モール・フランダースの愛の冒険  THE AMOROUS ADVENTURES OF MOLL FLANDERS

作曲・指揮:ジョン・アディスン
Composed and Conducted by JOHN ADDISON

演奏:シンフォニア・オブ・ロンドン管弦楽団
Performed by the Sinfonia of London

(スペインQuartet Records / SCE063)

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1965年製作のイギリス映画。監督は「007/ドクター・ノオ」(1962)「007/ロシアより愛をこめて」(1963)「007/サンダーボール作戦」(1965)「トリプルクロス」(1966)「夜の訪問者」(1970)「レッド・サン」(1971)「バラキ」(1972)等のテレンス・ヤング(1915〜1994)。出演はキム・ノヴァク、クレア・アフランド、リチャード・ジョンソン、アンジェラ・ランズベリー、レオ・マッカーン、ヴィットリオ・デ・シーカ、ジョージ・サンダース、リリー・パルマー、ピーター・バターワース、ノエル・ハウレット、ダンディ・ニコルス、セシル・パーカー、デレン・ネスビット、アンソニー・ドーソン、ヒュー・グリフィス他。ダニエル・デフォー原作『モル・フランダース』を基にデニス・キャナンとローランド・カイビーが脚本を執筆。撮影はテッド・ムーア。18世紀のイギリス。封建社会に翻弄されつつも様々な男性と恋を重ね、ついには幸福をつかんだ私生児のモール・フランダース(ノヴァック)の物語。17歳のモールは市長の家で召使いをしていたが、ある日湖で水を浴びている時にジェミー(ジョンソン)とその相棒の2人組の追いはぎに襲われる。市長の次男(ネスビット)に助けられたモールは、その次男と結婚するが、彼は深酒がたたってあっけなく死んでしまった。一文なしの若後家モールは、レディ・ブライストーン(ランズベリー)の小間使いになるが……。テレンス・ヤングが「ロシアより愛をこめて」と「サンダーボール作戦」の間に監督した作品で、007シリーズの常連であるバーナード・リー(M)とデズモンド・リューウェリン(Q)がクレジットなしで出演している。

音楽は「トム・ジョーンズの華麗な冒険」(1963)でアカデミー賞の作曲賞を受賞したイギリスの作曲家ジョン・アディスン(1920〜1998)が手がけており、「トム・ジョーンズ」のタッチを継承した陽気でダイナミックなオーケストラル・スコアを展開。「Main Title」は、様々なタッチの短いフレーズが軽快かつカラフルに登場するイントロから、マーチ調の快活なメインの主題へと展開するメインタイトル。このメインの主題は「Moll Grows Up」「Dry-Eyed Widow / The Lecherous Banker」「Lovely as She (Moll Flander's Theme)」「Night of Love / Lover's Farewell」等で様々なアレンジメントにより登場する。「Never Marry a Fool」は、明るく躍動的でコミカルな曲。「London Scene」は、ジェントルな主題、ヒロイックなファンファーレからメインの主題へと展開。「The Amorous Count / When the Cat's Away / The Wages of Sin / Polite Society」は、マンドリンによるリリカルな主題からメインの主題、サスペンス調やコミカルなタッチ等カラフルに展開。「Trouble at the Tavern / Safe and Sound / The Count Returns」は、スラプスティックなアクション音楽から、ジェントルな主題、サスペンス調の主題に。「Rustic Revels」は、快活な宮廷音楽調の曲。「Storm at the Docks / Vauxhall Dance」は、スワッシュバックリングなアクション音楽から、後半明るく快活な主題へ。「Catch a Highwayman if You Can」「Caught in the Act / Vice Repented」は、スラプスティックなアクション音楽。「Bad Times for Moll」は、ややコミカルなタッチの曲。「Promenade at the Fayre」は、バグパイプをフィーチャーした明るく牧歌的な主題。「Reluctant Bride, Impatient Spouse」は、メランコリックなワルツ。「Thief's Disguise」は、躍動的なタッチ。「Love's Reward / End Titles」は、大らかなファンファーレからメインの主題の優雅なアレンジメントへと展開するエンドタイトル。
このスコアは公開当時にRCAレーベルよりサントラLPが出ていたが、このQuartetレーベルのCDはLPと同じ内容の初CD化で、1000枚限定プレス。
(2013年6月)

John Addison

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