脱走特急 VON RYAN'S EXPRESS
刑事
THE
DETECTIVE
作曲・指揮：ジェリー・ゴールドスミス
Composed and
Conducted by JERRY GOLDSMITH
（米Intrada / Intrada Special Collection Vol.232）
フランク・シナトラ（1915〜1998）が主演した映画にジェリー・ゴールドスミス（1930〜2004）がスコアを作曲した2作品をカップリングにしたCD。
「脱走特急（VON RYAN'S
EXPRESS）」は、1965年製作のアメリカ映画。製作・監督は「チャンピオン」(1949)「トコリの橋」(1954)「逆転」(1963)「暗殺5時12分」(1963)「大地震」(1974)「アバランチエクスプレス」(1979)等のマーク・ロブソン（1913〜1978）。出演はフランク・シナトラ、トレヴァー・ハワード、ラファエラ・カラ、ブラッド・デクスター、セルジオ・ファントーニ、ジョン・レイトン、エドワード・マルヘア、ウォルフガング・プライス、ジェームズ・ブローリン、ジョン・ヴァン・ドリーレン、アドルフォ・チェリ、ヴィトー・スコッティ、リチャード・バカリアン、マイケル・グッドリーフ、マイケル・セント・クレア他。デヴィッド・ウエストハイマーの原作「フォン・ライアン特急」を基にウェンデル・メイズとジョセフ・ランドンが脚本を執筆。撮影はウィリアム・H・ダニエルズ。1940年、イタリア中部にある第202捕虜収容所に米空軍大佐ジョセフ・ライアン（シナトラ）が捕虜としてやって来る。700名の捕虜の大多数はイギリス兵で、中でも古参のエリック・フィンチャム少佐（ハワード）は、何度も脱走を企てては失敗していた。イタリアが連合軍に降伏し、捕虜たちはオーストリアのインスブルックへ送られることになる。ライアン大佐は捕虜を乗せた列車が出発すると輸送指揮官のフォン・クレメント少佐（プライス）を捕らえ、列車の乗っ取りに成功するが……。
ジェリー・ゴールドスミスのスコアは「Meet Von
Ryan」が、ミリタリスティックでダイナミックな短いイントロダクション。「Entrance to Compound」「Ryan
Walks Forward」「Ambushed」「The Love Birds」「Mission Accomplished」「The Clock
Watcher」「Dead End Part 1」「Dead End Part 2」「German Control
Center」等は、サスペンス音楽。「Fire
Sale」は、ヒロイックかつコミカルなメインのマーチの主題。「The Trek
Begins」「Boxcar」は、メインの主題のバリエーション。「Hiding」は、抑制されたタッチ。「Welcome
to Rome」「Farewell to Rome」は、ミリタリスティックなサスペンス音楽。「End
Titles」は、メインの主題のリプライズによるエンドタイトル。
「刑事（THE DETECTIVE）」は、1968年製作のアメリカ映画。監督は「放射能X」(1954)「リオ・コンチョス」(1964)「駅馬車」(1965)「電撃フリント・アタック作戦」(1967)「トニー・ローム／殺しの追跡」(1967)「セメントの女」(1968)「続・夜の大捜査線」(1970)等のゴードン・ダグラス（1907〜1993）。出演はフランク・シナトラ、リー・レミック、ラルフ・ミーカー、ジャック・クラグマン、ホレイス・マクマホン、ロイド・ボックナー、ウィリアム・ウィンダム、トニー・ムサンテ、アル・フリーマン・Jr、ロバート・デュヴァル、パット・ヘンリー、パトリック・マクヴェイ、ディクシー・マーキス、トム・アトキンス、ジャクリーン・ビセット他。「ダイ・ハード」(1988)等のロデリック・ソープの原作を基にアビー・マンが脚本を執筆。撮影はジョセフ・F・バイロック。ジョー・リーランド刑事（シナトラ）は、ゲイの男が殺害された事件の有力な容疑者フェリックス（ムサンテ）を逮捕し、犯行を自供させた。彼はその功績を認められ警部に昇格するが、私生活では病的な色情狂の妻カレン（レミック）に悩まされていた。フェリックスは処刑されたが、コリン・マッキヴァー（ウィンダム）という会計士が競馬場のスタンドから飛び降り自殺をする事件が発生。マッキヴァーの妻ノーマ（ビセット）は夫の死が他殺だと主張し、リーランドに捜査を依頼するが……。
ジェリー・ゴールドスミスのスコアは、「The Detective Main
Title」が気だるいトランペット・ソロをフィーチャーしたクールなジャズによるメインタイトル。このメインの主題が「A New
Love」「A Family Affair」「Karen's Story」「Night
Talk」と、様々なアレンジメントで何度も登場。「Joe」「The Safe
Cracker」は、抑制されたサスペンス音楽。「The School Dance」「The Ball
Game」は、幻想的でミステリアスな曲。「Beach
Scene」は、サスペンスアクション音楽。「McIver's
Story」は、サスペンス調のジャズ。「Joe's
Decision」は、メインの主題のリプライズ。
この「脱走特急」と「刑事」のスコアは、過去に米Varese
SarabandeレーベルがリリースしたCD6枚組のコンピレーション「Jerry Goldsmith at 20th Century
Fox」に各々8曲と12曲が収録されていたが、この米IntradaレーベルのCDはコンプリート・スコアの初リリースで、限定プレス。
（2013年6月）
Jerry Goldsmith
Soundtrack Reviewに戻る
Copyright (C) 2013 Hitoshi Sakagami. All Rights Reserved.