ブラス・ターゲット  BRASS TARGET

作曲・指揮:ローレンス・ローゼンタール
Composed and Conducted by LAURENCE ROSENTHAL

演奏:グランケ交響楽団
Performed by the Graunke Symphony Orchestra, Munich

(米Varese Sarabande / VCL 1213 1145)

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1978年製作のアメリカ映画(日本初公開は1980年9月)。監督は「ドラキュラ血のしたたり」(1971)「ヘルハウス」(1973)「ダーティ・メリー/クレイジー・ラリー」(1974)「星の国から来た仲間」(1975)「呪われた森」(1980)「(未公開)ビグルス・時空を越えた戦士」(1985)「アメリカン・ゴシック」(1986)「(未公開)サイコパス」(2002)等のジョン・ハフ(1941〜)。出演はソフィア・ローレン、ジョン・カサヴェテス、ジョージ・ケネディ、ロバート・ヴォーン、パトリック・マクグーハン、ブルース・デイヴィソン、マックス・フォン・シドー、エドワード・ハーマン、エド・ビショップ、リー・モンターギュ、アラン・ティルヴァーン、ハル・ガリリ、バーナード・ホースフォール、ジョン・ジャンキン、ジーグフリート・シュタイナー他。フレデリック・ノーランの原作『The Algonquin Project』 を基にアルヴィン・ボレッツが脚本を執筆。撮影はトニー・イミ。第二次大戦終結直後のヨーロッパを舞台に、ナチスが隠匿した巨額の金塊を巡る国際的陰謀を、パットン将軍の死の真相と重ねて描いたサスペンス。1945年、アメリカ第3軍はドイツ帝国銀行が隠匿した2億5千万ドル相当の金塊を発見、総司令官パットン将軍(ケネディ)は、金塊のフランクフルトへの輸送を命じる。が、輸送の途中で金塊は何者かに奪われてしまい、パットンは犯罪捜査部のドーソン大佐(デイヴィソン)に調査の命令を下す。ドーソンは、情報部のベテラン将校ジョー・デ・ルッカ少佐(カサヴェテス)に協力を求めるが、故国へ帰ろうとしていたデ・ルッカは、この任務の解除を要請しようとマッコーリー大佐(マクグーハン)を訪ね、そこでかつての恋人マーラ(ローレン)と再会する。マッコーリーは、パットン直属の司令部将校ロジャース大佐(ヴォーン)と秘密の接触を続けており、このロジャースこそ金塊強奪の黒幕だった。捜査の手が伸びていると悟ったロジャースは、殺し屋のシェリー(シドー)にパットン将軍の暗殺を委託する……。

音楽はローレンス・ローゼンタール(1926〜)が作曲。「Mara's Theme / The Man from Switzerland」は、スリリングなイントロからドラマティックで美しいマーラの主題、サスペンス音楽へと展開。「Violence in the Bell Tower」は、ダイナミックでビジーなサスペンスアクション音楽。「The Ferry on Lake Lucerne」は、抑制されたサスペンス音楽からマーラの主題へ。「The Weapon and the Disguise」「The "Accident"」は、ミリタリスティックなサスペンス音楽。「Reminiscing」は、ジェントルなワルツ。「Setting the Stage」は、マーラの主題からサスペンス音楽へ。「The Last of Webber / End Title (Mara's Theme)」 は、ダイナミックなサスペンスアクション音楽からマーラの主題によるエンドタイトルへ展開。ベテラン作曲家らしい、オーケストラによるソリッドなサスペンススコア。公開当時に米Varese SarabandeレーベルからサントラLPが出ていたが、同じレーベルから35年を経て初めてCD化されたもの(LPと同じ内容)。CD CLUBリリースで1000枚限定プレス。
(2014年3月)

Laurence Rosenthal

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