奇跡のリンゴ  KISEKI NO RINGO

作曲・指揮:久石 譲
Composed and Conducted by JOE HISAISHI

演奏:東京シティ・オーケストラ
Performed by Tokyo City Orchestra

(ユニバーサル シグマ / UMCK-1449)

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2013年製作の日本映画。監督は「アヒルと鴨のコインロッカー」(2006)「チーム・バチスタの栄光」(2008)「ジェネラル・ルージュの凱旋」(2009)「フィッシュストーリー」(2009)「ゴールデンスランバー」(2009)「映画 怪物くん」(2011)「みなさん、さようなら」(2012)等の中村義洋。出演は阿部サダヲ、菅野美穂、池内博之、笹野高史、伊武雅刀、畠山 紬、渡邉空美、小泉颯野、原田美枝子、山崎 努、他。石川拓治の原作『奇跡のリンゴ「絶対不可能」を覆した農家・木村秋則の記録』を基に吉田実似と中村義洋が脚本を執筆。撮影は伊藤俊介。無農薬リンゴの栽培に成功し、“奇跡のリンゴ”として大きな話題を集めた青森のリンゴ農家、木村秋則氏の実話を、家族と夫婦の絆を軸に描いたドラマ。1970年代、青森県弘前市。サラリーマンを辞め、リンゴ農家の一人娘、木村美栄子(菅野)と結婚して木村家に婿入りした秋則(阿部)。リンゴ栽培に汗を流す秋則だったが、やがて美栄子の体調に異変が生じる。年に十数回も散布する農薬が彼女の身体を蝕んでいたのだ。そこで秋則は、愛する妻のために無農薬によるリンゴ栽培を決意する。しかしそれは、絶対に不可能な栽培方法と言われていた。案の定、何度も失敗を重ね、借金ばかりが膨らんでいく。次第に周囲の農家からも孤立し、妻や3人の娘たちにも苦労のかけ通しで、終わりの見えない無謀な挑戦に心が折れかける秋則だったが……。

音楽は、宮崎 駿監督や北野 武監督作品のスコアで知られる久石 譲「奇跡のリンゴ」は、 大らかなトランペット・ソロによるイントロから躍動的な舞踏音楽風の素朴で美しい主題へと展開するメインタイトル。このメインの主題は「津軽の風物詩」「答えへの入口」「挑戦の再開」「ありがとうの言葉」等で繰り返し登場する。「運命の始まり」は、マンドリンや口琴(Jew's Harp)をフィーチャーした明るいマーチ調の主題で、この親しみやすい主題も「東京の空」「挑戦の始まり」「挑戦の決意」「挑戦の日々」「挑戦の続き」等で繰り返される。「母親の言葉」「幸福の訪れ」「三等分の想い」は、静かにジェントルな曲。「祝言の夜」は、ピアノとストリングスによるジェントルでドラマティックな主題で、この感動的な主題は「約束の光」「薄暮の背中」「人間の証」でも登場。「安全の代償」「試練の訪れ」「悪夢」「現実の地獄」は、ダークでストイックなタッチの曲。「ラバウルの記憶」「暗闇の出口」は、静かにサスペンスフルなタッチ。「雛子倒れる」は、躍動的なサスペンス音楽。「困窮の果て」「小さな希望」は、静かにドラマティックな曲。ラストの「リンゴの軌跡」は、ピアノ・ソロによる「祝言の夜」の主題、「運命の始まり」の主題からメインの主題へと展開し、締めくくる。ピアノは久石 譲、マンドリンは青山 忠、ギターとウクレレは松宮幹彦、口琴(Jew's Harp)は梯 郁夫が演奏。
(2013年6月)

久石 譲

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