(未公開)QUAI D'ORSAY
作曲:フィリップ・サルド
Composed by PHILIPPE SARDE
指揮:ドミニク・スパニョーロ
Conducted by
DOMINIC SPAGNOLO
(スペインQuartet Records / SM029)
2013年製作のフランス映画。監督は「田舎の日曜日」(1984)「ラウンド・ミッドナイト」(1986)「ダディ・ノスタルジー」(1990)「ソフィー・マルソーの三銃士」(1994)「レセ・パセ
自由への通行許可証」(2002)「(未公開)エレクトリック・ミスト 霧の捜査線」(2009)等のベルトラン・タヴェルニエ(1941〜)。出演はティエリー・レルミット、ラファエル・ペルソンナ、ニエル・アレストリュプ、ブリューノ・ラファエリ、ジュリー・ガイエ、アネ・ドゥムースティエ、トマ・シャブロル、ティエリー・フレモン、アリックス・ポワッソン、マリー・ビュネル、ジャン=マルク・ルーロ、ソニア・ロラン、ディディエ・ベザース、ジェーン・バーキン他。アベル・ランザックとクリストフ・ブレンの原作コミック(バンドデシネ)を基に、アントナン・ボードリー(ランザックの本名)、クリストフ・ブレンとベルトラン・タヴェルニエが脚本を執筆。撮影はジェローム・アルメラ。原題名の「Quai
d'Orsay」は、パリのオルセー河岸のことで「フランス外務省」を指す。原作者のアントナン・ボードリーは当時のフランスの外務大臣ドミニク・ド・ヴィルパン(後に首相)のスピーチ原稿執筆者で、これは彼の実体験に基づいたコメディ。レルミットがド・ヴィルパンをモデルにした外務大臣アレクサンドル・タイヤール・ドゥ・ウォルム、ペルソンナがボードリーをモデルにしたアルチュール・ヴラミンクを演じる。
音楽は、ベルトラン・タヴェルニエ監督の「判事と殺人者」(1976)「田舎の日曜日」(1984)「ソフィー・マルソーの三銃士」(1994)「(未公開)モンパンシエ王女」(2010)等のスコアも手がけているフィリップ・サルド(1948〜)。「Arrivee au Quai
d'Orsay」は、フレデリック・クーデルクのサックスをフィーチャーした躍動的でスリリングなメインの主題で、すぐにサルドとわかるタッチが秀逸。このメインの主題は「Manuel
de resolution des crises」「Discours a l'ONU」でも登場。「Le bureau
d'Arthur」は、躍動的なフレーズから不気味なタッチへ展開。「La
routine」
は、ダイナミックな曲。「Maupas」は、静かにサスペンスフルな曲。「Resolution
d'un conflit」「Sandwich reflexion」「Arrivee a New
York」は、スリリングなタッチ。「Stabylo」「La course du
minister」「Oubanga」「Reveil d'urgence」は、サスペンスフルな曲。「Les nuits
d'une Demoiselle (Thierry
Fremont)」は、ティエリー・フレモンによる即興っぽいシャンソン。「Les nuits d'une Demoiselle
(Colette Renard)」は、同じ曲のコレット・ルナールによるヴォーカル。「Step on the
Gas!」は、エイプリル・マーチのヴォーカルによる挿入歌。「Girl in Your Raindrop」「Arrow in
the
Wall」は、ジョエル・デイドのヴォーカルによる挿入歌。全編が独特の乾いたタッチのテンションに満ちたスコアで、サックスによるアクセントもサルドらしい。ベースのソロはリダルド・デル・フラ、パーカッションはジャン・ピエロ、ディジュリドゥ(アボリジニの金管楽器)はラファエル・ディジャマンの演奏。
(2014年2月)
Philippe Sarde
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