レッド・オクトーバーを追え!  THE HUNT FOR RED OCTOBER

作曲・指揮:ベーシル・ポールドゥーリス
Composed and Conducted by BASIL POLEDOURIS

(米Intrada / Intrada Special Collection Vol.257)

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1990年製作のアメリカ映画。監督は「シュワルツェネッガー/プレデター」(1987)「ダイ・ハード」(1988)「ラスト・アクション・ヒーロー」(1993)「ダイ・ハード3」(1995)「13ウォーリアーズ」(1999)「閉ざされた森」(2003)等のジョン・マクティアナン。出演はショーン・コネリー、アレック・ボールドウィン、スコット・グレン、サム・ニール、ジェームズ・アール・ジョーンズ、ジョス・アックランド、リチャード・ジョーダン、ピーター・ファース、ティム・カリー、コートニー・B・ヴァンス、ステラン・スカルスガルド、ジェフリー・ジョーンズ、ティモシー・カーハート、ラリー・ファーガソン、フレッド・ダルトン・トンプソン他。「(TV)オプ・センター」(1995)「(TV)ネットフォース」(1999)等のトム・クランシー(1947〜2013)の原作を基にラリー・ファーガソンとドナルド・ステュワートが脚本を執筆。撮影は「スピード」(1994)「ツイスター」(1996)「ホーンティング」(1999)「トゥームレイダー2」(2003)等の監督も手がけたヤン・デ・ボン。米国への亡命を決意した艦長が率いるソヴィエト連邦(当時)の原子力潜水艦レッド・オクトーバーを巡って繰り広げられる米ソの駆け引きを描いたポリティカル・アクション。英国情報局から入手したレッド・オクトーバーの写真を解析していたCIAのアナリスト、ジャック・ライアン(ボールドウィン)は、同潜水艦の不審な行動が報告される中、艦長マルコ・ラミウス(コネリー)が亡命するつもりなのではと直感する。国家安全対策顧問ジェフリー・ペルト(ジョーダン)からラミウスの真意を確認するよう命じられたライアンは、北大西洋沖の米空母エンタープライズに向かう。ラミウスによる亡命の企てを知ったモスクワは、ソヴィエト海軍潜水艦コノヴァロフのツポレフ艦長(スカルスガルド)にレッド・オクトーバーの撃沈を命じる。一方、レッド・オクトーバーの動きを察知した米潜水艦USSダラスの艦長バート・マンキューソ(グレン)は、同艦を待ち伏せしようとするが……。1990年度アカデミー賞の音響賞、編集賞にノミネートされ、同賞の音響効果編集賞を受賞している他、ショーン・コネリーが同年の英国アカデミー賞の主演男優賞にノミネートされている。この作品以降、トム・クランシー原作の“ジャック・ライアン”シリーズは、ハリソン・フォード主演による「パトリオット・ゲーム」(1992)「今そこにある危機」(1994)、ベン・アフレック主演による「トータル・フィアーズ」(2002)、クリス・パイン主演による「エージェント:ライアン」(2014)が映画化されている。

音楽はベーシル・ポールドゥーリス(1945〜2006)が作曲しており、オーケストラにコーラスとシンセサイザーを加えたスケールの大きいサスペンスアクション・スコアを展開。「Never Happened」は、コーラスを加えた静かなオープニング。「Hymn to Red October (Main Titles)」は、ロシア語のコーラスをフィーチャーしたストイックなマーチによるメインタイトルで、ロシア調のミリタリスティックなタッチが秀逸。「Putin's Demise」は、パーカッシヴなサスペンス音楽。「Tyler's Office / Ramius and the Doctor / Dallas Listens」「Plane Crash」は、ダークなサスペンス音楽。「Course Two-Five-Zero / Interlude / Two-Five-Zero / Padorin Reads」は、コーラスを織り込んだストイックなサスペンス音楽。「Ryan's Wheels (original version)」は、軽快でややコミカルなタッチの短い曲。「Ryan's Wheels (revised) / Tupolov / Buckaroo」は、同じ曲の躍動的な別バージョンからシンセサイザーとコーラスを織り込んだストイックなサスペンス音楽へ展開。「The Line / Red Route」「Ancestral Aid」「Ryan Lifts Off / Emergence」は、コーラスを織り込んだサスペンス音楽。「Two Wives」は、抑制されたサスペンス音楽。「Chopper」は、パーカッシヴなサスペンスアクション音楽。「Submarine Dive / Necessary Force」「Outer Doors」は、ダークでリズミックなサスペンス音楽。「Nuclear Scam」は、コーラスを織り込んだ荘厳なタッチから、メインの主題やヒロイックな主題等が交互に登場するサスペンスアクション音楽へ展開。「Mini-Sub / Contact」「Tupolov's Torpedo / Torpedo Hits」は、リズミックなサスペンスアクション音楽。「Kaboom!!!」は、クライマックスのダイナミックなアクション音楽。「End Title (Ancestral Aid / Hymn to Red October [Main Titles] / Nuclear Scam)」 は、メインの主題やサスペンス調の主題が登場する長めのエンドタイトル。最後にエクストラ・トラックとして別バージョンやメインのロシア語コーラス曲等4曲を収録。
公開当時にMCAレーベルより約30分のサントラCDが出ていたが、この米IntradaレーベルのCDは未発表の音楽を含む70分以上のスコアを収録したエクスパンデッド盤で、限定プレス。
(2013年11月)

Basil Poledouris  


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