F/X2 イリュージョンの逆転 F/X2
作曲・指揮:ラロ・シフリン
Composed and Conducted
by LALO SCHIFRIN
(スペインQuartet Records / SCE071)
1991年製作のアメリカ映画。監督は「(未公開)パトリック」(1978)「サイコ2」(1983)「(未公開)ビデオゲームを探せ!」(1984)「リンク」(1986)「(TV)美女と野獣」(1987〜1990)「(未公開)ゴーストアビス」(2003)等のオーストラリア人リチャード・フランクリン(1948〜2007)。出演はブライアン・ブラウン、ブライアン・デネヒー、レイチェル・ティコティン、ジョアンナ・グリーソン、フィリップ・ボスコ、ケヴィン・J・オコナー、トム・メイソン、ドミニク・ザンプローナ、ジョシー・デガズマン、ジョン・ウォルッシュ、ピーター・ボレツキー、リサ・ファロン、リー・ブローカー、フィリップ・エイキン、トニー・デ・サンティス他。脚本はビル・コンドン。撮影はヴィクター・J・ケンパー。映画の特殊効果マン、ロリー・タイラー(ブラウン)を主人公にしたサスペンス映画「F/X 引き裂かれたトリック(F/X: MURDER BY
ILLUSION)」(1986/監督:ロバート・マンデル)の続編。恋人のキム(ティコティン)とその連れ子クリス(ザンプローナ)との家庭を築き、特殊効果の仕事から引退していたロリーは、キムの前夫で刑事のマイク・ブランドン(メイソン)の依頼で、連続殺人事件の犯人逮捕のためにかつてのSFX技術を再び使うことになる。作戦は成功したかに思えたが、その直後マイクは何者かによって殺害され、事件の犯人もマイクの上司レイ・シラク(ボスコ)によって射殺されてしまう。事件の背後にシラクが絡んでいることを知ったロリーは命を狙われるが、刑事から私立探偵へと転身したレオ・マッカーシー(デネヒー)によって助けらる。事件を調べるうち、20年前に迷宮入りとなったヴァチカンの秘宝であるミケランジェロ純金メダルの盗難事件が浮上、ロリーとレオは、メダルをマフィアに売って一攫千金を目論むシラクを追う……。この映画のプロデューサーであるドディ・ファイド(1955〜1997)は、ハロッズやリッツ・ホテルのオーナーである大富豪モハメド・アル=ファイドの息子で、ダイアナ元妃の恋人と噂され、彼女がパリで自動車事故死した際に同乗していて一緒に亡くなっている。
1作目のスコアはビル・コンティ(1942〜)だったが、続編はコンティよりベテランのラロ・シフリン(1932〜)が作曲。「Main
Titles」は、幻想的なイントロからサックスをフィーチャーしたアップビートなジャズによるメインタイトルへ。「The
Inside
Movie」は、サックスをフィーチャーしたジャズベースのサスペンス音楽。「Bluey」「7M1A」は、ライトなジャズ。「Reflections」「Rollie's
Regret」「Kid Stuff」は、ややメランコリックなタッチの主題。「First Sketckes」「Silak /
De Marco / Kylie」「Something's Wrong / The Blade / Rado」「Ado Talks Kim / Rado at
the Mall」等は、不気味なサスペンス音楽。「4M3 / Electric
Tension」は、ジェントルなジャズから後半サスペンス音楽に。「The Real Rado」「Popcorn (film
version)」「Hairspray / The Cart」等は、サスペンスアクション音楽。「Rado Attacks /
Rado Chase Rollie」「Game Over / Last
Explosion」は、シフリンらしいダイナミックなアクション音楽。「Monster Fake out / The
Medallion Story」は、ダークでストイックなタッチ。「Loading Van /
Autowrap」は、アップビートなジャズ。「Chase
Sequence」は、アラビックな味付けのサスペンスアクション音楽。「Bluey's End / End
Titles」は、サスペンス音楽からライトでアップビートなエンドタイトルへ。最後にエクストラトラックとしてソース音楽等13曲を収録。重厚なオーケストラによるサスペンススコアだったビル・コンティ作曲の前作から、一転してよりアップビートなジャズベースのアクションスコアとなっている。スコアの作曲後に映画が一部再編集されたが、その時点でシフリンが確保できなかったため、キーボーディストで作曲家のマイケル・ボディッカーが一部リスコアリングを担当している。このCDはシフリン作曲のコンプリート・スコアを収録した初リリースで、1000枚限定プレス。
(2014年2月)
Lalo Schifrin
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