鑑定士と顔のない依頼人  LA MIGLIORE OFFERTA

作曲・指揮:エンニオ・モリコーネ
Composed and Conducted by ENNIO MORRICONE

演奏:ローマ・シンフォニエッタ管弦楽団、チェコ国立交響楽団
Perfomed by Roma Sinfonietta Orchestra, Czech National Symphony Orchestra

(伊Warner Brothers / 2564 64755-3)

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2013年製作のイタリア映画(英語題名は「THE BEST OFFER」/第26回東京国際映画祭で特別招待作品として上映。日本公開は2013年12月)。監督・脚本は「ニュー・シネマ・パラダイス」(1989)「みんな元気」(1990)「夜ごとの夢/イタリア幻想譚」(1991)「記憶の扉」(1994)「明日を夢見て」(1995)「海の上のピアニスト」(1999)「マレーナ」(2000)「題名のない子守唄」(2006)「シチリア!シチリア!」(2009)等のジュゼッペ・トルナトーレ。出演はジェフリー・ラッシュ、ジム・スタージェス、シルヴィア・ホークス、ドナルド・サザーランド、フィリップ・ジャクソン、ダーモット・クロウリー、リヤ・ケビード、マイルズ・リチャードソン、キルーナ・スタメル、リン・スワンソン、ケイティ・マクガヴァーン、シルヴィア・デ・ファンティ、ブリジット・クリステンセン、マクシミリアン・ディール、ジェリー・シャナハン他。撮影はファビオ・ザマリオン。人間嫌いの孤独な古物商ヴァージル・オールドマン(ラッシュ)は、63歳の誕生日にクレア(ホークス)という若い女性から電話を受け、絵画の処分を依頼される。ヴァージルは約束の時間に鑑定に訪れるが、クレアは現れず、その後の修復作業時等にも立ち会わない。ヴァージルは唯一の友人である若い修復師ロバート(スタージェス)の助けを借りて、謎めいたクレアの心を掴もうとするが……。

音楽はジュゼッペ・トルナトーレ監督作品の常連作曲家であるエンニオ・モリコーネマルコ・セリーノのヴァイオリン、ルカ・ピンチーノのチェロ、アレクサンダー・ゾルタンのアルモニカ(Glass Harmonica)をフィーチャーした演奏。「La migliore offerta」は、ゆったりとした優雅で美しいストリングスによるメインの主題。「Volti e fantasmi」「A quattro voci」「Volti e fantasmi」は、モリコーネ作品のヴォーカルで有名なエッダ・デロルソに加え、アンナ・デ・マルティーニ、ロベルタ・フリギ、パオラ・ロンケッティ、ラファエラ・シニスカルキの5人の女性歌手によるヴォカリーズをフィーチャーした繊細でメランコリックなタッチの曲。「Un violino」は、躍動的なストリングスによる曲。「Nevrosi fobica」「Sguardi furtivi」「Cercarla e non trovarla」「Il vuoto dentro」「Inspiegabile」は、抑制されたサスペンス音楽。「Cavea」は、静かにジェントルな曲。「Alla villa」「Perduta」は、ミステリアスなタッチ。「Un cancello」は、ドラマティックなサスペンス音楽。「Le vuote stanze」は、スリリングなヴァイオリン・ソロを織り込んだサスペンス音楽。「Pareti bianche」は、メランコリックでドラマティックな曲。「Ritratti d'autore」「Senza voce」は、美しく繊細なストリングスによる曲。「La migliore offerta」は、メインの主題のリプライズ。巨匠による上質で芳醇なスコア。
(2013年3月)

Ennio Morricone

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