、助演男優賞(トミー・リー・ジョーンズ)、助演女優賞(サリー・フィールド)、監督賞、脚色賞、撮影賞、作曲賞、美術賞、衣装デザイン賞、音響賞(調整)、編集賞にノミネートされているほか、同年のゴールデン・グローブの作品賞(ドラマ)、助演男優賞、助演女優賞、監督賞、脚本賞、音楽賞にノミネートされ男優賞(ドラマ)を受賞、同年の全米批評家協会賞の主演男優賞、脚本賞を受賞、同年のNY批評家協会賞の男優賞、助演女優賞、脚本賞を受賞している。

音楽はジョン・ウィリアムス「The People's House」は、牧歌的なイントロから大らかで荘厳なメインの主題へ展開。「The Purpose of the Amendment」は、静かにジェントルな曲。「Getting Out the Vote」は、快活なアメリカーナ音楽。「The American Process」は、静かに素朴なタッチの曲。「The Blue and Grey」は、ピアノによる美しくストックな主題から後半は抑制されたタッチへ。「“With Malice Toward None”」は、牧歌的で美しい主題。「Call to Muster and Battle Cry of Freedom」は、男声ヴォーカルをフィーチャーしたミリタリスティックなマーチ。「The Southern Delegation and the Dream」は、静かにストイックな曲。「Father and Son」は、抑制されたタッチ。「The Race to the House」は、フィドルとバンジョーによる快活な曲。「Equality Under the Law」は、静かにジェントルな主題から後半大らかに盛り上がる。「Freedom's Call」は、美しいヴァイオリン・ソロによるジェントルでドラマティックな曲。「Elegy」は、荘厳なタッチ。「Remembering Willie」は、ストイックなピアノ曲。「Appomattox, April 9, 1865」は、幻想的なコーラスを加えたトラジックな曲。「The Peterson House and Finale」は、荘厳でドラマティックな曲。「“With Malice Toward None”」は、素朴でジェントルなピアノ曲。格調高いアメリカーナで、ウィリアムスはこの題材にはまさに理想的な作曲家だろう。
(2013年1月)

John Williams

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