(未公開)LE GRAND CARNAVAL
(未公開)LE COUP DE SIROCCO

作曲:セルジュ・フランクリン
Composed by SERGE FRANKLIN


指揮:ジャンフランコ・プレニツィオ
Conducted by GIANFRANCO PLENIZIO(「LE GRAND CARNAVAL」)

(仏Music Box Records / MBR-029)

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「熱砂に抱かれて」(1991)「流血の絆」(1993)「世界で一番好きな人」(1995)等のアレクサンドル・アルカディ監督(1947〜)と、フランスの作曲家セルジュ・フランクリン(1942〜)のコラボレーション作品2本をカップリングにしたCD。アルカディ監督とセルジュ・フランクリンは、この2作品以外にも「(未公開)流血の絆/野望篇」(1981)「(未公開)ホールド・アップ」(1985)「(未公開)タンジール/復讐の熱い夏…1956」(1987)等で組んでいる。

「(未公開)LE GRAND CARNAVAL」は、1983年製作のフランス=チュニジア合作映画。出演はフィリップ・ノワレ、ロジェ・アナン、リシャール・ベリ、ピーター・リージェール、マシャ・メリル、ジャン=ピエール・バクリ、ジェラール・ダルモン、フィオナ・ゲラン、マルト・ヴィラローニャ、ジャン・バンギギ、アッティカ・ゲージ、エドワール・ミークス、パトリック・ブルール、ミシェル・クレトン、ジャン・ペレグリ他。脚本はアレクサンドル・アルカディ、アラン・ル・アンリとダニエル・サンタモン。撮影はピエール・ローム。当時24歳のリュック・ベッソンが第二班監督として制作に参加している他、アレクサンドル・アルカディ監督の息子で、「ハイテンション」(2003)「ミラーズ」(2008)「ピラニア3D」(2010)等の監督であるアレクサンドル・アジャも出演している。第二次大戦中、1942年の北アフリカの小さな町タジラを舞台に、裕福な地主で市長のエチエンヌ・ラブルーシュ(ノワレ)と、カフェの主人レオン・カステリ(アナン)が、アメリカ兵相手に違法な賭博場を開設しようとするイタリア系アメリカ人の計画に巻き込まれていくストーリーを描いたコメディ。

セルジュ・フランクリンのスコアは、「Le Grand Carnaval (generique debut)」が、オーケストラにギターとコーラスを加えた大らかなマーチ調のメインタイトル。このメインの主題が「Algerie, 8 novembre」「L'adieu aux troupes」「Douce Algerie」「Etienne et Sylvette」「Le testament」「Famille Labrouche」等で何度も繰り返される。「Carnaval Circus」は、明るく快活なサーカス音楽。「Welcome in Paradise」は、出演者のジェラール・ダルモンとジャン=ピエール・バクリのヴォーカルによるダイナミックなシャンソン。「In Memoriam」は、ストイックなマーチ調の曲。「Violence」「Mort de Mokhtar」は、躍動的でダイナミックな曲。「Bolero du grand-pere」は、ジェントルで軽快なダンスミュージック。「Sweetheart」は、アルチュール&ジョン・シムズのヴォーカルによるジェントルなシャンソン。「Leon et Walter」は、ストイックな舞踏音楽風の曲。「Le depart de Sylvette」「Le secret du grand-pere」「Un jour une plage」は、メランコリックな主題。「Welcome in Paradise (instrumental)」は、ビッグバンドジャズ。「Bye-bye Tadjira (generique fin)」は、明るく躍動的なマーチ調の主題からメインの主題へと展開するエンドタイトル。同じレーベルがCD化したセルジュ・フランクリンの傑作「(未公開)流血の絆/野望篇(Le grand pardon)」と同時期に作曲されたスコアで、ドラマティックで親しみやすいメインの主題が印象的。

「(未公開)LE COUP DE SIROCCO」は、1979年製作のフランス映画。出演はロジェ・アナン、マルト・ヴィラローニャ、ミシェル・オークレール、ジャック・デュビー、モーリス・シェヴィット、パトリック・ブルール、フィリップ・スフェズ、ルシアン・ラヤニ、ナタリー・ゲラン、ジャン=クロード・ドゥ・ゴロス、ジェラール・ジュニョ、マリー=アン・シャゼル、ロベール・ロンバール、ピエール・ヴィールエスカズ、モアメド・ジネ、ジャクリーヌ・ドワイアン他。ダニエル・サンタモンの原作を基にアレクサンドル・アルカディ、ジャン・サンタモンとダニエル・サンタモンが脚本を執筆。撮影はジャン=フランソワ・ロバン。1962年のアルジェリア独立後に、ヨーロッパから本国に帰還したアルジェリア人たちを描いたドラマ。

セルジュ・フランクリンのスコアは「Narboni & Fils」「Le Coup de sirocco」が、素朴でドラマティックなメインの主題。「Ville d'Alger」は、静かでややメランコリックな曲。「Hey Baby Foot」は、軽快なロック。「Sexy Sax Blues」は、気だるいサックスによるジャズ。

「(未公開)LE GRAND CARNAVAL」は、過去に仏GriffeレーベルからサントラLPが出ていたが、このMusic Box RecordsレーベルのCDはこれら2作品のコンプリートスコアの初リリースで、500枚限定プレス。
(2013年7月)

Serge Franklin

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