残虐療法  SHOCK TREATMENT
不時着  FATE IS THE HUNTER

作曲:ジェリー・ゴールドスミス
Composed by JERRY GOLDSMITH

指揮:ジェリー・ゴールドスミス、ライオネル・ニューマン
Conducted by JERRY GOLDSMITH and LIONEL NEWMAN
 

(米Intrada / Intrada Special Collection Vol.237)

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ジェリー・ゴールドスミス(1930〜2004)がキャリアの初期に20世紀フォックス社でアーロン・ローゼンバーグ製作の作品に作曲したスコア2作をカップリングにしたCD。

「残虐療法(SHOCK TREATMENT)」は、1964年製作のアメリカ映画。監督は「(未公開)戦場の追跡」(1962)「エルビス オン ステージ」(1970)「SOUL TO SOUL/魂の詩」(1971)「(未公開)インベージョン・オブ・ザ・ビー・ガールズ〜蜂女〜」(1973)等のデニス・サンダース。出演はステュアート・ホイットマン、キャロル・リンレー、ロディ・マクドウォール、ローレン・バコール、オリーヴ・ディアリング、オシー・デイヴィス、ドナルド・ブカ、ポーリーン・マイヤーズ、エヴァードン・ベイカー、ロバート・J・ウィルク、バート・フリード、ジュディス・デ・ハート、ジャドソン・レイアー、ジョージ・アレン、ラリー・バートン他。ウィンフレッド・ヴァン・アッタの原作『ショック療法』を基にシドニー・ボームが脚本を執筆。撮影はサム・リーヴィット。億万長者タウンセンド家の使用人マーティン・アシュレー(マクドウォール)が、突然主人である未亡人アメリアを園芸用大バサミで殺し、警察に自首した。やがて公判が開かれ、精神科医のエドウィナ・ベインレー博士(バコール)は、マーティンを精神疾患と診断し、精神科の病院に送ることにした。ところが、タウンセンド財団の管理人マニング(レイアー)は、マーティンが精神疾患ではなく、未亡人から奪った大金の大半をどこかに隠していると考え、売れない舞台俳優デイル・ネルソン(ホイットマン)を雇って精神疾患の患者に化けさせ、マーティンのいる病院に送りこんだ。デイルは、エドウィナによって催眠状態となったマーティンが大金を所有していると口走るのを立ち聞きし、マニングに報告した。しかし、デイルが精神疾患ではないと見破ったエドウィナは、彼にショック療法をかけ、偽の患者であることを白状させる……。

ジェリー・ゴールドスミスのスコアはストリングス、ハープ、2台のピアノ、パーカッション、電子楽器による実験的なスコア。「Shock Treatment Main Title」は、ショッキングなイントロから電子楽器を加えた不吉なサスペンス音楽へ展開するメインタイトル。「Home Work」「Broken Glass」は、メランコリックでドラマティックな曲。「The New Patients」「Night Scene」「No More Shock」は、不吉なサスペンス音楽。「Aftershock」「Edwina Wants the Money」「Martin Comes」「Nelson's Seduction」「Another Treatment」等は、一部電子楽器を加えた抑制されたサスペンス音楽。「Nelson's Escape」「Hot Money」は、パワフルなサスペンスアクション音楽で、ゴールドスミスが後に手がける「猿の惑星」のスコアに通ずるタッチ。「End Title」は、ダイナミックなエンディング。最後に別テイク等のエクストラ・トラックを4曲収録。


「不時着(FATE IS THE HUNTER)」は、1964年製作のアメリカ映画。監督は「野のユリ」(1963)「砦の29人」(1966)「誇り高き戦場」(1967)「まごころを君に」(1968)「ソルジャーブルー」(1970)「小さな冒険者」(1971)「サンタマリア特命隊」(1972)「エンブリヨ」(1976)等のラルフ・ネルソン。出演はグレン・フォード、ナンシー・クワン、ロッド・テイラー、スザンヌ・プレシェット、ジェーン・ラッセル、ウォリー・コックス、ネヘミア・ペルソフ、マーク・スティーヴンス、マックス・ショウォルター、コンスタンス・タワーズ、ハワード・セント・ジョン、ロバート・J・ウィルク、バート・フリード、ドート・クラーク、メアリー・ウィックス、ドロシー・マローン他。アーネスト・K・ガンの原作を基にハロルド・メドフォードが脚本を執筆。撮影はミルトン・クラスナー。ジャック・サヴェッジ機長(テイラー)の操縦するジェット旅客機がエンジンの故障で不時着し、客室乗務員のマーサ(プレシェット)を除く全乗員と49名の乗客が死亡した。運航部長のサム・マクベイン(フォード)は、事故が不可抗力によるものかどうかを調査し、右エンジンはカモメを吸い込んだことが故障の原因であること発見するが、左エンジン故障の原因がわからなかった。マクベインはサヴェッジのことを調べ、彼が出発前に酒を飲んでいた可能性があることや、過去にアメリカの映画女優ジェーン・ラッセル(本人)と恋愛関係にあったこと、最近婚約を破棄したことなどを突き止めるが、それらと事故の原因との因果関係は見つけられなかった……。1964年度アカデミー賞の撮影賞(白黒)にノミネートされている。

ジェリー・ゴールドスミスのスコアは「Fate Is the Hunter Main Title」が、オーケストラとコーラスによるジェントルなメインタイトルで、このメインの主題が「Forest Scene」「Fate Is the Hunter End Title」等でも繰り返される。「The Room」「The Room Revisited」「Moon Fish」「Night Scene」も、ジェントルかつリリカルな曲。最後にエクストラ・トラックとしてメインの主題のピアノソロ版「Bar Room (Source)」、ジェリー・ライトによるヴォーカル版「Jerry Wright Vocal」、コーラス版「Fate Is the Hunter End Title Chorus」の3曲を収録。こちらはオーソドックスなタッチのスコア。

この「残虐療法」「不時着」のスコアは、過去に米Varese SarabandeレーベルがリリースしたCD6枚組のコンピレーション「Jerry Goldsmith at 20th Century Fox」に各々9曲と4曲が収録されていたが、この米IntradaレーベルのCDはコンプリート・スコアの初リリースで、限定プレス。
(2013年8月)

Jerry Goldsmith

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