(未公開)レタッチ 裸の微笑 UNCOVERED
作曲:フィリップ・サルド
Composed by
PHILIPPE SARDE
指揮:ハリー・ラビノウィッツ
Conducted by HARRY RABINOWITZ
(スペインQuartet Records / SCE052)
1994年製作のイギリス=スペイン=フランス合作映画(日本では劇場未公開でビデオ発売済)。監督は「ブレスレス」(1983)「(未公開)ビッグ・イージー」(1986)「グレート・ボールズ・オブ・ファイヤー」(1989)「愛の拘束」(1993)「(TV)シックス・フィート・アンダー」(2001)等のジム・マクブライド。出演はケイト・ベッキンセイル、ジョン・ウッド、シニード・キューザック、ポージ・ベーハン、ピーター・ウィングフィールド、ヘレン・マックロリー、マイケル・ゴーフ、アート・マリック、アンソニー・ミルナー、ジェームズ・ヴィリアーズ、エドマンド・モリアーティ、ハリエット・ホーン、ジャン・ミュン、ジュリアン・マルティネス、イザベル・ファン・ウネン他。アルトゥーロ・ペレス=レヴェルテの原作『La Tabla De
Flandes』を基にマイケル・ハースト、ジム・マクブライドとジャック・バランが脚本を執筆。撮影はアフォンソ・ビアト。男女がチェスをしている500年前の絵画の修復をしていた美大生のジュリア(ベッキンセイル/長編デビュー作)は、絵画の中に「誰が騎士を殺したか」という文字が書かれていることに気づく。その絵画の所有者であるドン・マニュエル(ゴーフ)によると、先祖の1人が殺されており、その絵画が殺人者を暴く手がかりかもしれないという。ジュリアの友人が殺されてしまい、彼女はチェスの天才であるドメネク(ベーハン)に絵画に描かれたチェス・ゲームの解析を依頼する……。
音楽はフランスの作曲家フィリップ・サルド。トマ・ブロッシュ演奏のアルモニカ(Glass
Harmonica)とクリスタル・バシェ(Cristal
Bachet)、フィリップ・フーロン演奏のヴィオラ・ダ・ガンバ(Viole de
Gambe)といった珍しい楽器と、モーリス・マーフィのトランペット、ヒューバート・ロウズのフルート、スタン・サズマンのソプラノ・サックスをフィーチャーしたスコア。「Quis
Necativ Equitem」は、メランコリックなイントロからサルドらしい美しくリリカルな主題へ展開。「The Chess
Game」は、軽快でリズミックなタッチから後半サスペンス音楽へ。「Julia」は、サックスとフルートをフィーチャーした明るく快活なジュリアの主題。「Barcelona」「Domenec」「Encouter
at Park Guell」「Cesar」「Qui La Tue Le
Chavalier?」「Ostembourgh」は、明るくジェントルな曲。「The Hidden
Inscription」は、不気味なサスペンス音楽。「Obsessions」は、パーカッシヴでミステリアスなタッチ。「Don
Manuel」は、メランコリックな曲。「A Mistery of 500 Years Ago」「Alvaro's
Death」「Uncovered」「Night Walk」は、サスペンスフルかつミステリアスな曲。「Who Kill the
Knight?」は、リリカルなフルートをフィーチャーしたドラマティックな曲。「Suspicions」は、抑制されたサスペンス音楽。「The
Black Queen」は、躍動的でスリリングな曲。「Beatrix de
Burgundy」は、ビジーなサスペンス音楽。「End
Titles」は、リズミックで軽快なエンドタイトル。楽器の使い方がサルドらしいカラフルなスコア。コンプリート・スコアの初リリースでサルド自身がアルバムを編集。
(2013年3月)
Philippe Sarde
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